タイランド太平記/バンコク コンドミニアム物語

タイでの生活とバンコクの不動産投資に関する情報発信

「タイランド太平記」
タイに興味がある、タイが好き、将来タイに住みたいという人のために、タイでの生活について、ジャンルを問わず思ったままのことを書いていきます。光があれば影があるように、タイには魅力的なところも多いですが、悪いところもたくさんあります。そして、やはり日本の方がいい、他の外国の方が住みやすそうだ、と思う人もいて当然であり、その参考になればと思います。

「バンコク コンドミニアム物語」
バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

2020年11月

EEC(東部経済回廊)は壊滅状態

EEC1
これは今朝のグルンテープトゥーラギット(バンコクビジネス)に載った記事ですが、一時はタイの新しい産業地帯として成長が期待された東部経済回廊が、コロナの影響で大打撃を受け、計画通りに進んでないというものです。

もともと、最初に花火を打ち上げただけで、政府はその後あまり積極的に推進しておらず、遅々として進まないEEC開発に対して不満の声も出ていたのですが、ここにきて今更遅いという声も出てきているので取り上げてみることにしました。

รายงานข่าวจากสำนักงานคณะกรรมการนโยบายเขตพัฒนาพิเศษภาคตะวันออก (สกพอ.) ระบุว่า สกพอ.ร่วมกับหน่วยงานที่เกี่ยวข้องประเมินเศรษฐกิจอีอีซีในปี 2563 โดยประเมินว่าจีดีพีประเทศจะติดลบ 7.5% ในขณะที่จีดีพีของอีอีซีจะติดลบ 8.7% 
หากดูรายละเอียดรายจังหวัดพบว่า จีพีพีของฉะเชิงเทราติดลบ 3.6% ระยองติดลบ 7.3% ชลบุรีติดลบ 12.1% ซึ่งเศรษฐกิจชลบุรีพึ่งการท่องเที่ยวสูงจึงได้กระทบมาก

EEC開発政策委員会のレポートによると、2020年度はタイ全体のGDPがマイナス7.5%との予測に対し、EECのそれはマイナス8.7%と予測。
その内訳は、観光産業に依存するチョンブリのGDPがマイナス12.1%と最悪で、チャチェンサウがマイナス3.6%、ラヨーンがマイナス7.3%とのこと。

しかしながら、このEEC開発政策委員会の予想では下の図のように、来年はタイのGDPはマイナス6.3%となるものの、EECのそれは5.1%のプラスに転じて回復が始まるとの予測を出していて、特にパタヤのあるチョンブリのGDPは8.6%のリバウンドを見込んでいます。

EEC2
私はこれを見て、どこからこんな能天気な予測が出せるのかと疑問に思ったのですが、以前のように外国人観光客が戻り始めるのは、ワクチンが世界中に行きわたってからだと思うし、前回「タイは中国人観光客の人気ナンバー1から陥落」で書いたように、パタヤなどに中国人観光客が大量に戻ってくるまでにはまだかなりの時間がかかりそうです。

ところで、この予想に対して楽観的過ぎると異論を唱えているのが、不動産経済研究所のAREAです。彼らのコメントが以下ですが、問題はもう一時的なものでなくタイバーツ高やこれまでの政府の経済無策でタイ経済が疲弊していく中、ベトナムとインドネシアに産業をどんどん取られてしまった結果、もうEECは今更対抗できなくなってしまっているというものです。

อีอีซี เจ๊งแหง ๆ
1.ตัวเลขปี 2562-3 ของ สกพอ.เชื่อถือได้ แต่การคาดการณ์ปี 2564 คงเชื่อถือไม่ได้เพราะไม่มีแหล่งอ้างอิงใดๆ เท่าที่ควร
2.การที่คาดการณ์ว่าอีอีซีจะฟื้นตัวในปี 2564 ดีกว่าภาพรวมของประเทศไทย เป็นไปได้ยากมาก เพราะขณะนี้ยังแทบไม่มีนักท่องเที่ยวเข้ามา  กว่าจะเข้ามาก็คงเป็นปี 2565 ซึ่งทำให้การเติบโตของอีอีซีช้าลงไปอีก
3.อุตสาหกรรมต่างๆ ของไทยในอีอีซีถูกเวียดนามและอินโดนีเซียแย่งไปเปน็น็น็นอย่างมาก ทำให้โอกาสที่ไทยจะฟื้นตัวมียากมาก

ถ้าเศรษฐกิจไทยและอีอีซีจะเติบโตได้จริง ป่านนี้ ดร.สมคิดและคณะคงยังอยู่ในตำแหน่ง  แต่เพราะทำงานไม่สำเร็จจึงต้องจากลาไปนั่นเอง

EECの破滅

1.2020年までの彼らの数字には納得できるが、2021年の予想数字については何ら納得できるデータがなく信用できない。

2.2021年はタイ全体よりもEECの方が経済回復が大きいという予測には賛成できない。なぜなら、EECこそ外国人観光客への依存度が高いのに、今のところ、観光客が来年戻ってくるという予測には根拠がなく、経済が回復するとは思えない。

3.既にここ数年で広範な産業がベトナムとインドネシアに持っていかれた。今となってはEECがこれらの産業を奪い返せる可能性は小さい。


こんなこともあって、今後我々もEECにあまり過大な期待をするのはやめた方がいいのかもしれません。ただし、観光地であるパタヤなどは、自動車や電子機器等の輸出産業とは違って固有の競争力があるので、いずれ外国人観光客が戻ってくるし、不動産を含め市場も回復するのは間違いないとも思います。

もっとも、来年はおそらく無理でしょうが...。



タイは中国人観光客の人気ナンバー1から陥落

中国人観光客
バンコクポストにHSBCが中国人に対して最近行った調査の結果、国外旅行先としてタイはもう人気ナンバー1ではなくなり、日本と韓国に追い抜かれたという記事が載っています。

その理由としては、最近は遠くよりも近場の国が好まれるようになったからということです。しかし、タイだって中国にとって十分近い国であり、これにはどうも納得できませんが、中国人の間でコロナ感染に対する心理的な恐怖感がまだ残っていて、できるだけ遠くには行きたくないと考えているということです。

ところで、今回の調査によれば、コロナ以前の頃に比べて、今はかなり先まで旅行の予約(主に国内旅行)が入っているということで、中国政府により長期間旅行が禁止されていたことに対する反動で、一挙に予約が入り始めているとのことです。

その中で国外旅行先の一番人気が、タイから日本と韓国へと移ったということなのですが、ただし、だからといってこれから日本に中国人が大挙してやって来るということでもないようです。

HSBCによれば、現時点では大半の中国人が国外旅行よりも安心できる国内旅行を好み、外国旅行に対する積極的な需要はそれほどないとのことです。

さらに、たとえ旅行先での隔離検疫が緩和されたとしても、少なくとも半年の間は行きたくないと
中国人のほとんどが答えていて、やはり国外旅行はワクチンが完成してからと考えています。

すなわち、中国人観光客はタイの隔離検疫がなくなったとしても、やっぱり感染が怖いので行きたくないというのが本音のようです。


The country's Ministry of Culture and Tourism made the announcement that China will continue to suspend outbound group tours and ban travel agencies from allowing inbound tours due to the risk of a resurgence in coronavirus cases this winter.

中国文化観光省は、コロナの2次波を防ぐため、この冬の間も外国への団体旅行の禁止及び外国からの観光客受入を禁止すると発表した。(バンコクポスト)

それであれば、「タイ観光産業復活のキーワードは、中国ファースト」で紹介したTAT(タイ政府観光庁)のいう、タイは中国人観光客にとって一番人気がある旅行先で、中国政府の海外旅行禁止が解ければ多くの中国人がタイにやってくるというコメントは、ちょっと短絡的すぎるようです。

実際、中国政府はタイとの2国間でのトラベルバブル(隔離検疫なしの往来)の提案に対しても消極的な態度のようで、どうもこれは実現しないような気がします。

中国政府にしてみれば、中国人観光客が国内旅行をしてくれるのであれば、海外から感染を持ち込んでくる心配もないし、外貨の流出にもならず、しかも内需拡大にもつながるのでその方が好都合です。

この辺が、GDPの2割にもなる観光収入に依存するタイとでは中国の経済構造が違うので、外国旅行解禁を急ぐ必要もないのだろうと思います。


観光収入

いずれにせよ、世界中にワクチンが行きわたり、もう感染のリスクはなくなったという状況になるまで、タイの観光産業、そして経済の回復も時間がかかるのかもしれません。



ワクチンができても外国人の隔離検疫は続く?

アストラゼネカワクチン1
人類の希望、コロナワクチン・フェーズ3」で詳しく書きましたが、いよいよ実用化が見えてきたアストラゼネカのワクチンは、タイ政府との契約に基づき東南アジア市場向けにタイのサイアムバイオサイエンスのパトゥンタニ工場で生産されることになっています。

アストラゼネカワクチン2
さて、これは昨日のタイ政府保健省の記者会見ですが、このワクチンの有効性も問題なく、既にアストラからサイアムバイオへの技術移転プロセスに入っており、順調にいけばいよいよ来年上半期中には最初のワクチン接種がタイ人向けに行われるとのことです。

生産するサイアムバイオによれば、ゆくゆくは月間1500万接種の生産が可能であり、まず最初に生産される1300万人分はタイ人優先とのことです。この点、自国民優先の"タイファースト"となるのは当然のことであり、その後、順次東南アジア諸国にも供給していくそうです。

世界でコロナワクチン購入予約受付開始!」でマレーシアとフィリピンはその有効性が疑問視されている中国製のワクチンを調達する方針のようだと書きましたが、どの国もとにかく我先にワクチンを入手しようと必死なのかもしれません。その点、タイは感染者も少なく焦る必要もない中、自国でワクチン生産までできるという幸運に恵まれているわけです。

ところで、このワクチンは家庭の冷蔵庫に保管しておけるということで、先行しているファイザーやモデルナと比べて保管や搬送も実用的であり、文字通りタイが東南アジアでのコロナワクチン供給のハブになれそうです。また、価格もかなり安いようなので、怪しげな中国ワクチンが大量に流れ込んでくるのを食い止める防波堤にもなれそうです。

ただし、気にかかるのは、昨日の会見の中で当局は以下のようなことをいっているのです。

" อย่างไรก็ตาม ถึงแม้จะมีวัคซีนแล้ว แน่นอนว่าทั่วโลกไม่มีทางได้รับพร้อมกันทุกคน ดังนั้นการสวมหน้ากากอนามัย หรือหน้ากากผ้าจึงเป็นวัคซีนที่ดีที่สุดในการป้องกันตัวเอง และมาตรการกักตัวผู้เดินทางมาจากต่างประเทศยังจำเป็น "

いずれにせよ、ワクチンが入手できたとしてもすぐに世界中で同時にワクチンが行きわたるということではない。従って、マスクの着用はそれ以後も必要であり、外国人旅行者の隔離検疫も続くことになる。

もしここでいっていることが、世界中にワクチンが行きわたるまで感染した外国人の入国を拒否し、引き続き隔離検疫が続くということであれば、タイ経済にとって即朗報というにはまだ早いのかもしれません。

タイ人がワクチンを接種していれば少なくとも7割の人がコロナに対して有効であり、たとえ外国人旅行者に感染者がいたとしても、ほとんどのタイ人に感染しないのなら他国に関係なく規制緩和は可能というのが私の理解だったのですが。

英国隔離期間短縮
ちなみに、現在第3波に苦しむ英国でさえも、
アストラゼネカのワクチンが最初に手に入るというのもあるのかもしれませんが、昨日、12月中旬からは隔離検疫を5日間に短縮すると決めたところです。できればタイ政府にも、ワクチンの量産が始まればせめてこのくらいは規制緩和してもらいたいものですが。



年末一掃セール、でもすぐまた新年一掃セール?(その2)

ルンピニ年末値引1
これはルンピニの年末クリアランスセールです。同社が開発する大半のプロジェクトが郊外のアフォーダブルですが、2013年に久しぶりにCBDであるスクムビット24の奥で売り出したラグジュアリープロジェクト、ザ・ルンピニ 24で成功を収めました。

プリセール当時で平均価格が17万バーツ/㎡と割安感があり、さらに魅力的なファサード外観もあって
売れ行きも非常に良く、現在もこのプロジェクトを一押しする不動産業者も多いようです。

しかし、竣工時に私も見学に行ったところ、これはやっぱりルンピニ仕様だなと思いました。外観は格好いいのですが、使用しているワッサドゥ(建築資材)が全体的に安っぽく、湾曲した開口部等、使い勝手も悪そうで、ラグジュアリーという域には達していないというのが私の印象でした。

実は私が以前購入して住んでいたアソークのグランドパークビューもルンピニなのですが、コンクリートの流し方が雑でジャンカらしきものが出ていたり、戸境壁が波をうっていたりと、施工精度もあまりよくありませんでした。

ただし、ルンピニの場合、致命的な欠陥もなく、値段が他社に比べて割安でコスパの良さが彼らの持ち味です。
従って私の印象では、ルンピニは、昔、田の字型マンションを考案し量産した長谷川工務店(今のハセコーアーベスト)みたいなデベであり、ミドルクラス庶民向け普及型コンドのパイオニアです。

そういう点では私の好きなデベロッパーでもあるのですが、彼らにとってあまり経験のない、場違いなCBDでやるプロジェクトには何となく違和感を感じてしまいます。

ルンピニ年末値引2
さて、その後にルンピニが次のCBDプロジェクトの目玉として取りかかったのが、このルンピニスイート(ペチャブリ-マッカサン)です。ただし、これについてはあんまり成功したとは聞いていません。

小さなユニットが多く駅からも遠いということでどこか中途半端であり、やはりこれも
値段が安いのだけが取り柄です。そして今回、その完成在庫を10ユニットに限り、同社の開発コストで売却するということです。

価格も279万バーツからということであり、多分、一番小さな23㎡のスタジオタイプだと思いますが、それでも12万バーツ/㎡というのはさすがに安く、確かに彼らのコスト値なのかもしれません。つまり、それだけ市場では人気がないということだろうと思うし、将来のアップサイドも見えてきません。

ワンワイアレス1
これに比べれば、駅からは若干距離があるものの、APがやっているワイアレス通りのライフ・ワンワイアレスのクリアランスセールの方が、投資としては面白いと思います。

いずれにせよ、これはと思ったお気に入りの物件が見つかれば、買って悪いタイミングではないとは思いますが、多分来年に入ってもハッピーニューイアーセールとか銘打った新たなクリアランスセールが出てくると思うので、コロナのワクチンが普及していよいよ外国人観光客、そして外国人投資家が戻ってくるのが見えてくるまでは、買いを焦る必要はないと思います。



年末一掃セール、でもすぐまた新年一掃セール?(その1)

アナンダ年末値引1
最近、頻繁にデベロッパー各社の年末在庫一掃セールの広告がメールやFBに入ってきます。特に完成在庫物件に対する今年最後のラストスパートというところです。

しかし、いつもこれが最後とか、最高の値引額、ユニット数限定などという、顧客の購買意欲を誘引しようとする売り文句が並んでいて、正直、もう見飽きたというのが本音です。

2017年前後に起こった中国人投資家の爆買いもあって、その竣工引渡しがちょうど今年行われた結果、決算でその分が売上として上乗せされ、大手デベロッパー各社は増収増益となりました。しかし、実態は昨年と今年の売行き不振や大量の完成在庫の存在により、このまま来年も市場が回復しなければ、来期決算あたりからその影響が出てくるものと思っています。

アナンダ年末値引2

さて、これはアナンダが現在出している広告ですが、4つのアイディオ・モビの年末一掃セールです。このブログを長く読んできてくれている人であればわかると思いますが、私個人の評価としては、デベロッパーのアナンダとその系列の仲介会社、ザ・エージェントの評価はともに最低ランクに入っています。

また、日本人投資家の多くが誤解しているのですが、同じアナンダのプロジェクトでも三井不動産とJVのプロジェクトは大丈夫ということは全くなく、何ら違いはありません。

従って、私の場合、彼らの名前を見ただけでもうそのプロジェクトには興味がなくなるのですが、中でも特にこの中級グレードのモビは水漏れ等の欠陥工事、無責任な仕様変更や工期遅延等の問題が多く、タイ人の間でもあまり評判がよくありません。

ただし、そうはいってもこの4つのプロジェクトを見たところ、スクムビット66だけは、我々外国人投資家にとってロケーションが有望だと思います。

以前、「ナイツブリッジ・プライム・オンヌットの底値買い」で、このプロジェクトのロケーションは悪くないのでこういうのを底値買いするのは賛成、ということを書きましたが、ただし、デベロッパーのオリジンも施工面でいろいろと問題が多いので、その施工リスクについては注意するように念を押しておきました。

実際のところ、タイのコンドミニアムの場合、施工面での欠陥リスクは日本では考えられないほど高く、できるだけ評判のよい信頼できるデベロッパーを選択するべきなのです。とはいっても、それでも「品確法のないタイ、隠れた瑕疵はこんなに恐い」で6回にわたり書いたような問題にぶつかってしまうことがあるので、こればかりは運でもあります。

次回に続く



ドタキャン、香港-シンガポール隔離検疫免除の観光許可

トラベルバブル1
香港とシンガポールが、観光産業の壊滅的な打撃に対する起死回生の策として合意したトラベルバブル、すなわち隔離検疫なしの往来許可ですが、残念ながら施行開始前日である昨日の夕方、関係当局の判断により、突然のドタキャンとなってしまいました。

トラベルバブル3
その理由は、ここ数日、香港側で感染者がまたも増加しつつあり、昨日だけで43名もの感染者が出ただけでなく、しかもそのうちの13人が感染経路不明ということだからです。

感染経路が特定できない場合、今後集団感染が引き起こされるリスクもあるので特に注意が必要なのですが、それもあって急遽直前での中止を決定したそうです。

トラベルバブル2
タイと同様、香港もシンガポールも毎年たくさんの観光客が訪れていただけに、疲弊が続く観光産業を復興させる期待のトラベルバブル計画だったのですが、これでまた、先が読めなくなってしまいました。

しかし、この香港の例からもわかるように、コロナは打ち寄せる波のごとく今後も世界中で第4波、第5波と続いていきそうです。

以前、「隔離検疫なしで外国人を受入れ始めた国」で大失敗したモルディブの例を紹介しましたが、今度は感染リスクの低い香港とシンガポール間に限定した往来許可であればどうかという、東南アジアでは初めての試みだったのですが、結局スタートする前で突然の延期となってしまったわけです。

当然、タイ政府にとってもこれは他人事ではなく、現在中国との調整が進む、来年2月の春節休みまでにタイ-中国政府間で隔離検疫なしの往来に合意し、中国人観光客を呼び込もうというトラベルバブル計画にも大きな影響を与えそうです。

また、日本もつい先日、感染者増で国の安全度のランクが引下げられましたが、結局のところ「人類の希望、コロナワクチン・フェーズ3」で書いたように、外から感染者が入ってきてもその感染から身を守ることができるワクチンが出てこなければ、危険度の低い国家間だけに限定して双方の往来を認めるというトラベルバブル計画にはやはり限界があり、今後世界のどこでやっても失敗するということなのかもしれません。



オックスフォード・ワクチンはタイ経済復興の救世主?

アステラワクチン2
つい先日、「人類の希望、コロナワクチン・フェーズ3」でタイは英国の医薬品メーカーアストラゼネカがオックスフォード大学と共同で開発中のコロナワクチンを格安で購入できる契約になっていることについて触れました。

しかも、バンコク郊外のパトゥンタニ工場で量産する契約にもなっているので、もしこれがワクチンとして英国政府に認可されれば、タイ国内だけでなく東南アジアでのワクチン供給のハブにもなれるという大きなビジネスチャンスでもあると書いたところです。

ただし、最初のワクチンはフェーズ3の治験で副作用が発生し、一旦は中断せざるをえなくなったという経緯があります。

従って、既に第3フェーズ治験に成功したファイザーやモデルナに比べると、かなり遅れを取ってしまっていますが、その後、このワクチンのフェーズ3治験は再開されていて今も続いています。

そしてこの治験が成功して政府に認可されれば、製品化されることになるわけですが、今のところいつ頃製品化されるかについてははっきり明記されていません。

アステラワクチン1

しかし、今日のプラチャーチャートの記事によれば、彼らの新しいワクチンに対するフェーズ2治験の結果、その有効性は以下の様にファイザーやモデルナと同等、もしくはそれ以上であったということです。

The Oxford coronavirus vaccine shows a strong immune response in adults in their 60s and 70s, raising hopes that it can protect age groups most at risk from the virus.
オックスフォード大学のコロナワクチンは高い免疫性を示し、特に感染すれば死に至る危険度の高い60代から70代の人達に効果があることがわかった。

アステラワクチン3

The Oxford data is from an earlier stage, which tests the safety of the vaccine and the body's response to it, but in the long run it's likely this vaccine could be easier to roll out because it doesn't need to be stored at very cold temperatures.
オックスフォード大学の安全性と有効性に関するテストデータはまだ初期段階のものではあるが、このワクチンは(前2社のRNAを使う方式と違うので)超低温での冷却保存の必要がなく、長期的には最も汎用性が高いと思われる。

記事はここまでですが、ファイザーのワクチンのようにマイナス70度という超低温での保管や搬送が必要なのでは使い勝手に問題がありますが、このアストラゼネカのワクチンが認可されれば、これは違う次元の話になると思います。

世界でもコロナによる経済的打撃が最も大きな国の1つ、といわれているのがタイです。従って、このワクチンによって受ける恩恵もトップクラスだろうと思います。

このところの為替市場での急激なタイバーツ高の原因は、ファイザーのワクチン成功のニュースでタイに海外からの投資資金が流れ込んできてボンド(債券)が買われたからという分析がされていますが、これは外国人観光客が戻ってくることで、GDPの2割ともいわれる観光産業が復活し、タイバーツはさらに強くなるという思惑で買われたわけです。

そしてこれが続くと、やがて不動産にも資金が流れ始めることになります。私もちょっと前まで、バンコクのコンドミニアム市場は少なくとも来年一杯は低迷が続くと思っていたのですが、もしこのワクチンが認可され、しかもタイで量産されるようになれば、ひょっとすると来年後半あたりにコンドミニアム市場のリバウンドが始まる可能性も出てきたと思うようになってきました。



世界でコロナワクチン購入予約受付開始!

中国製ワクチン1
こんな広告があります。待ちに待ったコロナワクチン予約販売の開始です。しかし、一つだけ要注意点があります。

残念ながら、これは中国製なのです。この中で彼らはフェーズ3の治験は副作用もなく終了したと書いています。また、海外に住む中国人6万人に接種したところ、これまで誰一人としてコロナに感染していないともいっています。

しかし、昨日のブログでも書いたように、その詳細な治験結果やレポートがどこにも発表されておらず、世界からはその安全性が疑問視されているわけです。

中国製ワクチン4

COVID-19 Coronavirus Vaccine

After long-term research and development and clinical trials, China has successfully developed a vaccine that effectively treats the new coronavirus infectious disease.

Now the new vaccine has completed the third phase of clinical trials and approved for marketing;

Due to the excessive global demand for vaccines, please contact us and make a order in advance.

Minimum order quantity: 10000 doses

 

長期にわたる研究開発と治験の結果、中国はついにコロナウイルス感染から身を守るワクチンの開発に成功しました。

そして今、第3フェーズの治験も終了し、いよいよ予約販売の開始が認められました。

世界中でワクチンに対する需要があることから注文が殺到するので、今のうちに前もって注文して下さい。

最小注文数:10,000接種分


前回このブログでは、タイはアストラゼネカのワクチンを購入する方針と書きましたが、一方でマレーシアとフィリピンは中国製のワクチンを購入する方向のようです。さすが中国、これも東南アジアに対するワクチン外交の成果だろうと思いますが...。


中国製ワクチン2

ちなみに、マレーシア政府はその開発や安全性のチェック、つまり治験のことだと思いますが、これらで中国に協力することで、中国から優先的にワクチンを融通してもらうという5年契約を締結したと発表しました。怖いことだと思いますが、どこの国も我先にとワクチン確保に必死なのです。

中国製ワクチン3

ところで、以前、「南シナ海防衛、海軍力を増強するASEAN」の中でマレーシアやフィリピンは南シナ海で90%以上の領有権を主張する中国と紛争が続いていると書きましたが、不本意ながらコロナに関しては中国に頼るしかなかったのかもしれません。

最近、WHOのテドロスさんが今こそ出番とばかりにまた出てきて、ワクチンは世界のどの国にも公平に行きわたらなければいけない、などと優等生的な発言をしていますが、タイは別として、どこの国も多くの感染者を抱えて一刻も速くワクチンが欲しいのに、悠長に順番待ちなどしていられないというのもわかります。

いずれにせよ、タイはマレーシアのように
中国とおかしな治験契約などしておらず、アストラゼネカを選んで、多分正解でした。

しかも、国内に同社の現地生産工場を持つ強みがあるので、このワクチンが英国の基準をクリアしさえすれば、今後は十分なワクチンが得られるので、怪しげな中国製のワクチンに生命の危険をおかすことになるリスクはないわけです。アストラゼネカにはなんとか製品化に成功してもらいたいものです。




人類の希望、コロナワクチン・フェーズ3

ワクチンフェーズ3

昨日のビジネス紙、プラチャーチャート・トゥーラギットに載った記事で、現時点でフェーズ3の段階となっているワクチンのリストです。そして、この中で90%以上の有効性が確認できたワクチンが黄色の枠で囲った3つです。

フェーズ3に成功した一番乗りは、既に周知の通りファイザーとBioNTechが開発したBNT162です。しかし、マイナス70度という極限の冷凍状態を維持する必要があり、保管と搬送面での問題が指摘されていて、すぐに世界中に広まるのは難しそうです。

また、タイにもそういう冷凍設備はなく新たに購入するしかないようですが、それでも地方などに搬送することができないこともあって、政府もあまり積極的ではないようです。

その次に出てきたのが、ロシアのスプートニクVです。92%の有効性が確認できたということですが、データの詳細が文書化されてないので国際的な評価はまだ確立されていません。将来製品化されればイスラエルなどが購入するようです。

そして、つい先日出てきたのがモデルナ社のmRNA-1273です。これは94%の有効性が確認され、保管や搬送の問題もなく、今のところ最も汎用性に優れているワクチンということです。

日本政府は既にファイザーとモデルナのこの2つのワクチンで、1億人以上が接種を受けられる分の購入予約をしているということであり、日本人の場合はワクチンの優先入手が可能と思われます。

一方、それ以外の5社については、今もフェーズ3のところで有効性が確認できていません。一時は早々とフェーズ3に入り、ワクチン開発の最先端を行くといわれていた中国の2社からは、今だに何のレポートも出てきてないということです。一部では副作用や死人まで出ているという噂も出ているので、頓挫してしまっているのかもしれません。

また、イギリスのアストラゼネカとアメリカのジョンソンアンドジョンソンも副作用等の問題があり、フェーズ3の治験を一旦中止していました。ただし、再度フェーズ3にトライしているとのことなので、将来的には有効性の高いワクチンの開発に成功するのかもしれません。

ワクチンフェーズ3 2
ところで、今日のバンコクポストによると、タイ政府がワクチンを購入しようとしているのはこのアストラゼネカからです。同社は既にタイのサイアム・バイオサイエンス社との共同生産契約を結んでいて、フェーズ3が終わり英国の安全基準をクリア次第、タイは最優先で1,300万人分のワクチンの提供を受ける契約になっているとのことです。

また、タイ政府はアストラゼネカから、現在行っているフェーズ3治験での有効性は90%以上との報告を既に受けているそうで、早期安全基準クリアへの期待が高まっています。しかも、購入価格についても1接種5ドルと他の国が20ドルで買うのに対して圧倒的に安く買える契約になっているとのことです。

さらに、アストラゼネカのワクチン生産工場をパトゥンタニに作る予定であり、既に現地生産契約も結んでいて、これにより、タイは国民全員がワクチン接種可能になるだけでなく、周辺国にもワクチンの供給ができるハブになることを目指しているとのことです。

以上が世界のワクチン開発競争の現状と、それに対するタイ政府の対応ですが、中国のワクチン外交に応じるだけでなく、一方ではこんな計画も進んでいたとはなかなか抜け目ない政府です。

一旦はフェーズ3に失敗して出遅れたアストラゼネカですが、本当に今回の治験で90%以上の有効性を確認できているのであれば、確かにこれはタイ国民にとっての朗報というだけでなく、タイという国にとっても、ASEANでのコロナのワクチン生産と供給のハブになれるビッグチャンスでもあります。



来年のタイ経済はもっと悪くなる

世界感染者数
第3波による世界でのコロナ感染者数の推移がこのグラフです。これは累積数ではなく1日に発生した感染者数なので、第1波から何倍にも増えているのがわかります。そして、11月13日時点で世界の感染者は5,800万人、死者も130万人となり、今も状況は悪化の一途です。

コロナの感染が最初に騒がれ始めた3月や4月のころに比べると、ここ数日は1日の感染者が60万人以上ととんでもない数字になっています。この後の第4波が来る前に何とかワクチンが完成すればいいですが、もし間に合わなければ、次は1日の感染者が100万人を超すような事態になるのかもしれません。

世界感染者数タイ2
ところで、今の第3波感染拡大のピークは来年1月というタイの医学者もいます。シリラート病院医学部長は、これから寒い冬になって人々が室内にこもるようになり、世界中でもっと感染者が増えるとのことです。

さらに、タイ医学界は政府が外国人観光客の入国規制を緩和したり、隔離検疫を14日から10日間に減らすことにも反対しているそうで、この教授は今のようにタイ人による国内旅行だけでなんとか観光業界もやっていけるのではないかという見当違いのコメントもしています。

もっとも、こういうところは、医者はビジネスに疎いので
医学的な見方だけに偏ってしまい、そんなことがいえるのだろうとは思いますが...。

いずれにせよ、この隔離検疫期間短縮案については、先日、政府が見送りを決定しましたが、このようにタイの医学界が反対していることも大きな理由の一つだろうと思います。

しかし、たとえワクチンができてもすぐには世界中に行きわたらないだろうことを考えると、外国人観光客が隔離検疫なしで再びタイに自由にやって来られるようになるのは、再来年以降になるのではないかと私は思っています。

そんな状況下、経済紙の
プラチャーチャート・トゥーラギットがその社説で、来年、状況はもっと悪化するという記事を載せていました。

การจ้างงานของภาคการท่องเที่ยวมีสัดส่วนสูงถึง 20% ของการจ้างงานทั้งหมด เทียบกับอุตสาหกรรมการส่งออกมีสัดส่วนการจ้างงานไม่ถึง 4% ทำให้ภาคการท่องเที่ยวเป็นปัจจัยสำคัญอย่างยิ่งต่อการฟื้นตัวของเศรษฐกิจไทย

タイ就労人口全体の20%もの人が観光産業に属している。一方、輸出産業の就労人口はわずか4%以下であることからも、タイ経済の回復にとって観光産業の復興は不可欠である。

ผู้บริหารเชนโรงแรมระดับประเทศ ยอมรับว่า บิสซิเนสแพลนเดิมที่ทำไว้ ซึ่งคาดว่าตลาดท่องเที่ยวจะฟื้นตัวกลับมาราวกลางปีหน้าเป็นต้นไป ต้องรื้อทิ้งทั้งหมด และมองจุดเริ่มต้นว่าอาจต้องข้ามไปถึงปี 2565 

タイ国内のホテルチェーン経営者たちは、来年半ばには旅行者市場も回復し始めるという予想に基づいてビジネスプランを作成していたが、これを一旦白紙に戻し、市場は2022年まで回復しないというプランに変更しつつある。

その結果、この社説では表題である、ปีหน้า หนักยิ่งกว่า(来年、タイ経済はもっと悪くなる)という結論に行き着いたわけですが、やはり観光大国であるタイは、観光旅行業界の復活がなければタイ経済全体の回復はないということであり、一方で反政府デモも年を超えて長引く気配なので、このコラムの通り、来年のタイ経済はもっと悪くなりそうです。

従って、バンコクの不動産市場も当然さらに悪化していくので、個人投資家にとっても急ぐな、焦るな、コンドの底値状態は来年も続く!」で書いたように、じっくりと待つべきときです。



不動産投資で儲けたければミッドタウン!(その3)

フィリピンと中国人エクスパット
さて、これがここ数年急増中のフィリピン人と中国人の働くセクター別のグラフです。

まず、フィリピン人については67%が英語の教師ということです。また、ホテルやレストラン等のサービス業で7%、その他20%となっていますが、これについても英語を使っての仕事だろうと思います。

フィリピンはASEANの中で唯一英語を日常語として使う国であり、その中でも高等教育を受けたネイティブに近い英語教師がたくさんタイにやってきています。

アジア各国の英語レベル

一方、
この表で見ると、タイは世界の中でも英語力が低いとみなされていて、ASEAN10か国の中でもカンボジアとミャンマーに次いで英語能力が低いことがわかります。

そこで、以前「タイ人も実は英語はすごく苦手(その2)」で以下のように書きましたが、タイが世界からのASEANに対する投資のハブになるためには、英語力の向上が必須ということで、タイ政府はこれから特に英語教育に力を入れようとしているわけです。

タイの文部大臣が、コロナが落ち着いたら英語教育に力を入れる。そのために、1万人の欧米人ネイティブスピーカーを教師として雇い入れると発表しました。
既に今、タイにはネイティブの英語教師が7,000人もいるそうで、欧米人の教師がプラカノーンやオンヌットあたりにもたくさん住んでいます。これが今後さらにその倍以上の1万人の増員というのですから、大変な熱の入れようです。
そういう意味では、スクムビットライン沿線のミッドタウンで、駅に近いコンドミニアムに対する欧米人の賃貸需要はもっと増えてくるはずです。

実際、スクムビット50のローライズコンド、The Linkなどには欧米人のデジタルノマドや英語教師が多く住んでいます。DDプロパティによると、オンヌット駅周辺の賃貸物件の内、実に7割が外国人テナントということであり、今後は欧米人だけでなくフィリピン人エクスパットも含めて、オンヌット以遠のミッドタウンでの賃貸需要は増えていきます。

一方、中国人は日本と同じく製造業が多いですが、これは米中貿易摩擦もあり、工場を中国からタイにシフトしてアメリカ向け輸出品に関税をかけられないようにするのが主な理由とのことです。

そこで、CBREがこれからの不動産投資先として指摘しているのが以下です。すなわち、これまで私が著書やブログで書いてきたように、「脱日本人駐在員」がこれからの不動産投資のキーワードということになります。

“This means affordable midtown condominiums along mass transit lines with a maximum of two interchanges away from expatriate office hotspots could become increasingly attractive to investors seeking rental properties with expatriate demand as expatriate areas could de-centralise outwards in line with high-growth expatriate nationalities and their respective preferred areas”
 
外国人エクスパットの賃貸ニーズは、今後バンコク中心部から外に向かってシフトしていくことになる。マストランジットの駅近にあり、2回以内の乗り換えで職場に行けて、かつ家賃もリーズナブルなミッドタウンのコンドミニアムへの需要が高まるので、こういう物件が投資家にとっても魅力が出てくる。




不動産投資で儲けたければミッドタウン!(その2)

中国人とフィリピン人
さて、これが現時点での労働許可証を持つ日本人(28,560人)、中国人(25,811人)、フィリピン人(18,472人)のエクスパット数と、日本人エクスパットがピークであった6年前との比較です。この分では、数年後に日本人が中国人エクスパットに追い抜かれるのはほぼ間違いないと思います。

不動産コンサルタントのCBREによれば、タイ人従業員が育ってきてローカルに仕事を任せられるようになってきたこと、人件費等の値上りでベトナムやカンボジアに生産拠点を移す企業が増えてきたことが、日本人エクスパットが減少している主な理由とのことです。

CBRE Research reveals that extensions of downtown Bangkok such as Rama IX and Ratchadapisek have become Chinese expatriate hotspots due to amenities such as Chinese-centric restaurants, shops and convenient MRT access. Similarly, On Nut is a preferred area for Filipino expatriates due to lower rentals than early to mid-Sukhumvit while still affording convenient BTS access.


ところで、中国人エクスパットは中国大使館があるラチャダーピセーク通り沿いに好んで住む傾向があります。それもあって、中国人観光客までもがこの周辺に宿泊するようになりましたが、2016年あたりから急増してきた中国人個人投資家が、ラーマ9を中心にラチャダーピセーク通り沿線のコンドミニアムを買い漁った理由がこれです。

かつて日本の個人投資家が日本人駐在員が多かったプロンポンやトンローのコンドミニアムに好んで投資したのと同じ現象です。

そういう意味では、ラチャダーはかなり供給量が多いので物件選択がちょっと難しいものの、「入口」でミスさえしなければ、今後価格も上昇し賃貸利回りも安定すると思うので、高いIRRが期待できる有望エリアの一つです。

従って、もし私が中国人投資家であれば、ラーマ9、フワイクワン、タイカルチャーセンターの3つに絞って駅から200メートル以内、信頼できる大手デベロッパー開発のハイライズという投資クライテリアで物件探しをするだろうと思います。

一方、フィリピン人エクスパットも数の上では18,472人とちょっと遅れを取っていますが、増加率では中国人と同じ45%と急増中です。しかし、彼らにとってはバンコクの不動産には割高感があり、フィリピンの個人投資家がタイの不動産を買っているとはほとんど聞きません。

ただし、彼らが好んで住むのが、欧米人が多く英語で生活できるエリアで、かつ家賃水準もリーズナブルなところということであり、上のリサーチ結果にも書いてある通り、オンヌットを中心とするスクムビット通り沿線ミッドタウンです。

次回に続く



不動産投資で儲けたければミッドタウン!(その1)

日本人の減少
2018年の5月に上梓した著書、「バンコク不動産投資(実践編)」の第2章5項で「ミッドタウンに向かう外国人投資家マネー」と題してミッドタウンのプロジェクトに外国人投資家の人気が出てきたことを書きました。そして7項で「5年後に様変わりするロケーション」として、プラカノン、オンヌット、サムローンを挙げました。

さらに、今年の初めに出した「バンコク不動産投資(2020年版)」の第4章1項でも「既存の高級住宅地よりもこれから発展するエリアへ」と題して都心部にはそろそろ見切りをつけた方がいいと書き、2項で「CBDからフリンジ、ミッドタウンへ」と題して、先の3つに加えてウドムスクやプンナウィティも推薦しました。

その理由は、不動産投資で最も重要な投資指標であるIRR(内部収益率)で見た場合、アソークからトンローにかけての従来の人気エリアには、投資対象としての面白みがもうあまりなくなってきていると思っているからです。ただし、これからずっとダメというわけではなく、向こう4、5年はやめておいた方がいいという意味ですが...。

そして、その理由とは別にもう一つ、第5章2項で「勝ち残りたければ脱日本人駐在員」と題して、減少が続く日本人駐在員を入居者ターゲットにする旧態依然とした投資をしていたら、空室リスクばかり高くなるのでやめた方がいいとも書きました。

日本人数

さて、これが直近の労働許可証を持つ日本人エクスパットの推移です。この6年間、
ジリジリと減ってきているのがわかります。しかも日系企業の経費節減策として駐在員を帰国させ、代わりに現地採用の日本人を増やす傾向が続いているので、実際にはこの中での駐在員の比率はさらに小さくなってきています。

つまり、この6年間で23%減少したのではなく、企業から派遣された駐在員に限定すれば、2014年のピーク時から3割、4割と減ってきていると考えられます。

一方、2016年に始まったラグジュアリーコンドブームにより、ちょうどそれらが竣工を迎えつつある昨年あたりから、トンローあたりでは賃貸物件のオーバーサプライが起こっています。すなわち、5万バーツ以上の高額家賃が払える日系企業の駐在員が減りつつある中、入居者需要と高級賃貸物件の供給でミスマッチが起こりつつあるわけです。

その結果、
これまで日本人駐在員に人気のあったトンローのHQやクワトロでも、次第に入居者募集が難しくなり、新築物件にとって代わられていくと思います。

また、欧米人が新しさよりもインテリアの趣味や部屋の広さを重視するのに対し、日本人は新築好きなので最初の2、3年間は新築効果もあって入居者も付くかもしれません。しかし、よほどロケーションがいいとかグレードが高いという人気物件でなければ、これらも数年後にはありきたりの物件に格下げされてしまい、結局は空室リスクに泣くことになります。


それに、CBDで50㎡の新築物件を買うだけで1,500万バーツ(約5,000万円)もの資金を海外不動産投資に振り分けられるのは、日本でも結構なお金持ちであり、我々のような平均的個人投資家にとっては、金額的にリスクが大きすぎます。

そういうことで、これからは日本人駐在員に固執せず、現地採用の日本人や欧米人などのエクスパット、そしてタイ人アッパーミドルクラスの賃貸需要が増加中のミッドタウンに投資先をシフトすべきと思っているわけです。


次回に続く



旅行者にとってホテル代が最もお得なのはタイ!

タイリゾート

前回、タイ政府がゴルフ客を誘致しようとする新しいプランについて、獄中生活のような2週間の隔離検疫を受けて、しかも臨時便や海外医療保険等の割高な費用を負担してまで、わざわざタイに来るゴルフ客などいないのではないかと否定的なことを書きました。

しかし、タイはホテルの宿泊費が暴落した結果、世界でも非常に安く旅行ができるという調査結果も出ています。これはヨーロッパの旅行会社であるダーツアーというところが世界各地の3つ星、4つ星、5つ星クラスホテルの宿泊費平均値を調べたものです。

2021 travel cheaper once restrictions lift

Phuket, Thailand, clocks the cheapest destination with the average room costing $29.38 but Thailand’s strict travel restrictions lockout bonafide leisure travellers.

旅行規制が撤廃されれば、2021年に海外旅行が安く行ける観光地
タイのプーケットはホテルの平均宿泊料金がわずか29.38ドルと世界の最安値をつけた。しかし、今はタイ政府の厳格な入国規制がレジャー観光客を遠のけている。


ホテル宿泊費
上の表を見ると、バンコクのホテルも世界で5位、43.48ドルと随分安いですが、プーケットの4つ星ホテルに1泊3,000円程度で泊まれるのなら、たとえ街はゴーストタウンの様になっていたとしても、ビーチやプールサイドで寝転がって青い海を見ているだけでもその価値はあるのかもしれません。

ホテル宿泊料金2

一方、宿泊費の下落率を2019年と比べたのがこの表です。バンコクとプーケットは34%も値下りしていて、世界の観光地の中でも暴落率が4位と5位にランクされています。しかも、1位から4位までは都市型観光地なので、海や山のリゾート地としては、プーケットの値下りが世界一ということになります。

以前、アゴラで「2021年、タイ観光産業のメルトダウンが始まる! 」と題して、このままではタイの観光産業が崩壊し立ち直れなくなるリスクがあると書いたのですが、この表からもコロナで観光大国タイの観光産業が受けている打撃がわかります。

また、来年、外国人観光客の入国規制が撤廃されてからでも割安感はしばらく続くということなので、
パソコン1台で世界のどこでも仕事ができるデジタルノマドなどにとっては、仕事をしながら長期間ビーチフロントでのんびり過ごせるいいチャンスでもあります。

He added that 40,000 workers had lost their jobs and even those still in work had lost 20-90% of their income, while only 30% of all hotels were still open. "Phuket is like a patient in a coma in ICU. So it is necessary for all stakeholders to help restore Phuket as quickly as possible'' 

プーケットでは4万人が失業し、まだ仕事がある者でも2割から最高9割も収入が減っている。そして、営業しているホテルの数は全体のわずか3割である。今、プーケットはICUで昏睡状態にあるのと同じで、一刻も早くプーケットを再生するために関係者のサポートが必要だ。

実際、今のプーケットの状況について「隔離検疫なしで外国人を受入れ始めた国(その2)」でこのように市長のコメントを伝えましたが、現在ホテル全体のわずか3割しか営業してないにも関わらず、これだけ宿泊費が値下りしているのであれば、もし来年、隔離検疫等の入国規制がなくなっても、潜在的に宿泊施設の供給圧力が相当大きいので、なかなかすぐには宿泊費も値上げできないのかもしれません。

ところで、プーケットに限らず、チェンマイでもサムイでも有名な観光地はどこも格安で宿泊できるはずです。従って、
私もそうなのですが、もし今タイに住んでいて、正月はどうせ日本には帰れそうもないと諦めているのであれば、このチャンスにどこかタイの国内旅行をするのがお勧めです。


監獄にいるような隔離検疫の中、ゴルフをやって面白い?

ゴルフ場での隔離検疫
オンライン紙のグルンテープ・トゥーラギットによると、来週の11日、観光スポーツ省と保健省が共同で、中国、韓国、日本、台湾の4か国に絞って外国人ゴルファーを受入れ、隔離検疫の間、ゴルフ場で過ごすという新プランをCESAに提案するそうです。

つい先日、「乾季入りしたタイはいよいよゴルフシーズン到来!」と題して、タイはいよいよゴルフの季節になったと書いたところでもあり、一見、タイミング的にいいアイデアの様にも見えます。


โดยรูปแบบการกักตัวที่สนามกอล์ฟจะแตกต่างจากโรงแรม ASQ และ ALSQ ทั่วไป เพราะนักกอล์ฟสามารถออกจากห้องพักมาเล่นกอล์ฟได้ในพื้นที่กว้างซึ่งสามารถรักษาระยะห่าง ที่สำคัญต้องไม่ปะปนกับสมาชิกหรือผู้เล่นรายอื่นๆ ของสนามกอล์ฟ 

ゴルフ場での隔離検疫は通常のホテルでのASQやALSQとは異なる。ゴルファーは自分の部屋から出て、十分なソーシャルディスタンシングを取りながら、広々としたコースでゴルフをすることができるからである。ただし、ゴルフコースの会員メンバーや他のプレーヤーと接触しないようにしなければならない。

ちなみに、これが彼らのセールストークですが、2週間の隔離検疫の間、ゴルフ場のホテルに缶詰にされ、ゴルフの時以外は部屋から一歩も出られないというのは同じのようです。

1. 監禁状態は監獄に入れられたよう
2. 食事は3食とも弁当を部屋の前に置いていくだけ
3. 誰とも接触が許されず、お酒や食料の購入を頼んでも無視された
4. 1日に1度ある40~50分の散歩はすべて監視付き
5. 隔離検疫は二度と経験したくない

まだ、正式に決まったわけでなく、このプランの詳細ははっきりしません。しかし、以前「隔離検疫ってどうなの?」で実際に2週間の隔離検疫を経験した人のコメントを伝えましたが、これと今回唯一違うのは、毎日1度ある40~50分の散歩が、毎日1度、数時間かけてゴルフが1ラウンドできるというだけなのだろうと思います。

しかも、この記事によれば、"他のプレーヤーと接触しないようにしなければならない"とあるのですが、ひょっとすると、グループで回るのではなく、たった一人で回るのかもしれません。

そんな面白くもないゴルフのために、毎日他にやることもなく、ホテルの部屋で監獄に入れられたような状態になるために、わざわざ何千人ものゴルファーが好き好んでタイにやって来るかというと、私は難しいのではないかと思います。
少なくとも私はバカバカしいのでタイでゴルフをするためにわざわざ行こうとは思いません。

もっとも、仕事でタイに戻らなければならないビジネスマンで、いずれにせよ隔離検疫が必要な人でかつゴルフ好きの人であれば、こちらの方を選ぶ人はいるかもしれませんが...。

それに、この記事によると、韓国大使館から、この時期になると韓国の若いゴルファーたちが毎年1,000人以上もタイにやってくるので、その需要を取り込んだ方がいいというアドバイスがあったからだそうです。

従って、タイ観光スポーツ省も韓国人の若いゴルファーたちが来てくれると見込んでいるようですが、実際のところ、ゴルフ場で傍若無人にふるまう彼らのマナーは悪く、日本人ゴルファーとはちょっと相いれないところがあります。

大声で騒ぐし、進むのが遅いので先に行かせてくれといっても、日本人とわかると拒否されて不愉快な思いをさせられたこともあります。従って、少なくとも私個人としては、できれば彼等とは一緒にやりたくないというところです。

中国人がプレーするのは見たことがないのでわかりませんが、こんな外国人プレイヤーばかりを2週間も同じホテルに泊めて毎日ゴルフをしたりしたら、そのうちトラブルも発生するかもしれません。

従って、タイ政府もこんな面倒くさいことを検討するよりも「タイ観光産業復活のキーワードは、中国ファースト」で書いたように、来年の中国の正月である春節を目指し、中国とタイの間で隔離検疫をなくして団体旅行者が行き来できるように交渉を進める方が、観光産業全体にとってよほどメリットがあると思うのですが...。



タイ航空、飛行機放出でスリム化

Aircraft Sale
会社更生手続きの開始が決まったタイ航空ですが、今回、更生計画の中で保有する飛行機を売却処分することになり、この通り自社のウエブサイトで売りに出しました。

中古車のセールならわかりますが、大型旅客機のセールなどという珍しい販売広告など見たことがありません。もっとも、以前から
タイ航空の飛行機は古くて不人気機種が多いといわれていて、コロナの影響でどこの航空会社も飛行機を飛ばすことができず経営危機に喘ぐ中、この売却はなかなか難しいとは思いますが...。

ところで、実はタイ航空が倒産の危機に陥った際に、その状況を調べて「誰がタイ航空をこんなにした?(その2)」で書いたことがあります。

特に、A340-500とA340-600については、当時のタクシン政権がわざわざこの不人気機種をたくさん購入したために、汚職
があったのではないかという疑惑もあり、実際にこれらの機体が今も航空会社の収益を圧迫しているということでした。

以下はその時に海外のアナリストたちがタイ航空について語っていた話で、航空機に関するコメントの抜粋ですが、
私なんかはこのコメントを読んで、タイ航空は機体が古いだけでなく、従業員の整備の技術も劣ると知って以来、タイ航空に乗るのはもうやめようと思ったほどです。

・タイ航空が2005年に購入したエアバスA340-500,A340-600が燃費の悪い航空機であり、かつタイ国内の政治的な騒動(黄シャツ事件)もあって、それまで40年間、黒字を維持してきたタイ航空は2008年に初めて210億バーツの赤字となった。

・(タイ航空の)技術的な遅れ。12機種もの航空機を持っている反面、それをちゃんと整備する技術がない。また、A380のような新型機種を導入しても、整備する技術力がないので、A320やA340といった古い機種をいつまでも使っている。これでは、より安全な機種が選ばれる今の顧客ニーズを満たせない。例えば、シンガポール航空の平均機体年齢が7年7カ月に対し、タイ航空のそれは10年である。世界のエアラインとの厳しい競争を勝ち残るには、技術力の向上、新型機の導入が必要である。

そこで、今回売却処分されようとしているリストを見ると、その燃費が悪く不人気のエアバスA340-500とA340-600が合計9機も売り出されています。それとJALが2011年、ANAが2014年に全機退役させた昔のジャンボ、ボーイングB747-400が10機も出ています。

やはり、タイ航空はこんな時代遅れの飛行機をちゃんと整備もせずに最近まで飛ばしていたとすれば、今まで墜落しなかったからいいようなものの、本当はLCCの方が安全なのかもしれません。


いずれにせよ、時期が時期だけに二束三文でしか売れないのではないかとは思いますが、どうせ会社再建を図るのなら、10年以上も経った古い機体はすべて処分して、最新型機を整備できる技術力も身につけてもらい、観光大国タイのナショナルフラッグキャリアとして甦ってもらいたいものです。



タイ観光産業復活のキーワードは、中国ファースト(その2)

The country's Ministry of Culture and Tourism made the announcement that China will continue to suspend outbound group tours and ban travel agencies from allowing inbound tours due to the risk of a resurgence in coronavirus cases this winter.

中国文化観光省は、コロナの2次波を防ぐため、この冬の間も海外団体旅行の禁止及び海外からの観光客受入を禁止すると発表した。(バンコクポスト)

ところで、今後タイが中国人観光客を増やすために一方的に規制を緩めたとしても、この記事にあるように肝心の中国人観光客は政府の命令によって、冬の間、海外旅行が禁止されているため、とにかく来春まで一歩も国外に出られないという問題があります。

そこでTATは、まずSTVで長期滞在の中国人観光客を入れてその安全性を確認し、来春以降に中国が海外旅行を解禁するときまでに実績を作っておこうという計画のようです。

英国と中国
このグラフを見るとわかりますが、2次波で1日に2万人を超す感染者が出て、またもロックダウンを始めるしかなくなった英国と、ほとんど感染者がいなくなった安全な中国との対比がすごいです。これなら、中国政府が冬の間、外国人観光客など受け入れないし、自国民も外国に行かせないというのが納得できてしまいます。

ところで、ではなぜSTVで中国人観光客がタイに来られるのかという疑問が出てくると思いますが、以下の説明にあるように今回のSTVによる観光客は団体旅行ではないので容認するということで、中国政府も状況を観察しているようです。

"Tourists who apply for STVs can continue their journeys despite those bans, as the order is restricted to tour groups only," said Phiphat Ratchakitprakarn, the tourism and sports minister.

タイの観光スポーツ省大臣の説明によれば、STVでタイに入国した中国人観光客は問題なく旅行を続けられる。なぜなら、この中国の海外旅行禁止令は団体旅行を禁止しているのであって、個人旅行まで禁止していないからである。

しかし、100人を超える中国人観光客がチャーター便で一緒にプーケットにやってくるのであれば、それは団体旅行だろうとも思うのですが、いずれにせよ、中国政府がこのSTVでの観光旅行を承諾したわけですから問題はないのでしょう。

ただし、実際のところ、STVで数百人の中国人観光客がタイに入ってきたところで、観光収入という意味では、リスクの割に国としてほとんどメリットなどありません。その裏には以下にあるように、中国政府が来年、海外の団体旅行を解禁するとTATは期待しているわけです。もしくは、友好国だけに既に中国政府と何らかの合意ができているのかもしれませんが...。

Based on the TAT's strategic plan for 2021, it expects Chinese arrivals to total 7.45 million, assuming travel restrictions are relaxed.

中国が今の海外旅行禁止令を緩和した場合、TATの戦略プランでは、タイにやってくる来年の中国人観光客は745万人を見込んでいる。

こういう背景の事情がわかってくると、今のところタイと中国はどちらもコロナをうまく制圧できていて安全であること、
しかも中国が世界で実用化に一番近いといわれているコロナワクチンをタイには優先的に供給するという中国のワクチン外交が早速始まったといわれるほど、政府間の関係が良好であることから、中国政府が最初に海外旅行を解禁する相手国はタイである可能性が非常に高くなってきていると思います。

日本とタイ

それに、タイにしてみれば2019年の外国人観光客4,000万人のうち、1,000万人が中国人観光客だったこともあり、まずは中国ファーストで中国人観光客をターゲットに745万人を呼び戻そうと計画するのは、まことにごもっともだと思うのです。

一方、残念ながら2次波で感染者がまた増えている日本はしばらく蚊帳の外に置かれて、後回しということになるのではないかという気がします。



タイ観光産業復活のキーワードは、中国ファースト(その1)

STV
The Foreign Ministry on Saturday clarified the details of the Special Tourist Visa (STV) for long-stay tourists, saying the most important requirement for all applicants is they must be coming from low Covid-19 risk countries.

先週土曜日(10月31日)、タイ外務省はSTV(特別観光ビザ)が発行されるための必須条件として、コロナの感染リスクが低い国からの観光客でなければならないとアナウンスした。(バンコクポスト)

これに基づき、タイ保健省がローリスクの国と認めた国に対してだけSTVが発行されることになり、残念ながら、日本はこのリストから漏れてしまったわけです。

ところで、タイ国政府観光庁、すなわちTAT(Tourism Authority of Thailand)の最近のコメントによると、実は彼らにとって、これからのメインターゲットは中国人観光客であり、しかもいわゆるミレニアルと呼ばれる20代の若者たちということです。

現在、STVで対象にしているのは高齢者や熟年層、ビジネスマン等の余裕資金が豊富でお金をたくさん使ってくれる観光客です。しかし、彼らの調査では、来年、
中国政府の海外旅行禁止令が解けたときに真っ先に海外旅行に飛び出してくるのは、21~30歳のミレニアル世代であると読んでいるわけです。

彼らは若いのでお金はあまり使ってくれませんが、TATがリサーチした結果、若いからこそコロナの感染をあまり怖がっておらず、しかもこれまで中国政府に海外旅行を止められていたことでその欲求も高まっているそうで、来年のマーケティング戦略として中国のミレニアル世代をターゲットにしたわけです。

また、彼らの調査によれば、中国のミレニアルは321百万人、それに対し、日本、韓国、香港、台湾のミレニアルは全部合わせてもわずか69百万人ということで、まずは中国がメインターゲットということになったようです。

それもあって、STVで次々とタイにやってきているのは中国人観光客ばかりで、これでコロナ感染拡大が起こらなければ、徐々に中国人観光客に対する入国条件を緩めていき、早ければ来年2月の中国の正月、遅くとも7月の学校が夏休みになるころに一挙に若者たちの観光需要を取り込もうという戦略です。

もっとも、この計画はコロナの2次感染拡大もなく、もちろん、中国人対象のSTVもすべて順調にいったらという条件付きではありますが...。

次回に続く



南シナ海防衛、ASEANが海軍力を増強する背景

agora

以前、このブログで書いた元陸軍大将プラユット首相の策士ぶりとマレーシアでの不動産価格下落、それにASEANの軍備増強を関連付けたコラム記事が、日本の言論サイト「アゴラ」に掲載されたので、興味があれば、読んでみてください。



一枚岩でなくなりつつある反政府デモ

反政府デモ1
前回にもちらっと書きましたが、どうもこのところ、反政府デモの中でも王制改革について意見が割れているように思えます。

この現地ニュース記事を読んでいると、2日前の11月1日夕方、ウドムスクでデモがあったのですが、実はこれは反主流というか、もともとは7月に最初の頃の反政府デモが開かれた頃からのリーダーであり、ピープルズパーティ・バンコク東部地区のリーダーでもあるナットウット・ソンブーンが、「‘All People Endgame’(全員ゲームは終わりにしよう)」というグループ名で集会を開いたものだそうです。

そして、その中で彼が表明したのが以下です。

เรียกร้องต่อรัฐบาล 3 ข้อ ได้แก่
1.นำรัฐธรรมนูญฉบับ 2540 กลับมาใช้ใหม่
2.ยุบสภา เลือกตั้งใหม่
3.ร่างรัฐธรรมนูญฉบับประชาชน โดยประชาชนและเพื่อประชาชน
政府に対して次の3つの要求をする
1. 変更前の2017年の憲法に戻ること
2. 議会を解散し新たな選挙を行うこと
3. その後、国民による国民のための新憲法を草案すること

すなわち、このグループはそもそも7月に始まった当初デモの要求に戻り、憲法を元に戻した上で議会を解散し、新しく選挙で選ばれた政府のもとで国民主権の新憲法を草案するというものです。

そして、原点に返ってこの要求が通ればもうデモは終わりにしようというもので、9月ごろから出てきたもっと急先鋒のニューリーダーたちによる王室制度の改革要求を敢えて除外したわけです。

これを聞いたマスコミはピープルズパーティがその要求を引下げてきたと一斉に報道したのですが、実はそれには裏事情があり、反政府デモの中でも意見の食い違いが出てきているようだ、というのがこの記事の興味深いところです。

ピープルズパーティ

The mostly young demonstrators have been demanding a new constitution and the resignation of the current government that remains closely aligned with the military.

But some leaders of the movement have also been pressing for reform of the monarchy, an issue that has provoked strong reactions from more conservative elements of society.
(9月のタマサート大学キャンパスでの集会で)
デモ参加者のほとんどが若者で、憲法改正と軍部と癒着する現政府の辞任を求めていた。しかし、リーダーたちの一部には王制改革を要求するものも出てきて、これが社会の保守層から反感を持たれることになった。


一方、これに対して、現在のリーダーの一人、ニックネーム"ペンギン"は、そんなことは容認してないし、彼らが勝手に言い出していることであり認められない。これからも今まで通り、王政改革を含めた要求を続けるという声明を出したわけです。

これで、ピープルズパーティといっても実は1枚岩ではなく、最初に首相の辞任と議会解散、憲法改正を求めて始まったデモがいつの間にかもっと過激なリーダーたちに扇動されてしまい、内部分裂が始まっているということなのかもしれません。

しかし、こういうのを読んでいると、昔、日本でも団塊の世代やそれ以前の人達がやっていた学生運動に似ているように思えます。

私は出身が早稲田ですが、学生運動がとうに終わって世の中はしらけの時代に入っていたにもかかわらず、その頃でもまだ、法学部は民青でその他の学部は革マルとか、なんだかわからないイデオロギーの違いみたいなのでいがみ合っていたのを覚えています。

従って、日本の学生デモのことは確か中学時代でよく覚えてないし、興味もなかった世代ですが、日本の歴史が証明するように、学生運動も度が過ぎていくと、東大安田講堂の占拠や機動隊との激しい衝突があったし、今の香港でも同様の混乱が起こっています。

デモというのは長引くと最後は暴力的になっていくと思っているので、今回のデモも次第に過激なリーダーに扇動されていくのが怖いです。

平和的なデモを続けているうちに、首相が辞任を決意し、議会が解散され、王政改革については新憲法のもとで国民に選ばれた新政府に任せる、というのがベストな落としどころではないかとも思います。

もっとも、実際には、この国でそんなに民主的にことが進むはずがないというのもわかっていますが...。



タイランドは譲歩と和解の国!

譲歩と妥協の国

昨夜、CNNの王様へのインタビューがテレビで放映されていました。インタビューといってもほんの数十秒のことですが、その中で王様は英語で、"Thailand is the land of compromise"と答えていました。そして、これに対するCNNのコメントが以下です。

As thousands of protesters in Thailand demand reform to the monarchy, the King has told Channel 4 News/CNN in an exclusive interview that "we love them all the same" and Thailand is "the land of compromise" - suggesting there may be a way out of the months long political standoff
何万人ものプロテスターが王制改革を要求する中、王様はCNNに対して「我々はすべての国民を同等に愛している。そして、タイは譲歩と和解の国である」と答えた。すなわち、数か月にわたって続いている今の政治的行き詰まりに対し、双方が譲歩し和解する道があるのではないかと促した。

譲歩と和解1
昨夜のインタビューは、仏教上の儀式のために宮殿に現れた王様に対し、黄色いシャツを着た王制支持派の民衆が王様に謁見しようと集まった際に行われたものです。

現地のオンラインニュースであるカーウソットを読むと、王様は "ต้องช่วยกันเอาความจริงออกมา"(みんなで協力して真実を導き出すことが必要だ)と話したということですが、具体的な説明がないのではっきりしませんが、多分、和解により正しい解決策を見つけ出すことだ、といっているのだろうと思います。

いずれにせよ、
学生による改革派に対する政府と王制派(黄色いシャツ)の対立で、軋轢がさらに激しくなりつつありますが、コロナで経済が相当なダメージを受けた後、やっとこれから次第に回復に向かっていくかと思っていた矢先に、また新たな混乱要因が生じたことになります。

実は私の知人のタイ人が、バンコク郊外のパタナガンでタイレストランを開いているのですが、1週間ほど前、最近お客が来なくなったので、友人を連れてまた飲みに来てくれとメッセージを送ってきました。どうしたのかと聞くと、学生デモが始まってからまた急にお客が来なくなったということで、やはり今回のデモもまた庶民の経済に悪影響を与えているわけです。

さて、この記事の中で学生デモ側が絶対に譲れない3項目というのをまとめているので、参考までに以下に書いておきますが、黄色いシャツの王制派は主に3番の王制改革に対して不満を持っていて、政府は3項目すべてを受け入れられないという立場ではないかと思います。

一方、学生改革派も、唯一王制改革のところだけは協議の余地があるといっているようです。
学生たちの間には、自分たちの親が王室を深く敬愛している人も多いはずで、ここで王制改革についても一歩も譲らないというのでは意見が割れてしまいます。

従って、少なくとも学生改革派と黄色いシャツとの間では、王様がいう通り、譲歩と和解で解決できる余地があるのかもしれません。

1. พลเอก ประยุทธ์ จันทร์โอชา ต้องลาออก
2. ยุบสภา และร่างรัฐธรรมนูญใหม่
3. ปฏิรูปสถาบันกษัตริย์ให้อยู่ภายใต้รัฐธรรมนูญ
พร้อมระบุว่า สิ่งเดียวที่ควรลด คือ ความเป็นเผด็จการ เพิ่มความเป็นคนให้มากขึ้น และว่าทั้ง 3 ข้อเรียกร้องนี้ไม่ใช่ทางเลือก แต่เป็นทางเดียวที่นำพาประเทศไทยหลุดพ้นจากการเป็นประเทศกำลังพัฒนา และก้าวไปสู่ประเทศที่พัฒนาแล้ว เยาวชนและประชาชนจะสามารถมีอนาคตที่มีแสงสว่าง สามารถลืมตาอ้าปากได้อย่างเท่าเทียม สมศักดิ์ศรีความเป็นมนุษย์
1. プラユット首相の辞任
2. 議会の解散と新憲法の草案
3. 憲法に基づく王制改革
この中で幾分かの譲歩が可能なのは王制改革についてだけであるが、いずれにせよ、タイが発展途上国から抜け出し先進国へと発展していくために、そして
国民全体が明るい未来の中で人として自由に生きていくために、この3項目はなくてはならない必須のものである。




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藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

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