タイランド太平記/バンコク コンドミニアム物語

タイでの生活とバンコクの不動産投資に関する情報発信

「タイランド太平記」
タイに興味がある、タイが好き、将来タイに住みたいという人のために、タイでの生活について、ジャンルを問わず思ったままのことを書いていきます。光があれば影があるように、タイには魅力的なところも多いですが、悪いところもたくさんあります。そして、やはり日本の方がいい、他の外国の方が住みやすそうだ、と思う人もいて当然であり、その参考になればと思います。

「バンコク コンドミニアム物語」
バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

2021年01月

タイ、アストラゼネカ技術移転でコロナワクチン国内生産へ

サイアムバイオ6
10日ほど前になりますが、「プミポン国王からタイ国民へのこの上ない贈り物」と題してグルンテープトゥーラギットに載っていたコラム記事を紹介しました。これには予想外の反響があり、随分多くの人が読んでくれたので、この時のブログに加筆修正したものを投稿したところ、今朝、「アゴラ」に掲載されたので、興味のある方は読んでみてください。

タナトーン
なお、このサイアムバイオサイエンスがアストラゼネカ社から技術導入を受け、ワクチン生産をするという計画については、野党である前進党の党首が政府及び王室をネット上で批判しています。それに対し、タイ政府は王室に対する名誉棄損であるとして1月20日に裁判に訴えたところです。

このように野党には違う見方もあるようですが、これについては先日「納得のいかない野党の言いがかり」でも書いたのですが、感染再拡大がまだ収束してないこんな時期に、ネット上で大して説得力のない根拠をもとに、政府や王室の批判を繰り返してひっかきまわすのはタイミングを間違えているように私は思います。

多くの日本人の明暗を分けた2020年3月

パニック
コロナ騒ぎが始まったのがちょうど1年前の今頃ですが、私を含め当時は多くの人が中国で伝染病が流行っていいるらしいと、まだどこか対岸の火事だと思っていたところがありました。

それがヨーロッパで感染が広がり始め、タイ政府もBTSや人の集まる場所でのマスク着用を宣伝するようになり、次第にコロナに対する認識が変わっていったのが2月です。

それでも当時は、まだ私はそれほど大きな危機感を持っておらず、2月中旬に一時帰国していました。いつも2か月に1度、2週間ほど実家に顔を見せに帰るのが私のルーティーンだったのですが、この時も月末まで日本に居て、3月初めにバンコクに戻ることでフライトを予約していたのです。

それが出発の数日前になって突然欠航となり、すぐに別の便を予約したところ、これもまた直前に欠航となったのです。そこでこれはまずいぞと、次に飛びそうな便を探して予約をしたところ、3度目の正直でやっと3月6日、関空からバンコクに飛んでくれてホッとしたのですが、その時は既に20人ほどしか乗客がおらず、赤字なのによく飛んでくれたものだとありがたく思ったものです。

この頃には日本でもコロナに対する警戒心が広がっていて、昼間だというのに関西空港はガラガラでほとんど人がおらず、バンコクについてもやはり空港はガラガラで、事態が急速に悪化してきているのがわかりました。

上の写真は、昨年3月16日のバンコクポストに載ったものですが、政府がいよいよロックダウンを始めるという噂で、多くの人が食料品の買いだめにスーパーに押し寄せた際に撮られたものです。当時、私も近所のロータスに買い物に行ったら、トイレットペーパーやインスタントラーメンが棚からなくなっていたのを覚えています。ただ、当時日本ではマスク争奪戦が繰り広げられていましたが、なぜかバンコクではマスクはありました。

そしていよいよ、3月22日にバンコク都がロックダウン命令を出し、同月26日にはタイ政府が国家非常事態宣言を発令し、これ以後、外国人の入国はシャットアウトになったのです。

そこで今になって思うのは、タイに住む多くの日本人にとって、
昨年の3月はその後の1年間の明暗を大きく分けた分岐点だったということです。

私と同じ不動産投資家のI氏は、奇数月は日本で偶数月はバンコクでと、1年の内半年をバンコクで過ごす生活をかれこれ10年近く続けてきたのですが、運悪く私と逆で3月は日本に帰国していて、そのまま戻って来られなくなりました。

I氏は日本だけでなくバンコクでも1億円以上の資金を使って数ユニットの高級コンドミニアムを保有していることもあって、不動産投資の本を書いた私とはウマが合い、よく飲んだり不動産の話をしていたのです。

しかし、さすがに不動産市況や保有物件のことも気にかかるし、いつまでたってもバンコクに来られないことにやきもきしていて、つい先日、エリートカードを買ったそうです。

これで久しぶりにバンコクに来られるというので、またゴルフをしましょうと話していたのですが、今回の感染爆発でまた状況が変わってしまい、タイ大使館が発行する入国許可証の取得などで結構苦労しているようです。

また、同じ不動産投資家のF氏も首都圏で何棟ものアパートを持っていて、私が推薦したエッカマイのコンドミニアムをバンコクでの自宅として買ってくれたのですが、昨年2月に来て以来、やはりもう1年もバンコクに来ていません。

ゴルフは80台で回るうまさで、ヘタクソな私などとやっても面白くないのでしょうが、いつもゴルフに誘ってくれる仲です。名門アルパインの会員でもあるのにもう1年もプレイしてないこともあり、日本でワクチン接種がすめば、隔離検疫を受けてでもゴルフをしにくるといっています。

またゴルフ仲間のO氏は駐在員ですが、やむを得ない事情で3月18日に日本に出張したのですが、26日の非常事態宣言の前に戻ってくることができず、結局、その後、半年間戻って来られなくなりました。

パニック2
さらに、時々私も参加していた毎週水曜日のロングステイクラブの飲み会も、コロナの前は多いときは20人以上が集まっていたのですが、最近は4、5人しか集まりません。多くの人がロックダウンが始まった際に、ここは一旦日本に帰って様子を見ようというつもりで帰国したら、そのまま戻れなくなくなったようです。

当時は、3か月もしたらコロナ騒ぎも収まるだろうと軽く考えて帰国したのが命取りになりました。
そしてあれから1年近くが経ち、寒い日本で待つのはもう我慢の限界なのかもしれません。隔離検疫を受けてもバンコクに戻ってこようという人が周りで増えてきています。

ちなみに、残念ながらLCCはまだ飛んでないようで、PCL検査も安いところは予約待ちでなかなか取れず、普通に英文の証明書を取れば4万円ほど取られるそうです。また、ASQの安いホテルも満室状態のようで、コロナ保険も含めるとなんだかんだで今も40万円ほどかかるそうですが...。

一方で、運よく3月にバンコクに残っていた人たちでも、駐在員等の給料のある人たちは別ですが、そうでない人は予想外にバンコクで長期滞在が続いた結果、手持ちの現金がなくなって生活に困っている人もいます。こうなると、いつまたバンコクに戻ってこられるかわからない中、帰りたくもないのに一旦日本に帰国するしかないようです。

そういう意味では、私は何とかギリギリで戻ってこられたので運がよかったと思っています。もしあの時に戻ってこられてなければ、今頃はまだ日本に居たかもしれず、もともと外国生活が好きなのでタイに住んでいるのに、退屈な日本の生活にうんざりしていたろうと思うのです。

また、多分このブログも中止してしまっていたように思います。タイに居ないのに不動産市場やタイの政治や経済、生活のことを書いてもそれは嘘になるからです。


タイ国内は最近やっと第2波も収束の途上にあるようですが、
コロナ騒ぎの始まりからかれこれ1年が経ち、こうやって振り返ってみると、2020年の3月というのは、私もそうですが多くの日本人にとって、その後の生活の明暗を分けることになった忘れられない月になるのだろうと思います。

納得のいかない野党の言いがかり(その3)

政府批判4
3の利害の不一致もしくは利益相反については、このタナトーン党首が何を問題視しているかというと、昨年の10月5日にタイ政府が6億バーツ(約20億円)もの資金を、明確で透明性のある理由説明もなくサイアムバイオサイエンスという民間企業に出すことを決定したことに対してです。

これについては状況がわからないので私には何ともいえませんが、何の理由説明もなく政府が特定の民間企業に対して資金援助をすることを決定し、契約に調印したのであれば、この問題の指摘はわからないでもありません。

しかし、アメリカのワープスピード作戦では、トランプ大統領の決定で民間企業が一刻も速くワクチンを開発できるように、失敗するかもしれないワクチン研究開発費としてファイザー等に20億ドル(2,000億円)以上の国費をふんだんに使って援助した結果、1年以内にワクチンができたと聞いています。

タイの場合、これが利害の不一致になるのかどうかは別として、むしろそんな小さな話より、わずか20億円程度の資金援助で、サイアムバイオサイエンスがアストラゼネカから技術移転を受けてタイ国内でワクチン生産ができるというメリットの方がはるかに大きいように思えます。

4については、プラユット首相が学生の反政府デモに対抗するために、わざとアストラゼネカ1社としか交渉せず、国民の健康のことよりも政府に対する人気取りを優先して、ワクチン調達の話を昨年の第3四半期以降まで故意に引き延ばしてきたといっています。

しかし、これについては何の証拠もなく、勝手な憶測だけで批判しているようで話にならないように思えます。

そして5が王室の関与についてです。このサイアムバイオサイエンスは「プミポン国王からタイ国民へのこの上ない贈り物」でも書いたように、そもそもは2009年にプミポン国王が国民の健康を願って設立したバイオ薬品のメーカーであり、当然、王室が事実上の100%株主です。

これに対し、タイにはもっと大きな薬品会社があるのになぜこんな中堅の会社に製造させることを決めたのか、そして王室が経済的利益を追求する薬品生産というビジネスをやることは、その性質上向かないというがタナトーン党首の主張です。

また、もし同社ワクチンの生産が遅れたり、不良品が出たり、副作用が出たりした場合、この会社を選んだ政府としてプラユット首相は責任を取れるのかと追及しています。

しかし、私にはどれも勝手な理由付けでいいがかりをつけているようにしか思えません。

ところで、先のブログの中で引用したグルンテープトゥーラギットの記事には以下のような記述があります。

ก่อนอื่นต้องย้อนกลับไปเมื่อปี 2552 หรือราว 11 ปีที่แล้ว บริษัท สยามไบโอไซเอนซ์ จำกัด เริ่มก่อตั้งขึ้นด้วยทุนจดทะเบียน 4,800 ล้านบาท โดยพระราชปณิธานของพระบาทสมเด็จพระบรมชนกาธิเบศร มหาภูมิพลอดุลยเดชมหาราช บรมนาถบพิตร (ร.9) ที่ทรงให้ความสำคัญกับการดูแลรักษาสุขภาพของคนไทย


この会社を語るには、まず最初に2009年に遡らなければならない。つまり、約11年前にサイアムバイオサイエンス社は、タイ国民の健康維持と管理を重要視する今は亡きプミポン国王の、タイにもバイオテクノロジーの医薬品会社が必要だという意思に基づき、資本金48億バーツで設立されたのである。

 

โดยพระบาทสมเด็จพระวชิรเกล้าเจ้าอยู่หัว ในหลวง รัชกาลที่10 ทรงสืบสานและต่อยอดพระราชปณิธานของสมเด็จพระบรมชนกนาถ ในด้านการสาธารณสุขของไทยมาจนปัจจุบัน บริษัท สยามไบโอไซเอนซ์ นับเป็นบริษัทผู้ผลิตยาชีววัตถุแห่งแรกและแห่งเดียวของประเทศไทยจนกระทั่งปัจจุบัน


その後、この父の意思は現在のワチラロンコーン国王(ラーマ10世)によって引き継がれ、タイ国民の健康維持に対する王室の貢献は今も続いている。そして、同社はタイで一番最初で、しかも現在も唯一のバイオ薬品を生産できる会社なのである。


バイオ薬品を生産できるのはタイではここしかないという記述が本当なら、もしくはアストラゼネカが数ある薬品会社の中からサイアムバイオサイエンス社がベストと選んだのであれば、タナトーン氏の批判は見当違いということになります。

納得のいかない野党の言いがかり(その2)

政府批判2
さて、このBBCニュースの記事によると、以下がタナトーン党首による政府批判の論点です。

1. รัฐบาลประมาท ไม่เร่งการเจรจาจัดหาวัคซีนจนเกิดความล่าช้า
タイ政府の怠慢により、ワクチンの早期調達交渉が行われなかった結果、(周辺国に比べて)ワクチンの調達が遅れた

2. "แทงม้าตัวเดียว" ไม่เปิดทางเลือกอื่นจากบริษัทอื่น ๆ
政府はワクチン調達を最初からアストラゼネカだけに絞り込んで、他社からの調達を試みようとしなかった

3. ความขัดกันของผลประโยชน์
利害の不一致

4. รัฐบาลฉวยโอกาสจากโควิด กอบกู้ความนิยมช่วงที่มีการเรียกร้องปฏิรูปสถาบันกษัตริย์
王室改革を求めるデモへの対抗策として、コロナの問題を利用して王室に対する人気や支持を集めようとしている

5.สถานะของสถาบันกษัตริย์กับผู้เล่นทางเศรษฐกิจไปด้วยกันไม่ได้
王室業務と経済活動ではその業務の性質が違い、王室が両方を行うのは不可能

なお、この記事以外にタナトーン党首はフェイスブックでも自分のプレゼン動画をアップしているので、タイ語がわかる人は、参考までに見てみてください。

さて、まず1についてですが、上の表を挙げてマレーシアやフィリピンよりもタイはワクチン調達が遅れている。マレーシアは既に全国民の71%に対するワクチンを入手しているのに対し、タイはまだ21.5%しかなく、これまでタイ政府がワクチン調達を急がなかったからこんなことになっているという批判です。

しかし、以前「中国製ワクチンしか選択肢がない国とタイでは違うのでは?」でも書きましたが、これまで感染拡大をうまく抑え込んできたタイ、カンボジア、ベトナムと、感染拡大が止まらないマレーシア、インドネシア、フィリピンでは状況が全く違います。

タイの場合、まだ余裕があるので、
特に中国のワクチンについては、その効果や副作用について他国の使用結果をよく見てから決めればいいと、今でも私は思います。それに、もしシノバックのワクチンでいいのなら「世界中から信用されない中国共産党と中国製ワクチン」でも書いたように、シノバックのは売れてないのですぐに調達できるのはないかと思います。

実際、彼のFBでのプレゼンを聞いていると、マレーシアは中国のシノバックやロシアのスプートニクという宇宙船みたいな名前のワクチンをも大量に購入しているようで、とにかく感染拡大阻止のために見境なくワクチン調達が急務ということから、71%という高い調達率になっているのだろうと思います。

タナトーン党首も自分に都合のいい数字ばかり出さないで、カンボジアやベトナムのワクチン調達比率も出してもらいたいものです。多分、タイとあまり変わらないのではないかと思うのですが、その場合、彼は感染拡大をうまくコントロールしてきたカンボジア政府やベトナム政府をも怠慢だと批判するのですかね。

ワクチン1

ただし、タナトーン氏のプレゼンで一つ気になったのは、アストラゼネカから3,500万接種分のワクチンを追加購入すると政府が最近発表したが、
実は契約はサインできておらず、タイの調達比率はまだ21.5%なのだというのです。

そうなると、以前私が紹介した上のバンコクポストの情報が正しかったことになり、既に契約も締結されたという政府の発表は嘘だったことになります。

次の2については、「プミポン国王からタイ国民へのこの上ない贈り物」で書いたように、サイアムバイオサイエンスはアストラゼネカから技術移転を受けてASEANで唯一のワクチン生産国になります。そして、近い将来月間1,500万接種分のワクチン生産ができるということで、年内には国民全員がワクチン接種可能ということです。

先にも書いたように、少なくとも12月に感染爆発が起こるまでは、国内の新規感染者がほとんどいなくなっていたタイ政府には、疑問の残るワクチンを焦って買わなくてもよいという余裕がありました。

そこで政府は、自国で生産するワクチンで全国民に無料でワクチン接種する計画と昨年からいっていたのであり、それに対し、
タナトーン党首は、政府が最初からアストラゼネカ1社に絞り込み、シノバックを含め他社と交渉してなかった結果、他国が既にワクチン接種を開始しているのに、タイではいまだに始まってないと批判しています。

しかし、そう思うなら、なぜ今頃でなく昨年から、1社に絞り込まず他社とも交渉すべきと政府を批判しなかったのかとも思います。

次回に続く










納得のいかない野党の言いがかり(その1)

政府批判1
一昨日、BBCニュース(タイ)がคณะก้าวหน้า(カナガウナー、前進党?)という政党のタナトーン党首と独占インタビューを行い、上の記事を載せました。

早速タイ政府はこれに対しフェイクニュースだとして訴訟もいとわないとアナウンスしたので、私もどれどれと
このタナトーンとかいう政治家の批判について、このBBCの独占記事とやらを読んでみました。

正直なところ、これを読んだ私の第一印象は、こいつはダメだ、というものです。どうも日本の野党と同じで、何でもかんでも批判してその理由をよく読んでみると、自分の憶測と偏見で勝手に都合のよい理論武装をして政府を批判しているだけで、ともかく政府の批判が目的で、理由は後付けでもいいというようにしか見えず説得力に欠けると、少なくとも私個人は思いました。

こまでいうなら動かぬ証拠を出すべきであり、コロナの感染再拡大で社会が混乱しているこんな時期なのに、さらに不要な混乱をまき散らすだけのはた迷惑な行為だと思います。

นายธนาธร จึงรุ่งเรืองกิจ ประธานคณะก้าวหน้า ออกโรงวิจารณ์นโยบายการจัดหาวัคซีนโควิด-19 ของรัฐบาล พล.อ.ประยุทธ์ จันทร์โอชา ว่า "ล้าช้า" และตั้งคำถามถึงแนวทางจัดหาวัคซีนแบบ "แทงม้าตัวเดียว" จาก บ.แอสตร้าเซนเนก้า และแสดงความกังวลต่อการที่บริษัทเอกชนซึ่งมีพระมหากษัตริย์ทรงเป็นผู้ถือหุ้นโดยตรงเข้ามาเป็นผู้เล่นในตลาดวัคซีน

前進党の党首であるタナトーン氏は、プラユット政権のコロナワクチン調達に関する一連の政策を次のように批判した。
ワクチン調達の行動が遅すぎる
最初から1社(アストラゼネカ社)だけに絞り込んでしまい、他社からの調達を試みなかったのは怠慢である
王室が100%株主のサイアムバイオサイエンス社にワクチンの生産を任せることに問題がある

では、次回はこのタナトーン氏とやらが主張している5つの項目について簡単に説明してみようと思います。

次回に続く

結局、外国人観光客は来なかった (特別観光ビザ)

誰も来ない1
今朝のバンコクポストで上の写真の記事が出ています。

昨年10月、タイ観光スポーツ省があれほどすったもんだしてやっとなんとか実現にこぎつけたSTV(特別観光ビザ)制度ですが、いざ開けてみると、これを利用してタイにやってきた観光客は月平均でわずか346人と、当初の政府最低目標であった1,200人/月をも相当下回っています。

「タイはコロナの危険がない安全なリゾート」であり、寒い冬を避けてやって来るヨーロッパの長期滞在観光客需要があると政府が見込んで始めたのですが、2019年の外国人観光客4,000万人、つまり月300万人以上に比べれば、これはほとんどゼロに近い数字であり、この写真記事の通り、まさに「誰も来なかった」に等しいものです。

また、
隔離検疫をゴルフ場で過ごせるようにすれば多くのゴルフ目的の観光客が来るという、韓国大使館からの見当違いの助言に基づき、政府が最近始めた新スキームに対しても、監獄にいるような隔離検疫の中、ゴルフをやって面白い?」で書いたように、私は最初からこんなのうまくいかないだろうと思っているのですが、そのうち数字が出てくると思います。

そうはいっても、別にタイ政府の無策をこき下ろしているわけではなく、以下のような状況の中、彼らも限られた手段しかなく苦悩しているのはわかるし、
結局のところ、世界中でワクチンが行きわたり、感染拡大が一段落するまで、タイに外国人観光客は戻って来ないのではないかと思うようになりました。

The lack of interest is adding pressure on policy makers, who have struggled to accommodate both industry players calling for relaxed quarantine rules and public-health experts warning against putting people in danger. All the while, as the beaches stay empty, many tourism-related companies are going out of business. To make matters worse, virus cases have jumped in the country.

STVの失敗が政府にさらなるプレッシャーをかけている。つまり、厳格な隔離検疫のルールを緩めるように要求する観光産業と、これを緩めたら国民の健康に重大な影響を及ぼすリスクがあると反対する医師たちのはざまで動きが取れなくなっているのである。しかし、現実問題としてどこのビーチにも人影がなく、多くの観光産業が倒産しつつある中、さらに悪いことに、先月、新たな感染爆発が起こったのである。

ところで、これまでお金を落としてくれる外国人観光客の入国を厳しく制限、というよりもほとんど禁止に近いほど締めた結果、タイの観光産業がボロボロになった一方で、一部のふとどきな警察官などの汚職でミャンマーから密入国してきた不法労働者によって感染爆発が起こったわけです。

どうせこんなことになるなら、もう少し規制を緩くして大量のお金を落としてくれる外国人観光客を最初から受け入れていた方が、少なくとも観光産業にとって大きな助けになるのでよかったのかもと思ったりするのですが、今さら遅いですよね。

モルディブ
ところで、以前「隔離検疫なしで外国人を受入れ始めた国」で2回にわたり、モルディブが隔離検疫なしで外国人観光客を受入れたところ、コロナの感染者が急増したので入国時のPCRテストは始めたが、それでも隔離検疫だけは避けたという話を書きましたが、これには後日談があります。

実はモルディブではそれからしばらくして感染拡大も一段落し、昨年12月の繁忙期のホテル稼働率は70%にまで回復したそうです。一方、隔離検疫のあるプーケットのホテル場合、同じ12月の繁忙期の宿泊費を75%も値下げしたのに、稼働率はわずか10%という惨憺たる結果だったということです。つまり、15日間もの隔離検疫がある以上、どうやっても外国人観光客は戻ってこないということだと思うのです。

結局のところ、経済を優先するべきか、国民の健康を優先するべきかで観光産業界とCCSA(COVID-19問題解決センター)の間で意見の対立が起こっているわけですが、特にチュラロンゴン大学医学部の教授などはよくテレビや新聞で、ビジネスは後からでも回復するが人は死んだらお終いだと、いかにも正論らしきことをいうのですが、ビジネスのことなど知らないからこんなことをいっていられるのだと思います。

しかしそうはいっても、この記事によればタイ国民の大半が国を閉ざしても感染を食い止めるべきという世論に傾いているようなので、そういうことであればこれも仕方がないかとも思います。

となると、後はじっとワクチンが世界中に行きわたり、感染リスクがほぼなくなるまで待つしかないことになりますが、このバンコクポストの記事によれば、タイ中央銀行は2021年の外国人観光客は550万人、2022年でも2,300万人と予測しており、2019年のレベルに戻るのは2023年か2024年という感じなので、タイ経済全体にとってもまだまだトンネルは長いようです。

やがてタイバーツのスイングバックが始まる?(その2)

バーツ相場の固定3
さて、私も常日頃からタイバーツの動向に注意していたので、昨年12月16日にアメリカ財務省がタイを為替操作国としての要監視国リストに入れたこと受け、「アメリカの監視強化でバーツ高はさらに続く?」と題してこのブログでもすぐに取り上げました。

しかし、実はその時には書かなかったのですが、同日付でアメリカ財務省は、スイスとベトナムを明らかな為替操作国であると認定したのでした。

そして今回、グルンテープトゥーラギットがこの社説でいっているのは、タイ政府には十分な通貨準備金があり、それを使ってバーツを適正なレートで米ドルにペッグ(固定)するべきだというものです。

これだけではよくわからないので、この社説のポイントのところだけを以下に紹介します。


แนะนำว่าค่าเงินบาทที่เหมาะสมควรจะตรึงกับดอลลาร์สหรัฐมาอยู่ในระดับ 34 บาทต่อดอลลาร์ จะช่วยให้เศรษฐกิจไทยโตได้ถึง 6-7% เงินบาทแข็งค่าแบบนี้คนส่งออกลำบาก ควรจะต้องให้อ่อนค่าลงอีก 10% เพราะขณะนี้รัฐบาล โดยธนาคารแห่งประเทศไทย (ธปท.) มีเงินสำรองเงินตราระหว่างประเทศ 2 แสนห้าหมื่นล้านดอลลาร์ หรือ 7.5 ล้านล้านบาท มีความสามารถจะตรึงเงินบาทเข้ากับดอลลาร์ในอัตรา 34 บาทต่อดอลลาร์ได้

タイバーツの米ドルとの交換レートを、適正レートである1ドル=34バーツでペッグ(固定)するべきである。これにより、今後年率6-7%でタイ経済は成長できる。つまり、今のバーツ高では輸出業者にとって困難な状況が続くので1割バーツ安にするべきなのである。タイ政府には国際通貨準備金として2,500億ドル(7.5兆バーツ)もの資金がタイ中央銀行にあり、1ドル=34バーツで十分交換レートをペッグできるのである
ในการใช้นโยบายทางการเงินของประเทศเรา เราไม่ได้เป็นประเทศราชของไอเอ็มเอฟ หรือเวิลด์แบงก์ เราสามารถกำหนดค่าเงินบาทต่อดอลลาร์ที่รัฐบาลต้องการได้ 

我々は自国の財政政策に関してIMFや世界銀行のいうことを聞く必要はないのであり、タイバーツの米ドルとの交換レートを自分で決める主権がある
ตัวอย่างประเทศเวียดนามที่เศรษฐกิจเขาฟื้นตัวได้เพราะรัฐบาลไปกำหนดอัตราแลกเปลี่ยนให้ค่าเงินดอง (VND) ต่อดอลลาร์ถูก เพื่อให้สามารถส่งออกได้ เพราะเป็นอำนาจอธิปไตยของเขา และทุกประเทศชมเชยว่ารัฐบาลเวียดนามเก่ง และรักชาติสมควรไปลงทุนที่นั่นโดยถอนการลงทุนจากไทยและจีน

例えばベトナムを見ればいい。ベトナム政府は輸出を援助するためにベトナム通貨ドンの対米ドルレートを下げた。適正な為替レートの維持は国家の主権であり、この政策によりベトナム経済は復活し、世界中から称賛されている。また、世界の企業は投資対象としてベトナムを評価し、タイや中国から撤退してベトナムに進出しつつある。

要はアメリカに為替操作国というレッテルを貼られても、
ベトナムは自国経済の回復を優先させた結果、世界から投資が集まるようになったのだから、タイ政府もタイバーツを適正レートで固定するべきである。そうすればまた海外からの投資や輸出も増えるし、経済回復も可能だというものです。

この辺については、つい先月、アメリカがベトナムを為替操作国と判断した以上、ベトナムにはそのうち何らかの経済制裁があるのではないかとも思うのですが、この社説のいうことが正しいのかどうかはわかりません。

ただ、すべては市場が決めるからそれに任すべきというのは簡単ですが、タイバーツのようなバスケット通貨にもなってないマイナーな通貨は、ジョージソロスのような為替レイダーによってもてあそばれてしまうリスクもあり、政府による一定の操作も必要だろうと思うのです。

バーツ相場の固定4
私としても、どう見ても今のタイバーツは高すぎると思っているので、遅かれ早かれいずれは市場の中でスイングバックが起こり、1ドル=34バーツの適正値に戻るのではないかと思っているのですが、タイ政府の政策やアメリカの経済制裁、米中対立等、為替変動には要因がたくさんあるのでいつ頃そうなるのかについてはさっぱりわかりません。

バーツ相場の固定5
ただ、最近はこの写真にあるように、日本円やタイバーツよりも米ドルが避難通貨として投資家に買われる傾向にあるようで、そろそろ反転スイングバックが起こってもいいようにも思うのですが...。

やがてタイバーツのスイングバックが始まる?(その1)

バーツ相場の固定1
เศรษฐกิจไทย ปี 2564 ที่คาดการณ์ว่าจะเติบโต 3-4% อาจจะเป็นไปได้ยาก ทางออกสำคัญคือ การตรึงค่าเงินบาทที่เหมาะสม อยู่ในระดับ 34 บาทต่อดอลลาร์ ขณะเดียวกันไมควรออกมาตรการล็อกดาวน์ ที่เป็นปัจจัยสำคัญที่ทำให้เศรษฐกิจไทยไม่ฟื้น

2021年のタイ経済成長は年率3-4%と予想されていたが、今はそれも難しくなってきた。この状況から抜け出すためにとにかくやるべきことは、タイバーツをその適正レートである1ドル=34バーツで固定相場とし、同時にロックダウンの回避である。

これはタイの日経新聞ともいえる、グルンテープトゥーラギット紙に今朝載っていた社説です。

私の場合、2019年にすべて売却した投資用不動産の売却代金がほぼ全額手元にあったので、タイバーツ高は行き過ぎというのと、不動産投資はしばらく休むべき時という考えから、昨年後半にバーツ高が始まると、ちょくちょく海外でのドル預金に資金シフトしてきたのですが、いつの間にか手持ち資金の半分近くが米ドル定期に代わってしまいました。

このブログでも「コロナを制して再び独歩高を始めたタイバーツ(その2)」や「そろそろタイバーツは売りのタイミング?(その2)」と何回かにわたり、米ドルに対してタイバーツは買われすぎであり、近いうちに反転スイングバックが始まるはずと、思ったままのことを書いてきたのですが、予想に反してバーツ高は今も続いています。

しかし、どう考えても今年はもうバンコクの不動産など買うタイミングではないし、一方でこのままほとんど利息も付かないタイバーツを普通預金で持っていても仕方がなく、引き続き米ドルシフトを増やしていくべきかどうか考えていたところです。

そんな時に今朝の記事を読んで、タイバーツの適正相場は1ドル=34バーツということで、
彼らも今の29バーツ台の相場は行きすぎと考えていることを知り、幾分ほっとしました。

バーツ相場の固定2
さて、ここで本題に入りますが、この記事で彼らが指摘しているのは、私が以前「やがてタイ経済の没落が始まる」で3回にわたって書いたのとほぼ同じで、このままではタイ経済は没落し、やがてベトナムにも追い越されてしまうという危機感です。

そして、今年のタイ経済を順調に成長させるにはバーツの固定相場制とロックダウンの回避が不可欠と指摘しているわけですが、次回はその内容を見ていくことにします。

次回に続く








 

バンコクのPM2.5は中国並の危険ゾーンに突入!

PM2.5 4
昨日はまだこれほどでもなかったのですが、これは今朝7時過ぎに東向きの自宅の書斎から撮った写真です。

太陽がぼんやりとしか見えていませんが、普通はこれだけ高いところに日が昇れば、外は明るくなって周囲の景色もはっきり見えるのです。しかし、さすがに今朝は、映画「砂の惑星」のような幻想的な景色が広がっています。

PM2.5 5
また、南側にあるわずか200メートル先のオンヌット駅がこんなにぼやけていて、その先にいつもはっきり見えるチャオプラヤー川の雄大な景色も、今朝は全然見えません。

日本でも高度成長期に光化学スモッグがあったので、あれと同じです。しかし、それが原因でどのくらいの人が肺気腫や肺がんで死んだのかは、今更調査のしようがありません。

ただ、PM2.5が200を超えてくると健康に影響が出るリスクが高いそうです。今の日本人は、昔に比べると肺がんで死ぬ人の割合が急増していることもあり、案外、あの時代の光化学スモッグが原因なのかもしれません。


今年もやってきたPM2.5の恐怖」でも書いたように、ここ数日、季節風が止まった無風状態になっていることが原因です。それにしても、今朝の状態はちょっと酷いのでPM2.5の数値をチェックしたところ、以下のような状況で、場所によってはほぼ全員が健康上の影響を受けるという紫色の緊急事態的なところまできてしまっていますが、タイは今、コロナの緊急事態宣言だけでなく、空気汚染でも緊急事態なわけです。

PM2.5 2

PM2.5 3

ついでに、中国や日本の同じ時点での空気汚染状況も見てみたのが下の図ですが、東南アジア全体にモンスーンの風が吹いていないようで、アジアで最も空気のきれいなはずの日本でさえも、緑が少なくなっていて、黄色が大半を占めています。

それでもこの水準なら、日本の場合はほとんど問題ないのでしょうが、タイは中国と変わらないほどに状況が悪化していて、この状態が長期間続くとちょっと怖いです。

PM2.5 1
以前、「タイには季節風という強い味方がある」の中で、「中国の空気汚染は相変わらず深刻で、緑の日本と赤の中国とでは、まさに天国と地獄です」などと書きましたが、今のタイは同じ地獄に仲間入りしただけでなく、赤よりさらに汚染の酷い紫色が多いわけですから、決して他人事ではなくなってきました。

いずれにせよ、
さすがにこれはまずいと思ったので、本当は今朝、知人たちとゴルフに行く約束でしたが中止することにしました。

従って、今日は1日書斎の窓を閉め切り、昨年買ったPM2.5を除去する空気清浄機を回したままで自分の部屋に閉じ籠るしかなさそうです。

ちなみに、この状態は例年2月いっぱいまでよく起こるので、特に用がないのであれば、
こんな時期に無理して15日間の隔離検疫を受けてタイにやって来るのはバカバカしいだけかもしれません。



中国製ワクチンしか選択肢がない国とタイでは違うのでは?

シノバック1
シノバックのワクチンについては、「中国ワクチンしか選択肢がなかったプラユット首相(その1)」で書いたように、同社はブラジルでの治験結果を公表するといいながらこれまで2回延期してきていて、3度目の正直でやっと1月7日にそのデータが出てきました。

ところが開けてみると、有効性はわずか50.4%と、当初シノバックがいっていた78%とは大きく違っていて、やっぱり中国製は信用できないと多くの人が思ったはずです。もっとも、治験をやっていた当時から、治験当事国であるブラジルの大統領が、中国のワクチンは買わないと明言していたし、何かおかしいところはありましたが...。

しかしながら、それでも昨日、インドネシアの大統領が勇気をもって国民に対し、中国シノバック製のワクチンを自分で接種して見せました。


ところで、以前このブログでも「世界でコロナワクチン購入予約受付開始!」と題して以下のごとく、シノバックのワクチン事前予約販売の広告を紹介しました。

中国製ワクチン4
COVID-19 Coronavirus Vaccine
After long-term research and development and clinical trials, China has successfully developed a vaccine that effectively treats the new coronavirus infectious disease.
Now the new vaccine has completed the third phase of clinical trials and approved for marketing;
Due to the excessive global demand for vaccines, please contact us and make a order in advance.
Minimum order quantity: 10000 doses

Covid-19 コロナウイルスワクチン
長期にわたる研究開発と治験の結果、中国はついにコロナウイルス感染から身を守るワクチンの開発に成功しました。
そして今、第3フェーズの治験も終了し、いよいよ予約販売の開始が認められました。
世界中でワクチンに対する需要があることから注文が殺到するので、今のうちに前もって注文して下さい。
最小注文数:10,000接種分

その後、マレーシア政府はその開発や安全性のチェック、つまり治験のことだと思いますが、これらで中国に協力することで、中国から優先的にワクチンを融通してもらうという5年契約を締結しました。また、フィリピンのドゥテルテ大統領は、ファイザーのワクチン、200万接種分をくれないなら米軍はフィリピンから出て行けと脅しています。

みんな何が悲しくてこんなことをしているかというと、このブログでも何回か書いてきましたが、ASEANでもインドネシア、マレーシア、フィリピンといった国は、うまく感染拡大を食い止めたタイ、カンボジア、ベトナムとは状況が全く違うからです。
シノバック2
毎日感染者が急増し、死者も増えているからであり、これらの国のリーダー達はとにかく一刻も速くワクチンを打って感染拡大を止めなければならない危機的状況にあるわけです。

しかしながら、世界各国がワクチン争奪戦を繰り広げる中、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカといった、第3フェーズの治験で副作用のない安全性や90%以上の有効性が立証されたワクチンはなかなか手に入らず、結局、安全性や有効性が疑問視されている中国製ワクチンを購入するしか選択肢がなかったわけです。

シノバック3
これについて今朝のオンライン紙、ポストトゥデイも私と同じ事情説明をしています。ただし、その中で彼らは、しかしタイはこれら3か国とは状況が違うし、シノバックの有効性に問題が出てきた以上、シノバックのワクチンを含め、ワクチンの使用はしばらく様子見とし、他の国々が使ってみた結果を見てから決めるべきではないかと問題提起しています。

シノバックについては、私も全くそうだと思います。
タイの場合、何十万人もが感染し、何万人もの人が亡くなっているわけでもないので、先月感染爆発が起こったとはいえ、他国に比べるとそれほどの危機的状況ではありません。

しかも、今日の別の記事によれば、タイの一般の病院でもタイ政府が認めたワクチンであれば個別に輸入して使っても構わないという許可が出たので、もしタイ政府が今後シノバックを認可してしまえば、大量の中国製ワクチンがタイに入ってくる可能性もあり、これは危険だと思います。

いずれにせよ、何とか5月まで今の状況で持ちこたえて、アストラゼネカのワクチンが届くのを待つ方がいいように思うのですが、どうもタイ政府は来月からのシノバックのワクチン接種開始にはまだ前向きなようです。



プミポン国王からタイ国民へのこの上ない贈り物

サイアムバイオ1
既に周知のことですが、タイのサイアムバイオサイエンス社というバイオテクノロジーの会社が、アストラゼネカからコロナワクチンの技術供与を受け、近々タイ国内でワクチンの生産を始めます。

そして、同社がASEANの中で唯一、コロナのワクチンを生産する製薬会社となるわけですが、今朝のグルンテープトゥーラギット紙に載っていた記事を読んでいたら、興味深いことが書いてありました。 

サイアムバイオ2
実はこの会社は2009年に、タイ国民のためにタイにも優れた科学技術の医薬品会社が必要という、国民の健康を願う
亡きプミポン国王の意思で、資本金48億バーツで設立された会社なのだそうです。

ทำความรู้จัก "สยามไบโอไซเอนซ์" จากพระราชปณิธาน ร.9 สู่โอกาสครั้งใหญ่ ผู้ผลิต "วัคซีนโควิด-19" หนึ่งเดียวในอาเซียน โดยรับถ่ายทอดเทคโนโลยีจากแอสตร้าเซนเนก้า

サイアムバイオサイエンス社はラーマ9世(プミポン国王)の意思により設立された薬品会社であり、この会社があったからこそ、タイは今回ASEANで唯一、アストラゼネカ社からコロナのワクチン生産の技術供与を受けるという大きなチャンスに恵まれたことを我々は知っておくべきである

この会社があったおかげで、今回、タイ国民がいち早くコロナのワクチンを接種できるようになったのであり、しかも1接種わずか5ドル(150バーツ)という製造原価でタイ政府は購入できることになっています。

現在、各国がワクチン争奪戦を繰り広げているということは以前にも書きましたが、「世界中から信用されない中国共産党と中国製ワクチン」でも書いたように、もしこのバイオサイエンスのワクチンが同じような価格で手に入るのなら、中国製ワクチンをわざわざ好んで買う国は少ないと思います。

一方、同社は将来的に月間1,500万接種分のワクチンを国内工場で生産できるようになるとのことで、タイ
国民への接種が一巡後は、余った分をASEAN周辺国へ輸出して、ワクチン供給のハブになることを目指しているということです。


すなわち、中国シノバックのワクチンが17ドル、そしてファイザーやモデルナのワクチンが20ドルから25ドルぐらいするらしいですが、このワクチンは原価が5ドルなので、同社にとって大きなビジネスチャンスでもあるわけです。

いずれにせよ、もしタイにこの会社が存在してなかったら、アストラゼネカは他の国をASEANの供給基地として選んでいたかもしれません。そういう意味では、11年前にタイ国民の健康を願うプミポン国王の意向で設立されたこの会社は、タイ国民にとってこの上ない国王からのプレゼントなのだろうと思うのです。



まず、パタヤのメルトダウンが始まった?

パタヤ1
今回の感染拡大ではチョンブリやラヨーンの賭博場でもクラスターを起こしたことは周知の事実ですが、これにより昨年3月の時よりも激しく、致命的なダメージを受けているのがパタヤです。

最初にサムットサーコーンで感染爆発が起こった時は、パタヤは距離があり、「それでも2021年のコンドミニアム市場は底堅い?」で、久しぶりに年末年始の予約が満室になっていたパタヤのホテルの予約がこの飛び火で30%キャンセルされたと書きました。

しかし、これは昨日の現地ニュースサイト、プラチャーチャート・トゥーラギットに載ったものですが、その後の状況はそんなものではなく、今はタイ人の予約もほぼ全てキャンセルとなり、この写真の通りまたもパタヤには人がいなくなり、あちこちの店で空室が出て観光産業はほぼ壊滅状態です。

しかも、今回のクラスター発生は政府役人が違法のギャンブルや外国人の違法就労が行われているのを容認してきたことが原因だと指摘されもています。

ธุรกิจโรงแรมท่องเที่ยวพัทยา3แสนล้านตายสนิท 8 องค์กรจี้รัฐสั่งปิดกิจการอุ้มจ่ายชดเชย ทวงถามโควิดรอบนี้จนท.รัฐละเลย”เปิดบ่อน-แรงงานเถื่อน”รัฐต้องรับผิดชอบ

市場規模3,000億バーツ(約1兆円)のパタヤ観光ホテル業界がほぼ死にかかっている中、8つの観光事業団体は共同で政府に対し、パタヤのホテル業界全体に対し直ちに業務停止命令を出して補償金の交付をするよう要求。
今回の感染爆発は、違法なギャンブルや違法な外国人就労を役人が見逃してきたことが原因であり、政府が責任を取って補償するべきであると主張。

確かに他のニュース等を読んでも、今回はプーケットやサムイに比べてもパタヤのダメージが特に激しく、短期間で感染爆発が直撃したようです。

以前「2021年、タイ観光産業のメルトダウンが始まる!」で日本のサイト、アゴラで書いたように、こんな状態が続けばパタヤの観光産業は文字通りメルトダウンしてしまうかもしれません。

これに対してチョンブリ県知事やタイ政府は明確な返事をしていませんが、典型的なカーラチャガーンと呼ばれるタイの役人に多い職務体質で、パタヤの場合、警察官や県の役人が賄賂をもらってギャンブル会場を見て見ぬふりをしてきたのだろうと思います。

私もタイ語の勉強をしているときに、役人との癒着である“コラプチャン”という和製英語ならぬタイ製英語をタイ語教師が何度も口にしていたので嫌でも覚えてしまいましたが、タイに限らず東南アジアで広く起こっている役人の賄賂授受を通した癒着のことです。

パタヤ2
ところで、ではどうしてこれら観光団体が自分たちの首を絞めることにもなる業務停止命令を政府に請願しているかといえば、これがないうちに自主的に営業停止をしてしまえば補償金が出ないからです。

一方、政府の緊急命令で営業停止になった場合、その補償として従業員1人に対し給料の半額、上限15,000バーツが出るからです。ただ、この記事では、通常何ヵ月間出るのか書いてないのでわかりませんが、この8つの業界団体は、通常のものにさらに200日分の追加補償期間を求めているようです。

これにより、少なくともこの間、従業員を観光業界につなぎ留めておくことができ、観光地としてのパタヤがメルトダウンして終わってしまうのを食い止めておけるというものです。

しかし、いくら何でも1年以上も補償金を出し続けるというのは、政府にとってもかなりの負担になります。また、結局これは全部国民にその付けが回ってくるということであり、農民が多い東北部でも貧困の問題がある中、政府の資金にも限界があるので難しい問題だろうとも思います。

いずれにせよ、違法なギャンブルと違法労働者により感染拡大が起こり、もう手の施しようががなくなっている中、そもそもの原因は役人の癒着にあるのだから、今回は政府が責任を取れというパタヤの観光業界の主張もわかります。

ところで、実をいうと私は、賄賂ばかり受取っているタムルアット(警察)よりもはるかに力のあるタハーン(軍隊)なら、こういうコラプチャン(贈賄行為)を根こそぎ取り締って排除してくれるのではと、6年前に軍事政権ができたときには秘かに期待していたのですが...。



2021年もコンドミニアム市場は土砂降り状態

2021年1
新年早々、コロナの感染拡大でバンコクもいつロックダウンが始まるかわからない状況になる中、ビジネス紙のプラチャーチャートが3つの業界団体、住宅事業協会、タイコンドミニアム協会、タイ不動産協会に対し、2021年の不動産市場予測についてインタビューした記事が載っています。

3協会ともネガティブなコメントが中心ですが、私の受けた印象は、バンコクのロックダウンがあろうがなかろうが、コロナの感染拡大が今後3、4カ月以上続けば、多分、今年の不動産市場はもう回復の見込みがないだろうというものです。

結論としては、昨年
急ぐな、焦るな、コンドの底値状態は来年も続く!」で2021年の市場もよくないと書きましたが、その後、想定外の感染拡大により市場環境はさらなる悪化が予想されるので、少なくとも向こう半年はもう何もせず投資資金の温存が最善策だと思います。

以下がこのインタビュー記事のキーポイントですが、昨年10月に私が書いたこのブログ記事を先に読んでから、以下のコメントを読んでもらうと、現在の状況悪化が納得できると思います。


ทั้งนี้ มี dead lock คือ สถาบันการเงินเข้มงวดการปล่อยสินเชื่อ 2 ขา ได้แก่ สินเชื่อพรีไฟแนนซ์ หรือสินเชื่อผู้ประกอบการ กับสินเชื่อโพสต์ไฟแนนซ์ ซึ่งปล่อยกู้ให้กับคนซื้อที่อยู่อาศัย
สภาพปัญหาคือสินเชื่อพรีไฟแนนซ์ ดีเวลอปเปอร์มีการกู้เพื่อซื้อที่ดินกับก่อสร้างโครงการ ใช้เป็นเงินทุนหมุนเวียนทั้งค่าการตลาด เงินเดือนพนักงาน ฯลฯ ถ้ายอดขายไม่เดินไปตามเป้าจะมีปัญหาจ่ายคืนเงินกู้ ขณะที่สินเชื่อโพสต์ไฟแนนซ์ถูกตรวจสอบเข้มข้น จนทำให้การยื่นกู้ 10 ราย กู้ไม่ผ่าน 6 ราย

金融機関のローンに関する問題は2種類あるが、これらが今の住宅市場デッドロックの原因となっている。
1つはデベロッパーに貸し出す開発ローンであり、もう1つが住宅を購入する顧客に貸し出す住宅ローンである。
開発ローンの場合、デベロッパーは用地取得費、建設費等の開発費用、そしてプロジェクトのマーケティング費用や従業員の給料等のワーキングキャピタルに使うのであるが、住宅の売れ行きが目標を下回る場合、資金力のないところは返済に窮しデフォルトすることになる。
一方、住宅購入者が借りる住宅ローンも与信チェックが厳しくなっているため、6割が住宅ローン審査に落ちるという状況である。

ในขณะที่ภาพใหญ่ของเศรษฐกิจมหภาคประเมินว่า มาตรการล็อกดาวน์ถ้ากินเวลา 3-4 เดือนจะกระทบต่อการฟื้นตัวทางเศรษฐกิจที่เคยคาดหวังให้เป็น U-shape อาจต้องกลายเป็นการฟื้นตัวในโมเดล L-shape ซึ่งหมายถึงโอกาสฟื้นตัวทางเศรษฐกิจจะทอดยาวออกไปอีก 

ロックダウンが3~4カ月に及べば、これまでU字型回復が予想されていたタイ経済はさらに悪化し、L字型回復になる。つまり、経済の回復はさらに長引き先が見えなくなる。

“ผลกระทบล็อกดาวน์ธุรกิจขนาดกลาง-ย่อมที่มีพลังน้อยอยู่แล้วก็คงจะเหนื่อยอีกรอบ ในส่วนตลาดคอนโดฯปีนี้ไม่คิดว่าจะมีการแข่งกันเปิดโครงการ แต่อาจจะมีสต๊อกที่ดินที่ซื้อไว้แล้วจำเป็นต้องพัฒนาต่อ ซึ่งเป็นการเปิดโครงการเพื่อประคับประคองงบการเงิน แต่ไม่ใช่เปิดเพราะอยากจะแข่งว่าใครใหญ่กว่าใคร ใครมากกว่าใคร”

ロックダウンが中小デベロッパーに及ぼすダメージは特に大きい。彼らは既に体力を消耗してしまっていているので、これ以上の負担には耐えられず、2021年にコンドミニアムの新規プロジェクトを売り出すところはほとんどないであろう。
ただし、既に用地取得してしまっているものについては、新規プロジェクトとして売り出してくるものはあるだろう。しかし、これは他社との競争という前向きなものではなく、資金に窮しているのでどうしても売りたいという、財務上の問題からくるものである。

昨年も別のブログ記事で書きましたが、今年は中小デベロッパーで資金ショートにより建設途中で破綻し、プロジェクトごと銀行に差し押さえされてしまうところが出てくるかもしれません。

そして、私のバブル崩壊時の経験からも、
そういう例が何件も出てくると、次はコンドミニアム市場全体が総崩れするので、今のコロナの問題が解決の見通しが付き、潮目が変わったのを見届けるまでは、しばらく不動産市場には近寄らない方がよさそうです。



中国ワクチン以外選択肢がなかったプラユット首相(その2)

中国製ワクチン1
実際、タイ政府はこのシノバックの中国製ワクチンを1接種17ドルで買うということですが、これはアストラゼネカの倍以上と結構いい値段です。

こんな世界から敬遠されている中国製ワクチンなのに、タイ政府はシノバックにボッタクリされているような気もしないでもないですが、世界中でワクチン争奪戦が起こっている以上、仕方のないことなのかもしれません。

ワクチン2
"If they fail to deliver a minimum of 20 million vaccines, they better get out -- no vaccine, no stay here," the president said on Saturday during a televised meeting with members of his cabinet and the national COVID-19 task force.

「もしアメリカが2,000万接種分のワクチンをくれなかったら、米軍はフィリピンから出ていけ。ノーワクチン、ノーステイだ」とドゥテルテ大統領はテレビで実況放送中の内閣及びコロナ対策協議会との会議で言い放った。

例えば、このフィリピンのドゥテルテ大統領の話からも、世界のワクチン争奪戦の激しさがわかると思います。大統領はファイザー社からのワクチン供給に関して約束が違うと軍事協定の破棄まで持ち出し、あからさまにアメリカ政府を脅迫しています。

さすがフィリピンのダーティハリーことドゥテルテ大統領だからこそ、アメリカ相手にここまでいえるのだと思います。

一方、タイには
米軍基地もないしアメリカとそれほど関係が深くなく、中国ともうまくやっている中庸を行く国であり、ここまでいえるバーゲニングパワーはありません。そして、中国共産党のワクチン外交は、こういうワクチン入手の当てがない国に対して、じわじわとその成果を上げてきつつあるように見えます。

ところで、東南アジアではこれまでタイ、カンボジア、ベトナムといった数少ない国だけが感染拡大を抑え込めていたのですが、本来ならタイも5月までアストラゼネカのワクチンを待つ余裕があったはずです。しかし、今回の感染爆発でコロナと最前線で戦う医療関係者たちを感染から守るために、急遽ワクチンが必要になり、中国製ワクチンしか選択肢がなかったのだろうと思うのです。

ワクチン3
実際、この図の黄色の枠で囲ってあるところを見ればわかりますが、この200万接種は第一線でコロナ感染者と向かい合う医療従事者、そして地方でボランティアとして医療活動を行う人たちへの接種を最優先にしています。

従って、もし今回の感染爆発さえなかったら、つい最近までローカルでの新規感染がほぼゼロであったタイは、本来、この200万接種分の緊急購入は要らなかったのです。当初の予定通り、5月に1,300万人分のワクチンをアストラゼネカから購入し、その後はパトゥンタニの自国工場で大量生産されるワクチンを順次国民に接種していけばよかったはずです。

そういう意味では、日本のように1接種25ドルもするファイザーやモデルナのワクチンを1億接種分も早くから予約でき、資金的にも余裕で買える恵まれた国の人が、今回の中国シノバックのワクチン購入の決断について、プラユット首相やタイ政府を軽はずみに批判したりするとすれば、それは間違いです。現実は、タイ政府はこの想定外の緊急事態の中、他に選択肢はなかったと思うからです。

最後になりますが、私も6年も続いた軍事政権はもう終わらせた方がいいと思っている方ですが、少なくとも以下のプラユット首相自身のコメントからわかるように、前回のフルロックダウンでタイ経済や庶民の生活がどれほど大きなダメージを受けたか首相も十分認識していて、今回はタイ全土のフルロックダウンを何とか避けようと努力しているし、今は国内の統制がうまい軍事政権であってよかったのかもしれません。

また、今回のシノバック購入についてうがった見方をする人もいるかもしれませんが、中国政府との裏取引などしている時間はなかっただろうと思うのです。

ワクチン4

Gen Prayut also said his government was assessing the situation on a daily basis and ministers were mindful of the economic damage from overly strict containment measures.

"We don't want to lock down the entire country because we know what the problems are, so can you all lock down yourselves?" he said. 

プラユット首相:「タイ政府は毎日感染拡大の状況を調査しているし、各大臣も厳格な規制が経済にどれだけダメージを与えるのか十分認識している。そして、我々の誰も国全体をロックダウンになどしたくないし、そんなことをしたらどんな大きな問題が起こるかもわかっている。だから、国民にはせめて自分自身をロックダウンして、しばらく自宅で自己隔離してほしい」



中国ワクチンしか選択肢がなかったプラユット首相(その1)

ワクチン1

つい先日、「事態が急激に悪化する中、唯一の希望はワクチンのみ」と題して西側諸国が開発した3つのワクチンに世界の需要が集中する中、タイ政府が急遽200万接種以上のワクチンを追加購入することに決めたということを書きました。

そして最後に、私個人の考えとして「大きなお世話かもしれませんが、中国製ワクチンでなければいいと思うのですが...」と書いたのですが、残念ながら、やはり今の状況下ですぐ入手できるのは中国製ワクチンしかなかったようです。

その後、プラユット首相は、ほぼ全国民が接種できるようにさらに3,500万接種分のワクチンを追加購入すると発表したのですが、以下がバンコクポストに載ったその時のコメントです。

The government is seeking to buy another 35 million Covid-19 vaccine doses, taking its total order to 63 million, Prime Minister Prayut Chan-o-cha said on Monday.

プラユット首相:「タイ政府は3,500万接種分のワクチンを追加購入するべく交渉中で、これにより合計6,300万接種分を入手する」

Gen Prayut did not say where the extra doses would come from but stressed the government needed to be sure they were safe, had no side effects and were in line with standards set by the country's Food and Drug Administration (FDA).

バンコクポスト:プラユット首相はそれがどこのメーカーのワクチンになるのか明言しなかった。しかし、首相はタイ政府がそのワクチンが安全で副作用もなく、FDA(タイの食品医薬品局)の安全基準を満たすものしか購入しないことを強調した。

上の図によれば、この3,500万接種分については、現時点ではアストラゼネカと追加購入の交渉中のようですが、世界中がワクチン争奪戦を繰り広げる中、なかなか簡単には手に入らないと思うので、もしこれがダメなら他のワクチン、つまり、また中国製ワクチンを検討するしかなくなるのだろうと思います。

中国製ワクチン1
中国製ワクチン4
ところで、タイ政府が今回購入するといっている200万接種分は「世界中から信用されない中国共産党と中国製ワクチン」で紹介したこの写真のシノバック社製ワクチンです。

現時点ではシノファーム社製のワクチンにだけ中国政府の認可が下りている状況で、シノバックはまだ第3フェーズの治験中でそのデータが開示されておらず、中国政府の認可もまだ出ていません。

もっとも、このシノファーム社のワクチンも、アメリカに住む中国人6万人に接種した結果、1人も副作用がなく、また1人もコロナに感染しなかったと宣伝しているらしいのですが、実際は重篤な副作用が出たケースも多くあったという噂が出ていて、世界に詳細な治験データが開示されてない中、中国政府だけが一方的に認可したワクチンです。

一方、ニュース紙フォーチュンによれば、シノバック社の方は、現在ブラジルで大規模な第3フェーズの治験中なのですが、その治験結果を開示するといいながら、以下のように、これまで2回延期してきました。

Sinovac has now delayed releasing results from its Phase III trials in Brazil twice: first on Dec. 15, and then on Dec. 23. Authorities in Brazil have said the delays are due to Sinovac wanting to consolidate data from multiple trials; they now expect to release Sinovac's data to the public by Jan. 7.

シノバックはこれまでブラジルでの第3フェーズ治験データの公表を2回延期してきた。最初は12月15日、次は12月23日といっておきながら結局2回とも延期となったのである。これに関し、ブラジルの関係機関によると、シノバックは広範囲な治験結果をまとめて公表したいから延期してきたといっているということで、最終的には1月7日にデータを公表するとのことである。

そして今は1月7日に治験データを開示するといっているのですが、本当に出てくるのか明日になればわかります。いずれにせよ、西側諸国は何のデータも出さないシノバックのワクチンに対しても疑いの目をもって見ているので、その開示されたデータには厳しいピアーレビューのチェックが入ると思います。

ただ、シノバック社からデータは開示されなくても、現地ブラジルの医者等からフィードバックがブラジル政府にも上がってきているはずで、本当にこの治験がうまくいっているのであれば、以前このブログでも書いたように、ブラジルの大統領が「中国からは(ワクチンを)買わない」と明言している点が矛盾します。

いずれにせよ、シノバックのワクチンを購入するといっているタイも、プラユット首相が「そのワクチンが安全で副作用もなく、FDA(タイの食品医薬品局)の安全基準を満たすものしか購入しない」と念を押していることからも、中国製ワクチンをまだ信用しているわけでなく、フォーチュンの以下の記事にあるように第3フェーズの治験結果のデータの公表を待っている状況のようです。

Sinovac’s formal approval in Indonesia and Thailand—as well as in places like the Philippines, Hong Kong, and Turkey—will likely depend on Sinovac’s highly anticipated data release from Brazil.

シノバックのワクチンに対するインドネシアとタイ、そしてフィリピン、香港、トルコの正式な認可は、ブラジルでの治験結果のデータ次第である

ただし、今のうちに購入予約しておかなければ、これもまた間に合わなくなる可能性があるので、とりあえず購入予約したが、最終判断はデータが開示された後のレビュー次第という条件付きなのだろうと思います。

次回に続く



開いててよかったドライビングレンジ!

ゴルフ2
昨日、自宅のコンドミニアムのジムもプールも使用禁止となったと書きました。やれやれ、これでまたコロナ太りに戻るのかと思っていたのですが、どうやら政府は、今回まだゴルフ場とドライビングレンジは閉めないようです。

従って、今までも車で15分ほどで行けるバンナーの練習場には、気が向いたときに時々汗を流しに行ってたのですが、これからはジムでの無酸素運動トレーニングができなくなったので、今後はもっと
ドライビングレンジに頻繁に行って、せめて有酸素運動で体力維持をしようと思います。

それにゴルフの場合、ソーシャルディスタンシングは取れているし、外なので空気の流れもあり、そう簡単に感染することはないはずです。

ゴルフ1
ちなみに、3月に始まったロックダウンの時に「ゴルフをやって10万人の雇用を取り戻せ!」を書いたときには、タイだけでなく日本からも本当に多くの人が読みに来てくれましたが、ゴルフ好き、もしくはタイでゴルフをやりたくてむずむずしていた人が多かったということだろうと思います。

さて、私の場合、コースに出て広大なグリーンの中でプレイするのも嫌いではありませんが、タイは今冬とはいえ、それでもちょっと暑いし、むしろ日陰の練習場でボールを打ち続ける方が好きです。

若いころによくバッティングセンターに行って汗をかいていたのと同じ感覚ですが、近くてすぐ行けるという便利さもあって、気が向いたときにいつでも出かけられるのが気に入っています。

それが3月のロックダウン時には、ゴルフ場も練習場も閉鎖されていたので、何も運動する機会がなく、ただ家でごろごろしていた結果、ご多分に漏れず私もコロナ太りで4キロも太ってしまいました。

その後、ロックダウンが解除されてから、ジムで筋トレを3か月以上続けた結果、やっと
ベスト体重の73キロ近くまで戻せました。そして50キロのベンチプレスがなんとかワンセット10回できるようになったのですが、一旦緩んだ体を元に戻すのは本当に大変なトレーニングが必要であり、何とか今回は太らず現状維持を続けたいと思っています。

それに、今回は「スイングが身についてくるとゴルフは楽しい!」で書いたように、昔、バスケのジャンプシュートがうまく打てるようになったのと同じで、最近は何となくゴルフスイングのコツみたいなものがわかってきたので、打ちっ放しだけでも結構楽しくやっています。

3密にならないゴルフは、感染リスクが極めて低いのだから、
これからもタイ政府には、ゴルフのようなアウトドアスポーツぐらいは大目に見てもらいたいものです。



年明け早々、迫りくるフルロックダウン

ロックダウン6
新年を迎えたばかりの1月2日、私が住むコンドミニアムではフィットネスジム、サウナ、プールが閉鎖され、使用禁止となりました。また、自分の部屋以外、館内はどこでもマスク着用です。そして、3日からは入口のロビーだけでなく、駐車場の入口にも警備員が待機し、館内に入ってくる車に乗っている人すべてに対し、検温と部屋番号を書き留めるという厳戒態勢が始まりました。

同じく、外部ではお酒を飲ませるバンコクのレストランもお酒の販売が禁止になりました。個人的な話になってしまいますが、この写真は私が時々行く、自宅からタクシーで15分ぐらいのパタナガーンにあるイサーン料理屋兼飲み屋の“シークレットガーデン”という店です。


ロックダウン5
何が“シークレット”なのかわかりませんが、簡単にいえばローカルのタイ人向けで、日本でいう居酒屋です。酒のつまみにイサーン料理はよく合うので、私も時々訪れているうちに、ここのオーナーのナンさんとは時々ラインでやり取りをするようになったのですが、そこに、今夜でまた店を閉めることになったとの連絡が入りました。

ちなみに、彼女はイサーン地方のウボンラーチャタニー出身です。ラームカムヘーン大学といえば法学部が看板学部なのですが、彼女はそこの大学院で法律の修士号を取った秀才で、以前、シンガポールでも働いていたとかで英語も得意です。

そんな人でも、タイ人は企業で働くより自営業になることを好む人が多く、彼女の場合も自分でイサーン料理の店を始めて久しいのですが、さすがに3月のロックダウンでは2か月間営業できず、こういう個人経営の店のオーナーは生活もかなり厳しかったようです。

しかし、それを何とか乗り越えて、最近、やっと経営も回復軌道に乗ってきたところで、今回、またも感染が広がりバンコク都の命令で閉店を余儀なくされることになったわけです。

ロックダウン2 (2)
ロックダウン7
今回の感染再拡大で、まずナナ、ソイカウボーイ、タニヤ、パッポンなどにある風俗店が一番に閉鎖されましたが、こういうところは特殊な産業でもあり、感染リスクが高い上にどうせ旅行者もいないので仕方がないと思います。

しかし、この居酒屋レストランのように、夜8時過ぎぐらいから1日の仕事を終えたタイ人達が次々と夕食と晩酌を兼ねてやって来るような店はバンコクに多分何万軒とあり、そもそもお酒を出せなければ、食事だけではお客が来ません。

それで今回もまた閉めるしかなくなったようですが、ここで働く従業員もまた一時解雇です。
今日はまだ1月4日ですが、身近でこんなことが起こるのを見ていると、年明け早々、次第にフルロックダウンの足音が近づいてきているのを感じます。

ところで、このコラムは朝7時に書いているのですが、新聞等によると、今日、政府はレストランでの食事を禁止し、テイクアウトの持ち帰りのみに制限するかどうかを検討するということです。

厳格な規制を要求するCCSA(新型コロナウイルス感染症対策センター)に対して、経済への多大な影響を心配する行政側との折衝になるのだろうと思いますが、
タイ政府も前回の経験で、ロックダウンがどれほど庶民の生活に悪影響を与えるかを学習しているので、滅多なことではロックダウンはやらないのではないかという現地新聞の希望的社説もあります。

私も今回は、3月の時のようにスーパーと薬局、コンビニ以外はどこもかしこも閉めるというフルロックダウンだけはやめて欲しいと期待しているのですが...。



事態が急激に悪化する中、唯一の希望はワクチンのみ

英国変異ウイルス1
新年早々ですが、今朝のニュースによると、とうとうタイでも英国の変異ウイルスが発見されたとのことです。これにより、この変異ウイルスが出た地域からの入国を次々と禁止してきている日本政府は、最悪の場合、今後タイをも入国禁止国家に入れるのかもしれません。

いずれにせよ、最近のタイ国内での急速な感染拡大から考えて、今後もロックダウンが各地で相次ぎ、タイ経済、特に観光産業では厳しい状況が続くことは必至です。

そんな中、バンコクポストがタイの代表的観光地、サムイ、プーケット、パタヤ、そしてチェンマイで独自のインタビューをした記事が今朝載っているのですが、これらの地域はいずれも外国人旅行者への依存度が特に高いところです。


今のような状況では今年の終わり、もしくは来年まで最悪の状況が続く可能性があり、それでは観光産業全体が持ちこたえられないこと、そして、彼らにとっても、外国人旅行者を受け入れられるようになるには、唯一の希望はもうワクチンしかないということで一致しています。

For 2021, the world is pinning its hopes on an effective Covid-19 vaccine arising from the work of pharmaceutical companies, including Pfizer, Moderna and AstraZeneca.

2021年、世界の希望はファイザー、モデルナ、そしてアストラゼネカが開発したワクチンに絞り込まれた。

タイの観光地に限らず、再び世界中で感染が急拡大する中、もうこうなると残された希望はワクチンしかないということになりますが、少なくとも西側諸国ではファイザー、モデルナ、そしてつい数日前に英国で認可されたアストラゼネカの3社の有効なワクチンがあることが、世界の人々にとってどれほど心強いことかと改めて思います。

それと、これも最近中国政府が認可したシノファーム社のワクチンがあります。ただし、「世界中から信用されない中国共産党と中国製ワクチン」でも書いたように、詳しいデータが公表されておらず、治験の中で多くの死者が出たという噂もあり、効果に疑問が残ります。

しかし、とにかく中国政府の認可が下りたわけなので、ワクチンがなかなか入手できない国もあり、否応なく使うしかないところが出てくると思います。もっとも、それがそもそもの中国のワクチン外交の目的でもあるのですが...。

The government earlier signed an advance agreement with AstraZeneca for 26 million doses and the right to produce its Covid-19 vaccine in Thailand, but supplies are not expected before May.

タイ政府はアストラゼネカと2,600万接種分のワクチン購入と自国でもそれを生産できる契約を結んだが、ワクチンを入手できるのは5月以降になる。

Deputy Prime Minister and Public Health Minister Anutin Charnvirakul said he had secured the supply of at least 2 million doses of Covid-19 vaccine for "between February and April".
He did not name the vaccine he had secured, and nor is it known how long the roll-out will take.

そこで、数日前にタイ政府が発表したのが、少なくとも200万接種分を2月から4月にかけて追加で確保できたということです。ただ、ちょっと気にかかるのが、実際の接種時期はまだ未定であり、そのメーカー名も公表していないのです。

以前私が読んだ記事では、ファイザーやモデルナのワクチンは1接種で25ドルもする比較的高価なものであり、しかも超低温での保管や輸送が必要で日本などの先進国なら買えますが、どの国でも買えるというものでもありません。

それに対してアストラゼネカのワクチンは冷蔵庫での保管が可能で、しかもタイは5ドルで購入できる契約になっているそうで、これならタイでも手が届くのだろうと思います。


しかし、タイミング的に5月以降まで待てないということで、しかも200万接種を追加獲得できたというと、ファイザー製のものであれば、いくらタイバーツ高といっても4億1,000万ドルはかなりの負担になると思うのです。

大きなお世話かもしれませんが、
中国製のワクチンでなければいいと思うのですが...。



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