タイランド太平記/バンコク コンドミニアム物語

タイでの生活とバンコクの不動産投資に関する情報発信

「タイランド太平記」
タイに興味がある、タイが好き、将来タイに住みたいという人のために、タイでの生活について、ジャンルを問わず思ったままのことを書いていきます。光があれば影があるように、タイにだって悪いところはたくさんあります。そして、やはり日本の方がいい、他の外国の方が住みやすそうだ、と思う人もいて当然であり、その参考になればと思います。

「バンコク コンドミニアム物語」
バンコクの不動産投資について、今起こっていること、これから起こること、そして投資のリスクや実践方法等、筆者自身も自己資金を使って投資しながら、その試行錯誤の中で得た経験を基に投資家目線で情報発信していきます。

2020年10月

タイランドエリートカードで不動産市場を活性化?(その1)

エリートカード2
6万ユニットを超えるコンドミニアムの販売在庫、その中でも「危険信号が灯り始めたコンドミニアム市場(その2)」で書いたように、竣工しても引取り手のいない完成在庫が急速に積み上がる中で悲鳴を上げている不動産業界ですが、タイ政府に対して外国人バイヤーを増やす政策を嘆願しています。

昨年初めの頃までは、各デベロッパーはミドルクラス以下の国内実需層にターゲットを絞って、郊外で100万~200万バーツの廉価なコンドミニアムを次々と開発していたのです。しかし、そこにコロナによる経済不況が襲い、ミドルクラスの多くが失業したり収入が激減した結果、金融機関の住宅ローンの却下等でこのセグメントもさっぱり売れなくなってしまいました。

一方、もともと転売目的が多かったアッパーミドルクラスや富裕層の投資家層の間でも様子見が続いているので、国内での販売ターゲットがもうほとんどいなくなってしまったわけです。

そこで最近、「苦戦が見え隠れするザ・エッセトンロー」でも書いたように、シンハーが100社ものエージェントを使って、もう一度外国人に売り込もうとしていますが、これはどこの大手デベロッパーも状況は同じで、こうなったらもう外国人しかいないということで、一刻も早く中国人を中心とする外国人バイヤーが戻ってくるのを心待ちにしているわけです。

そこで政府も不動産業界からの嘆願に沿ったかたちで、まずは比較的裕福な会員が集まるエリートカードの保有者にコンドミニアムを買ってもらおうと検討しているようです。まだ何も決まったわけではないということではありますが、今後どんなプランが発表されるのか興味深いところです。

ちなみに、以前「政府はまたもや非常事態宣言の延長へ!(その1)」の中で、「この2か月間で、期間5年のタイランド・エリートカードを取得した人が急増したそうです。つまり、どうしても母国に帰れない、もしくは帰りたくない外国人にとって、このカードは最も手っ取り早くタイに合法的に居残ることができるライセンスだったわけです」と書きましたが、カード会社の発表によると、このエリートカード購入者で一番多かったのは中国人だそうです。

エリートカード5
さて、今回ターンセータギットに載った記事では、政府は来年のタイへの資金流入や収入増のために、次の4つの目標を立てています。

1. EECに関して外国からの投資の呼び込み
2. 外国人観光客の誘致
3. タイの不動産を買う外国人投資家に長期ビザを発行する新ルールの制定
4. 富裕層の観光客を誘致し多くの消費を促す

そこで、まずはそのとっかかりとして、エリートカード会員に対し、タイで不動産を買ってもらえば特別な権利を付与するということを検討しているとのことです。

どんな特権かは、現時点では明確ではありませんが、ゆくゆくはエリートカード会員だけでなく、
マレーシアのMM2Hビザのように、タイでセカンドホームを買った人には、長期で滞在できるビザを出すことを検討しているようで、タイに住む日本人にとっても興味深いのではないかと思います。

次回に続く

  

乾季入りしたタイはいよいよゴルフシーズン到来!

ゴルフバッグ
22日に雨季があけ、乾季入りしました。いよいよタイはゴルフシーズンの到来です。早速、駐在員の知人数人に連絡を取って、この週末に今シーズンのゴルフ初めをしようということになり、書斎のクローゼットにしまい込んでいたゴルフバッグを久しぶりに引っぱり出してきました。

ちなみに、写真の向こうに見える部屋が私の書斎で、ここで気の向くままにこのブログを書いているわけです。オンヌットのこのコンドミニアムも2012年のプリセールで買って以来、あれからもう8年になりますが、その間にオンヌットは当初見込通りに様変わりし、今は単身赴任の日本人駐在員や欧米人がたくさん住んでいます。11万バーツ/㎡で買ったので、当然含み益も出ています。

日本人はエッカマイまでしか住まないというのはもう昔のことで、そんな固定観念に執着していたら思考停止であり、不動産投資は失敗します。オンヌットの便利さがわかれば、特に単身赴任の駐在員にとっては極楽なのです。もっとも、投資先として次に面白そうなのは、ウドムスクだと私は思っているのですが...。

ゴルフ

さて、この写真がコロナ以前の最後のラウンドですが、確か今年の1月だったと思います。ちなみに、真ん中が私で両脇の2人ともオンヌットに住んでいる飲み仲間でもあります。

ところで、私はこの後、2月に日本に一時帰国し、3月5日にタイに戻ってきたのですが、3月26日からの非常事態宣言以降、ゴルフどころではなくなってしまったわけです。

そうこうしているうちに、私もゴルフ熱が冷めて面倒くさいので練習にも行かなくなっていたのですが、それ以来ですから、今週末のゴルフは9カ月ぶりということになります。

それもあって、実は昨日、ラウンドする前にちょっと練習をしておこうと久しぶりにドライビングレンジに行ってきたのです。しかし、これだけ長い間クラブを振ってないとフォームがもうボロボロになっていました。

以前は7番アイアンで120ヤード近く飛んでいたのが、なぜか100ヤードも飛ばなくなっていて、これでは女性ゴルファーにも負けてしまうとがっかりした次第です。

ところで、ゴルフはやはり腕力ではないですね。私は筋トレが趣味で40代のころからやっているので、今でも腕は太いしベンチプレスで50キロを挙げられるのが自慢なのですが、全然関係ないです。何の役にも立ちません。

今年は外国人のゴルフツアー客がタイに来られないので、キャンペーン価格で安くなったコースでゆったりと回れるのはいいのですが、バンコクの日本人駐在員には1年に50回もコースを回るという猛者も結構いて、ほとんど毎週末ゴルフをしているわけです。さすがにこういうセミプロみたいな人たちとは、実力に差があり過ぎて一緒には回れません。

私がロンドンにいたころは、日本人駐在員は仕事や家族サービスが忙しくてそれほどゴルフをしてなかったように思うのですが、タイは単身赴任者が多いし、週末、他にやることがないのかもしれませんね。

もっとも、
私はそれほどゴルフにはまっているわけではなく、どちらかというとコンドミニアムのジムでストイックに一人黙々と筋トレをしてオールアウトした後に、このコンド自慢の25メートル以上あるプールでクールダウンしながらゆっくり泳いでいる時が、いわゆるしあわせホルモンが出て一番気持ちいいのですが...。

というわけで、今回はシーズンが始まったゴルフの話をさせてもらいました。



苦戦が見え隠れするザ・エッセトンロー

エッセトンロー1
トンロー駅前のエッセの売行きが悪くて、2017年11月のプリセールから2年経った昨年末でもまだ販売率が6割弱と聞いたことがあるのですが、それが今でも7割に達してないようで、シンハーエステートのこの1年間の苦戦が透けて見えます。

コロナの影響でどこもキャンセルが出ているのはわかりますが、スーパーラグジュアリーの代表格ともいえるエッセがこんな状態では、トンロー、プロンポン、アソークで2017年以降に売り出されたラグジュアリークラスはどこも苦戦が続いているのだろうと思います。

著書でも書きましたが、2016年に始まったラグジュアリーブームは、国内実需の層が薄く
市場自体が小さかったことから、あまり長続きせず、2017年後半には既にブームは終焉を迎えつつありました。このエッセはそんな中で売り出されたこともあり、ちょっと売り出すタイミングが悪かったわけです。

また、以前「損切りが始まったLaviqは要注目!」で、トンロー駅周辺で価格的にこなれてきたLaviqの方を推薦しましたが、この中で私は以下のように書いています。

laviq3
最近、BTSの車窓から見える竣工したばかりのLaviqのモダンなルックスに興味を持ち、いろいろと調べたのですが、このプロジェクトはなかなかいいと思います。
もし、トンローで底値買いを狙っているのであれば、いよいよ引渡期限が迫り、投売りも出てきつつあるので、このLaviqはこれから要注目だと思います。
特に、トンローはこれから駅周辺や偶数側が住宅地としてのステータスを上げてくると私は思っているので、トンロー通りの奥に入って行って30万バーツ/㎡を超えるようになってしまったバカ高いスーパーラグジュアリーを買うよりも、このLaviqのある駅周辺やスクムビット36や38の方が買いだと思っています。

当時、このLaviqが20万バーツ/㎡以下で予約権の投売りが出ていたのですが、今はもう出てないので引渡し期限が過ぎたのだろうと思います。従って、もし読者の中でこの時に19万バーツ台で買った人がいれば、今でも決して悪くない投資だろうと思います。

一方、これに比べると、エッセトンローはさすがに
今の時期で35万バーツ/㎡を優に超える値段では難しいだろうと思います。上のターンセータギットに載ったインタビュー記事ではシンハーの住宅開発の役員が自信満々のようなことをいっているのですが、あれは単なるポジショントークだと思った方がよさそうです。

エッセトンロー2
実は、面白いことにThe Nationでも同じ記者会見に関する記事が出ているのですが、そんな提灯記事ではなく、この記者はプロジェクトの実態を書いているように思います。

Singha Estate plans to work with over 100 agencies to sell condos to foreigners, aiming to achieve sales of 70 per cent of units by year-end.
シンハーエステートはブローカー100社に販売委託して外国人に対してマーケティングし、ザ・エッセの販売率を70%に持っていく計画である。

Natthawut Matthayomchan, chief property development officer at Singha Estate Pcl, said that the impact of the Covid-19 outbreak had greatly reduced the company’s sales which relied heavily on foreign customers. “As foreigners are not yet allowed to enter Thailand, we are planning to invite over 100 property agencies, both big and small, to help sell our condos to foreign customers who are interested in buying condos in Thailand” .
シンハーの開発部門の役員によると、コロナの影響で、外国人購入者に大きく依存する同社のプロジェクトは売上が落ち込んだ。また、外国人は今もタイへの入国が許されていないことから、これから大小100社の仲介業者に販売委託して、外国人をターゲットにマーケティングしていくことを計画している。

Due to the outbreak the company has also adjusted the ownership transfer target from Bt9 billion to Bt4 billion. “In the first half of 2020 we have achieved over Bt1 billion worth of ownership transfer from our customers, 40 per cent of whom are foreigners” 
コロナの影響で落ち込んだ売上により、当社は今年の引渡し目標を当初の90億バーツから40億バーツに引き下げた。今年上半期は10億バーツ以上の引渡しベースの売上が達成できたが、このうちの40%が外国人購入者であった。

竣工したエッセトンローだけでも売上ベースで65億バーツのプロジェクトですが、それ以外にもエッセアソーク等もあるので、今年上半期で会社全体として10億バーツしか引渡しができてないということなのかどうかはわかりませんが...。

いずれにせよ、当初計画の90億バーツの引渡しを40億バーツと半分以下にまで下げたということなので、
資金繰りも結構大変ではないかと思います。

それとこれは余談ですが、実はこの物件のすぐ南側にフラグラントプロパティが持つ土地があります。半年ほど前に日本のデベロッパーと話していた際に、フラグラントからこの土地を買うか、どこか買いそうなところを紹介してくれといわれているという話を聞きました。既に資金繰りが厳しくなっていたのかもしれません。

フラグラントはよくスクムビット通り沿いでサークルシリーズのコンドを開発している中堅デベです。印象の薄いデベロッパーですが、確かパタヤで失敗したプロジェクトのために資金繰りが逼迫し、仕方なく4年ほど前にシンハーにこの虎の子ともいえる駅前の土地を分割して売却したと記憶しています。

そしてその残りの土地ですが、これが最近、買主が決まったのかもしれません。何でも超高層の建物がそこに建つという噂が出ているので、南側に向いている部屋はなるだけ買わない方がいいと思います。といって、西側はノーブルがあるので、東か北しか眺望が開けてないことになります。



歴史はプラユット首相を見放した!(その2)

プラユット首相2
4. Instead of reform moving forward, for all of his government's incompetence and ineptitude, Gen Prayut conspired with cohorts to perpetuate his rule through manipulation and collusion, setting up a pro-military committee to write the 2017 constitution that is the root cause of Thailand's political ailments today.
プラユット首相は改革を進めるのではなく、自身の首相としての地位を長期間維持するために、関係者と共謀して軍部寄りの委員会を組織し、2017年の憲法を制定してしまったのである。そして、これが今、政治的な問題の根源となっている。

5. Yet because of the rules his regime rigged, he kept getting away with it. The various bodies and related agencies that were supposed to act as checks and balances became tame and timid, partly because the military government stacked them with proxies while they had the chance. As a result, the vast majority of Thai people have had to put up with a dismal government and subpar economy headed by an unfit leader who seized power by force. There have been no compromises, no reform, and no less corruption and cronyism than in the past.
プラユット首相は自分の政権維持のため、本来政府の施政をチェックしバランスを取るべき機関にも人を送り込み、その機能を弱まらせた。その結果、タイ国民は力で権力を手中に収めた不適格なリーダーの下でひどい政府と低迷する経済に我慢するしかなくなったわけである。さらに、この政権が妥協も改革もしなかっただけでなく、汚職や腐敗、縁故優遇も以前と比べて少しも減っていないのである。

6.  If Gen Prayut continues to stay in office without budging, it will mean the established centres of power want to stick with him and ride out the storm at all costs, heightening risks of confrontation and potential violence. 
If he goes, the protesters will have an opportunity to negotiate and come up with a compromise that the other side can live with. The latter outcome is Thailand's best way forward because the status quo is untenable as the force of history is not on the side of those who came to power with and behind Gen Prayut.
もしプラユット首相が辞任せず権力に執着し続ければ、デモ隊との争いはますます激しく暴力的なものになる可能性がある。一方、もし辞任すれば、反政府のデモ隊は政府側と交渉を持ち、相互で妥協案を協議することも可能であるが、これがタイにとってベストである。なぜなら、歴史の力は今、プラユット政権側には味方してないからである。

私が覚えているのは、2014年5月にクーデターでプラユット首相が政権を擁立した際に、これは暫定的なもので、1年後には選挙による民主主義に基づく新政府に政権を戻すと約束していました。それが、もうあと1年、もうあと1年とズルズルと延期され、いつになったら民主主義国家に戻るのかとマスコミが叩いていたのを覚えています。

そしたら、2017年に新しい法律を制定して、自分たちの政府を合法的に作ってしまったわけです。最初は本当に1年だけのつもりだったのかもしれませんが、一度権力を手にしてしまうと、それを手放したくなくなるというのは誰でも同じなので、いつの間にか6年以上もの長期政権になってしまったというのが本当のところかもしれません。

しかも、この記事によると、月給が10万バーツのはずの首相の資産は、今では20億バーツ(70億円)にも増えているそうです。

GDP2

そして、ベトナムもカンボジアもうまくコロナを抑えながら、経済成長を続けている中、タイだけがASEANで最悪のマイナス8%成長というのでは、コロナ対策ばかり過剰にやって、不得意な経済面での舵取りに失敗している政府に対して不満をもつタイ人が多くいるのも仕方がありません。

ところで、上のBangkok Postの写真記事にあるように、昨日がデモ隊の辞任要求に対するプラユット首相の回答期限でしたが、何の返答もなかったということなので、いよいよこれからデモが激しくなってくることは間違いありません。

しかし、このチュラ大の先生がいっているように「歴史の力は現政権側には味方してない」、つまり、歴史に見放された、ということであれば、政権交代は遅かれ早かれ時間の問題かもしれません。

いずれにせよ、この問題はタイ国民の問題であり、我々日本人は所詮傍観者なので、今後激しくなるデモに巻き込まれないように身の安全に注意していく必要があります。



歴史はプラユット首相を見放した!(その1)

プラユット首相1
今朝のオンラインニュース、カーウソットによると、タクシン派のプアタイ党はプラユット首相の辞任を求めてこんな厳しい発言をするようになってきていますが、いよいよ首相辞任を巡る騒動は佳境に入ってきているような感じです。

もっとも、野党ですから極端なことをいうのは当り前であり、「インラック前首相からプラユット現首相へのメッセージ」で書いたように、前政権のインラック首相をトップとするタクシン派も別にそれほどいい施政を行ってきたわけでもないので、
そうだ、そうだとそのまま鵜呑みにするのもどうかと思いますが...。

ところで、6月に私が日本の言論サイト「アゴラ」に投稿した「コロナ制圧を自画自賛するタイ政府は韓国政府と同じ?」の中で以下のようなことを書きました。

GDP1
1. IMF今年実質GDP成長率予測タイマイナス6.7周辺アセアン諸国突出い。非常事態宣言下、都市ロックダウン県間移動規制、夜間外出禁止令外国人入国禁止という非常しい措置った結果タイ各地失業ストレス自殺者相次いだだけでなくタイ経済代償ったである。

2. 
筆者タイ政府早期非常事態宣言ったっていしい規制奏功周辺諸国コロナの危機を回避って問題非常事態宣言解除ないロックダウン夜間外出禁止段階的解除スロ一体経済犠牲である。

3. タイ知識層コロナ感染落ち着ず、いまだに非常事態宣言を解除せず、遅々ない政府経済復興急激タイバーツり、タイ経済アセアンインドネシアフィリピンベトナム追い越まう危惧てい

4. スイスドイツ感染者った対策感染コントロール経済もうていという世界2トップであ。一方、タイ政府はいつまでもコロナ感染を阻止できたと自画自賛しているが、そのせいで国の経済力が沈んでいくのではあまりに代償が大きい。政府経済的な無策がやがて国民に思い荷物を背負わせてしまうのである。

それが、ちょうど今日のBangkok Postを読んでいたら、チュラ大の政治学助教授がそれに近いことを書いていました。政治学の専門家のコメントであり、具体的にプラユット政権がこの6年間に犯してきた施政上のミスを指摘しているので、そのポイント部分をここで紹介してみることにします。

まず、「History not on the side of Gen Prayut(歴史はプラユット首相を見放した)」というその題がなかなかいいですが、内容としては以下のようなことを書いています。

学生デモ
1. He initially pledged to usher in compromise and reform, putting an end to preceding street protests led by the People's Democratic Reform Committee (PDRC). Since Gen Prayut has been in office, Thailand has seen neither compromise nor reform. There has been systemic repression and authoritarian tendencies in violation of basic rights and freedoms. 
最初、プラユット首相は反政府派にデモを収めさせるために、妥協と改革を約束したものの、実際には首相になって以後、妥協や改革など一切行われず、逆に基本的人権や個人の自由の権利を損なうような、組織的弾圧や権威主義的な施政を行う傾向にあった。

2. Economic mismanagement has been rife. For a while, growth strategies around "Thailand 4.0" and the Eastern Economic Corridor project provided some momentum but these were not pursued in earnest and are now effectively dormant.
経済運営上の施政ミスはいたる所にある。最初は“タイランド4.0”やEEC(東部経済回廊)計画などを打ち上げたが、結局、まともに取り組もうともせず、これらはほぼ中止になりつつある。

3. Poor economic performance means Thailand became the laggard in its peer group. That his government's mismanagement has squandered Thailand's economic future is the rationale behind the ongoing protests.
タイ経済の低迷は、タイにとって競合する(ASEANの)周辺諸国に後れを取ることを意味するのであり、首相の施政ミスがタイ経済の発展を遅らせ、タイの将来を考えた場合、時間の浪費となってしまっていることが、そもそも学生たちがデモを始めた理論的根拠なのである。

次回に続く



マレーシア不動産から撤退する中国人バイヤー

MM2H
中国人がタイでコンドミニアムを買い漁っていた2017年、実はマレーシアでも同様のことが起こっていました。

マレーシアは以前「東南アジアでリタイア、人気リゾートベスト3(その3)」で書いたように、中国語が通用すること、不動産価格が安くミドルクラスでも容易に買えること、そして何よりMM2Hビザに魅力があったことから、多くの中国人ミドルクラスが自己居住を目的にセカンドホームとして住宅不動産を買ったわけです。

マレーシア:
ラグジュアリーコンドミニアムは、他のアセアン諸国に比べて価格が非常に安い。しかも、マレーシアで自己居住用不売動産を購入し、かつ生活費をマレーシアで働かなくても自己資金で賄えるという証明ができれば、マルチエントリーが可能な10年間のビザを発行してもらえるというマレーシア独自のプログラム、MM2H(Malaysia My Seconf Home)があり、東南アジアでも特に人気がある。また、このビザを取れば、同伴家族についても同じく滞在許可が出る。

ところが、最近、マレーシア政府はこのMM2Hビザの発行を凍結したのです。実は昨年の9月から11月の間も、9割のMM2Hビザ申請が却下されるという事件が起こったのですが、今回は完全に凍結です。

MM2H2
政府はこのビザの廃止を正式にアナウンスしたわけではありませんが、少なくとも当面はこのビザで移住することができなくなったわけで、特に中国政府の干渉やデモによる混乱を嫌ってマレーシアに移住しようとしていた香港の中国人などは、行き場をなくしてショックを受けているという記事もあります。


マレーシア
また、英字紙The Nationによると、既にマレーシアに移住していた中国人社会に与えた影響も大きく、MM2Hの凍結で中国人の新規購入がほとんどなくなったことや、コロナの感染を恐れて中国に戻った人もいることから、中国人の多いボホールなどの住宅は値崩れを起こしているそうです

それどころか、マレーシアに見切りをつけて、購入した住宅を損切りしてでも手放す中国人も出てきているということですが、
なぜこんなことが起こっているかというと、マレーシアで不動産を買った中国人は、その生活環境やライフスタイル、子供たちの教育のことを考えて、実際に自分たちで住む目的の人が多かったからです。

一方、タイの不動産を購入した中国人は、もともと値上り益や賃貸で利回り収入を得る投資目的の人が多く、自分で住まないのでたとえ将来、ロングステイビザや投資ビザが発行されなくなっても、不動産市場に与える影響はそれほど大きくないと思います。

もっとも、タイのコンドミニアム市場も値下りが続いているのですが、マレーシアとはちょっと事情が違っていて、GDPがマイナス8%というアセアンでも最悪の経済状況や供給過剰による販売在庫の積み上りが主な原因です。


米中戦争
ところで、興味深いのは、中国人がマレーシアを敬遠し始めた理由の一つに、南シナ海での中国の勝手な振る舞いに対して、マレーシア国民が嫌中意識を持ち始めていることがあります。さらに、最近の米中摩擦もあります。彼らは最悪米中戦争が起こった場合、マレーシアは米国側につくと考えていて、その場合、彼らは敵国民となり、ここに住んでいると危ないと考え始めているようです。あまり不動産投資とは関係ないようにも思えますが、カントリーリスクというやつです。

そういう意味では、南シナ海をめぐってフィリピンやベトナムも嫌中意識があるので、中国人はたとえ自分で住まないにしても、これらの国での不動産投資は積極的には買わないように思います。

ところで、ではタイは大丈夫かというと、タイも中国側にはつかないでしょうが、この図で見てもわかるように、タイには米軍基地もないし、今のところ、特に嫌中意識もないことから、フィリピンやシンガポール、マレーシアよりも中立的な立場でいられます。

従って、中国のJuwai.comによれば、今でも中国人投資家の間ではタイの不動産が一番人気があります。
また、タイの不動産業界もそれを知っていて、中国人投資家が戻ってくるのを心待ちにしていることもあり、タイとマレーシアではかなり状況が違うようです。



危険信号が灯り始めたコンドミニアム市場(その2)

住宅引渡推移
これは、REICが出しているこれまでの竣工引渡ユニット数の推移と今後の予想で、オレンジ色がコンドミニアム、青がその他の戸建てやタウンハウス等のネーウラープと呼ばれる低層住宅です。

ここで、少なくとも2020年はあと3か月もないことから、今年の数字はほぼ予測が可能で、今後いくら年末のキャンペーンがうまくいっても限られた期間ではそう大きくは変わらないはずです。

2017国別シェア

ところで、今年竣工したコンドミニアムは3~4年前に売り出されたものがほとんどですが、当時は香港経由を含めて中国人投資家が爆買いしていたこともあり、デベロッパーもいけいけで年間6万ユニット近い大量の新規プロジェクトを売出していたのです。

しかし、今年、それらがいざ竣工引渡となって実際に移転登記がされた物件数(オレンジ部分)が2019年に比べてもかなり減っています。つまり、少なくともその差が、キャンセル等で引渡しができずに完成在庫としてさらに積み上がってしまっていると考えられます。

年末値引きセール
しかも、REICは2021年は第4四半期になると、需要が増えて市場は上向くと予想しているわけですが、コンドミニアム市場が特にコロナの第2波や外国人投資家の動向に大きく影響される特性があることから考えて、1年先の予想はあまりあてになりません。

また、以前「2021年、バンコク住宅市場は回復か大波乱か!」で書いたように、このREICの楽観的予測に対して独立系調査会社のAREAが異論を発表しましたが、どちらが正しいかは来年の半ばぐらいになってやっと先が見えてくるのだろうと思います。

ただ、REICもAREAも共通していっているのは、今は不動産市場全体に危険信号が灯りつつあるということです。

従って、今のような超大型の台風が接近しているようなときに、果敢に底値買いをするつもりで新しく購入したり、誰も買おうとしていない市場で、手持ち物件を無理に売りに出したりするのはやめておいた方がいいということだと思います。

在庫一掃キャンペーン

この絵のように、今、大手デベロッパー各社はこれでもかとばかりに年末の追込みキャンペーンを展開していますが、私には全然興味がありません。彼らの在庫一掃戦略に乗せられて買ったら、来年になってもっと大きな値引が出てきたなどということも大いにありうるからです。

同様に、住宅ローンの与信基準の緩和や税金の減免等が行なわれなければ、タイ人も積極的に買おうとはしないはずで、多分、今回のキャンペーンでも大して売れないと思います。

特にプレビルドの購入予約権などは、万が一デベロッパーが破綻したりして開発を中止してしまえば、その予約契約書はただの紙切れになって、それまでに払ったダウンペイメントも失ってしまうリスクがあります。

私は普通の個人投資家なので、不動産業者のように売買仲介料を稼ぐために、無理にそれでも買った方がいいとか、今は売った方がいいとかいう必要もありません。むしろ、嵐が去って市場が底を打ったと確信できたときに動くので十分間に合うはずだと思っています。



危険信号が灯り始めたコンドミニアム市場(その1)

販売在庫の積み上がり
年初からデベロッパー各社は販売在庫、特に完成在庫の一掃を目標に値引き合戦や、キャンペーン合戦を続けてきましたが、結局、販売在庫は増えるだけで減らなかったという結果になっています。

政府系銀行の不動産調査部門であるREIC(Real Estate Information Center)の発表によれば、大手デベロッパー各社は、年末に向けて特別値引キャンペーン等で消費者の住宅購買意欲を刺激し、販売在庫を一掃しようと懸命であるが、最悪、住宅全体の販売在庫は319,000ユニット、金額にして1.4兆バーツ(約5兆円)にも上る可能性があり、政府や金融機関のさらなるサポートが必要とのことです。

実際、今年前半はコロナの影響もあってほとんど住宅の販売が進まず、上半期の終わりで293,319ユニット、金額で1.32兆バーツ(4兆6,000億円)もの販売在庫が残ったということで、さらにその後に新規で売り出されたものやキャンセルされたものを入れると、最悪の場合、年末にはもっと増えて319,000ユニットもの販売在庫が残るという予想です。ただし、これはコンドミニアムだけでなく戸建て等を含めた住宅全体の数字です。

特にコンドミニアムの場合、この中に占める完成在庫の比率が高くなるので、デベロッパーの資金繰りを圧迫することになり、REICはこのままでは不動産業界全体が危険水域に入ってしまう可能性があるというコメントをしていて、来年の不動産市場はまさに波乱があるかもしれません。

"The key point is the government should start doing something. If the scheme proves successful, other regions can follow this path", said Chanond Ruangkritya, president and chief executive of SET-listed Ananda Development.

アナンダCEO談:外国人投資家誘致のポイントは、とにかく政府がすぐに何かを始めることだ。そして、そのスキームが正しければ、それを見たほかのエリアも後に続く


こんな状況でもあり、学生デモだけでなく、タイのGDPの1割をも占めるといわれる不動産業界からも優柔不断で対策が遅れ気味の政府に不満がたまっていて、以前、「外国人投資家誘致策、とにかく政府は何か始めるべき!」で、アナンダの社長が上のようなコメントで、外国人投資家の激減で苦しむ中、政府の無策に、まずは何か行動を起こしてくれと苦情をいっていました。

また、数日前、大手サンシリの社長もデモに対する政府の強権行使に対し、学生側を援護していましたが、実際のところは、何もしない現政府に対する不満が不動産
業界の一致した意見なのではないかとも思います。

次回に続く



タイ反体制デモ:インラック前首相からのメッセージ

アゴラ記事

2日前に書いた「インラック前首相からプラユット現首相へのメッセージ」が、タイに住む日本人からの評判が割と良かったので、加筆修正して日本の言論サイト「アゴラ」にも投稿したところ、早速今朝、載りました。

これまでにも、評判がよかったり
気に入ったブログ記事が書けたときには、こうやってちょくちょく投稿してきているのですが、こういう大きな読者層を持つ国内メディアで載せてもらえると張り合いもあります。

ただし、題名については「タイ反体制デモ:インラック前首相からのメッセージ」の方が日本の読者にはわかりやすいということで、編集者が変えてしまいましたが...。

バンコクであまり政権の批判などはできないので、ブログでは比較的やんわりと書いているつもりですが、日本のメディアなら大丈夫と勝手に判断して、これまでも本音で書いてきたつもりです。

9月11日週刊ランキング

特に、
現政権の経済無策について書いた「2021年、タイ観光産業のメルトダウンが始まる!」は、アゴラで毎日数多くの記事が載せられる中、週間アクセスランキングで1位になったほど注目され、読者からも400もの“いいね!”をもらったので、興味があればぜひ読んでみて下さい。



タイで運悪く死んだらどうなる?(その5)

セミナー
タイで運悪く死んだらどうなる?」と題して、今月初めに4回にわたって書いたのですが、今月書いた話題の中でこれが最も多く読まれています。

暗い話だし、このブログの読者の7割は日本に住む人なので、あまり人気がないかなと最初思っていたのですが、予想外に後々までアクセスが伸びて、タイでの交通事故死や病死を結構気にしている人が多いのだとわかりました。また、読んでくれた人の多くがタイに住んでいる人ではないかとも思うのですが...。

それで、これについてもうちょっと調べていくと、リタイアした欧米人が多いパタヤなどでは、自分が死んだ後のことについてセミナーを開いたりしているようです。

タイに住む外国人の内、国別では多分日本人が最も多いのですが、欧米人は大抵英語が喋れる人達が来ているので、白人というくくりにすると日本人よりもずっと大きなコミュニティがあるのだろうと思います。いくら隣国同士といっても、言葉も違うし、日本人と中国人と韓国人が同じセミナーに参加することはありませんから。

その記事を読んでいくと、もしタイで亡くなった場合、正式な遺言状がないと裁判所が遺族への相続を認めてくれず、中には2年半にもわたって裁判をした結果、やっと故人がタイに持っていた財産の遺族への相続が認められたケースとかがあるそうです。

しかも欧米人の場合、タイでの死因の一番が癌だということで、末期癌でも母国に帰ろうとせず、タイで終わりたいと考えるリタイアリーが多いようです。一方、日本人の場合、3割負担で済む健康保険制度もあるし、末期癌であってもやはり親戚や知人のいる日本で治療を受けるために、大抵の人は帰国するのではないかと思うのですが...。

それだけに、欧米人コミュニティの場合、
日本人社会よりも情報網ができていて、自分が死んだ後のことについて遺言状の作成や葬儀についてしっかり準備をするようです。

特に、タイでは亡くなった外国人の財産が比較的短期間に国に没収されることが多く、わずか数年で銀行預金が引出されていたりするそうです。従って、こちらで個人でビジネスをやっている人や、自宅のコンドミニアムを持っていたり、リタイアメントビザに必要な80万バーツや退職金等のまとまったお金をタイの銀行に貯金していたりするリタイアリーの場合、もしもの時のために、早目に遺言状を作っておいた方がよさそうです。

ところで、先日書いた、バンコクで日本人が亡くなった場合に、遺族への連絡や葬儀、財産相続の手助けをする法人をつくったという人と、先週また会ったのですが、日本大使館によると、3月下旬に始まった非常事態宣言以降、既に80名ほどの日本人が亡くなったそうです。

しかも、外国人の入国禁止により、ほとんどの遺族がタイに入国できず、葬儀にも参列できなかったとのことで、中には無縁仏として焼却処分にされてしまった例もいくつかあるそうです。また、当然、相続人が来られないことから、遺産相続についても滞っています。

遺体の空輸
このことは、他の英語のウエブサイトなどを読んでいても状況は同じようで、欧米人コミュニティの間でも、コロナに感染して亡くなるのが問題ではなく、癌等の他の病気で亡くなった人の葬儀に、母国にいる親族の誰も参列することができないという問題が出ています。

もっとも、欧米人コミュニティの場合、既にそういう場合のシステムが出来上がっていて、事前に故人が依頼しておけば、葬儀社や弁護士が滞りなく後の処理をしてくれるとのことですが...。

そういう意味では、日本人コミュニティはたとえ死亡することがあっても、遺体の空輸等一切合切、会社負担で面倒を見てくれる日本企業の駐在員が多いこともあるのでしょうが、あまりこういう面での情報がなく、どうせ死ぬのなら、やはりタイで死ぬのではなく、何とか日本の地を踏んでから死ぬ方がいいと思った次第です。



インラック前首相からプラユット現首相へのメッセージ

インラック前首相
ไม่ทราบว่าทุกท่านยังจำได้ไหม เมื่อหกปีที่แล้วประชาชนกลุ่มหนึ่งรวมกันเรียกตัวเองว่า กลุ่มกปปส.เรียกร้องให้ดิฉันลาออกซึ่งคุณประยุทธ์ จันทร์โอชา ผบ.ทบ. ในขณะนั้น ก็อยู่ในเหตุการณ์นั้นด้วยยังถามว่าดิฉันจะสามารถประคองรัฐบาลต่อไปได้ไหม
ซึ่งในที่สุดดิฉันก็ตัดสินใจที่จะประกาศยุบสภาเพื่อเปิดทางให้มีการเลือกตั้งใหม่ และประชาชนก็จะได้ตัดสินอนาคตของประเทศด้วยตัวเองตามระบอบประชาธิปไตย
วันนี้เหตุการณ์เดียวกันเกิดขึ้นกับคุณประยุทธ์ ข้อเรียกร้องของนักเรียน นิสิต นักศึกษาและพี่น้องประชาชนเรือนแสนที่ต้องการอยากเห็นประเทศเกิดการเปลี่ยนแปลงโดยให้คุณประยุทธ์​ลาออก​และแก้รัฐธรรมนูญ ซึ่งดิฉันได้ติดตามดูสถานการณ์ของประเทศไทยด้วยความเป็นห่วงทำให้ดิฉันนึกถึงตอนที่ท่านเคยถามดิฉันเมื่อ​หกปีที่แล้ว​ว่า​ดิฉันไหว​ไหมและหวังว่าวันนี้ท่านจำได้แล้วเลือกที่จะตัดสินใจโดยเร็วเพื่อบ้านเมืองจะได้สงบและเดินต่อไปได้ค่ะ

皆さんはまだ覚えているでしょうか? 6年前、PDRC(People's Democratic Reform Committee)と呼ばれるグループが私に退陣を求めてきました。そして、プラユット現首相も当時このグループの主要メンバーであり、彼は私ではこれ以上政府を維持できないのではないかと聞いてきました。
その結果、私は最終的に議会を解散し、民主主義に基づき新たな選挙でタイ国の将来を国民の意思に委ねることを決心しました。
それが今、プラユット首相も当時の私と同じ状況にあります。 つまり、学生たちや民衆が首相に辞任と憲法改正を求めてこの国を変えなければいけないと立ち上がっているわけですが、私はこの状況を心配しながら見守っているところです。
そして私は、かつて6年前にプラユット首相が私に対し、あなたでこの事態をうまく収めることができるのかと聞いてきた時のことを思い出しました。プラユット首相が今もそのことを覚えていて、今度は彼が母国のタイが平和と成長を取り戻せるように速やかな決断を下すことを期待しています。
簡単にいえば、インラック前首相はプラユット首相に退陣を促しているわけですが、昨夜、インラック氏がこのコメントをFBで書くと、瞬く間に46万人がいいねを押し、18万人がシェアし、2万件ものコメントが寄せられました。

まさにタイミングが良かったということだと思いますが、ただし、インラックさんも自分が首相だったころの問題点は棚に上げて、いいところだけ美化しているのでちょっと調子のいいコメントにも思えます。

当時のことは私も覚えていますが、2013年後半に兄であるタクシン前首相をタイ国内に合法的に呼び戻そうとしたインラック首相に対し、ス・テープ氏をリーダーとする反政府運動が起こったわけですが、当初はバンコクの一般市民もこれに賛同してデモに参加し支持していたのです。

しかし、次第にこの反政府運動が独走して過激になった結果、一般市民の経済活動にも影響を与えるようになって収拾がつかなくなり、とうとう軍がクーデターを起こしたわけです。

クーデター当時は少なくともバンコク都民の大半が、インラック政権も倒れたし、これでやっと元の平和な生活に戻れると喜んでいたのを覚えています。

実際、このことは著書でも書いていますが、クーデターで政治が安定したことを確認した香港やシンガポールの個人投資家が、2014年の終わりごろから一斉にタイの不動産投資を再開して、不動産市場でもまさにリバウンドが始まったわけですから、タイ経済にとってもあのクーデターはよかったのかもしれません。

プラユット首相
しかし、あれから6年が経ち、コロナの問題でタイ経済はアジア通貨危機以上ともいわれるほど落込み、極めて難しい局面を迎えている中、プラユット首相も今回はマスコミにこれだけ辛辣に叩かれていることもあり、インラック前首相がいっているようにその進退が問われることになるのかもしれません。



隔離検疫ってどうなの?

隔離検疫1
つい先週、同じコンドに住む飲み友達であり、週末になるとよく一緒にゴルフ練習場に行っていた知人が、7か月ぶりにやっと日本から戻ってきました。

運悪く、3月中旬に仕事で帰国していたところ、ロックダウンが始まって戻れなくなり、それ以後、ずっと日本で仕事をしていたわけです。もっとも、彼が帰国したわずか2週間後、ちょうど彼のいたフロアで感染者が出たので、ある意味ラッキーだったのかもしれませんが...。

ロングステイクラブの人なども戻ってきつつあるのですが、彼らの話でも一致した意見は、二度と隔離検疫は御免だということで、それがある限り、もう日本には帰らずバンコクに留まるつもりということです。

この知人がいうには、毎日ホテルに缶詰になり1日に40分だけ監視人が付いて敷地内を散歩できるだけで、しかも他の誰とも話すこともできず、後は部屋で仕事をするかNetflexでテレビを見るだけの毎日で、まさにインターネットさまさまだったそうです。

外の店でお酒を買ってきてくれないかと頼んでも一切聞いてくれないので、規定オーバーであっても日本からお酒とつまみをたくさんスーツケースに入れてくることを勧める人もいましたが、お酒も飲めず2週間テレビばかり見て過ごすのは、酒好きの私なんかにはとても耐えられたものではありません。

隔離検疫2
もっとも彼はまだ30代後半といいながらも、
一部上場企業の駐在員なので、ワイヤレスロードの広めのスイートルームに泊まったようで、幸いノイローゼにはなりませんでした。しかし、話を聞いていると、心の弱い人はうつ病になる可能性もありそうなので、そういう人は無理して戻ってこない方がいいかもしれません。

それに、もし私のような個人が自腹で2週間を過ごすのであれば、もうちょっと安い部屋に泊まるだろうと思いますが、それでも5万バーツプラスその他費用で7,300とあるので6万バーツ、少なくても20万円以上が個人負担になるわけです。

従って、この分では特別観光ビザが隔離検疫なしになるのはまだだいぶん先になりそうなので、今年はタイで年越しかと開き直っています。

最後に参考までに私のところに回ってきた隔離検疫経験者5人の人達から取ったアンケートがあるので、それをまとめて書いておきます。

1.空港での入国手続きは4時間ぐらいかかり、その後政府指定のホテルに移動
2.監禁状態は監獄に入れられたよう
3.食事は3食とも弁当を部屋の前に置いていくだけ
4.誰とも接触が許されず、お酒や食料の購入を頼んでも無視された
5.1日に1度ある40~50分の散歩はすべて監視付き
6.厳重で、タイでよくある袖の下を使って便宜を図ってもらえる余地などなかった
7.隔離検疫は二度と経験したくない

ただし、中にはそれほど大したことなかったという人もいると聞いているので、これは個人個人で意見がかなり違うし、多分、お金持ちは広い部屋を選ぶし、ホテルも格によっては食事などは弁当というよりもっと高級なのが出ているようです。それであれば、印象もかなり違うであろうことを付け加えておきます。



特別観光ビザ、消えた広東からの観光客の謎

STV1
これはチェンライタイムズというローカルオンライン紙の記事ですが、本当のところはわからないものの、ちょっと面白い話なので書いてみます。

さて、タイに外国人観光客を呼び戻す策の第一弾として注目されていたSTV(特別観光ビザ)ですが、このビザで最初にやってくるはずの120人の中国人観光客の受入が突然延期された件についてです。

TAT(タイ政府観光局)によれば、STVの第一陣として広東から120人の中国人観光客を乗せたチャーター便を受入れる予定であったが、STVの発行手続きが遅れていて間に合わないので、事務上の都合で急遽延期となったという説明でした。

しかし、これを受けて今度は中国のメディアが、キャンセルになったこのツアーに申し込んでいた観光客はどんな人なのかと調査したところ、広東のどこの旅行会社もそんなツアーなど組んでおらず、誰も知らなかったというおかしなことになっているそうです。

しかも、受け入れ先であるプーケットの観光協会も、プーケットのどこの旅行会社もこのツアーに関して観光客の人数や国籍、隔離検疫の宿泊予定先について、政府から連絡を受けてなかったそうです。

Authorities last month announced that a limited number of long-stay visitors would be allowed from countries deemed low risk and their trips must include two weeks of quarantine at their resort. However which countries is a mystery as no such list can be found on any government website.
政府関係者は先月、少人数のSTVビザ取得者がタイに入国するが、それは感染リスクの低い国からの観光客に限定され、しかも2週間の隔離検疫が課される、というだけで、どこの国からくるのか明らかにされず、政府のどのサイトを見ても詳細な情報が開示されておらず、謎のままであった。

従って、タイ政府は、国境さえ開けばいくらでもタイに来たがっている観光客がいるかのようにいっていますが、2週間の隔離検疫と最低90日間タイに滞在しなければならないという一方的な要求ばかりを突き付けて、本当にこの短期間で中国の広東で120人もの観光客を集められていたのか疑問なのです。

これについては「隔離検疫なしで外国人を受入れ始めた国」でも書きましたが、結局観光客は隔離検疫をなくしても大して増えなかったというモルディブの失敗例にあるように、そんな簡単に観光客は戻って来ないというのが現実なのかもしれません。

その上、TATのロンドン支店がタイ旅行に興味のある人達に行ったアンケート調査では、隔離検疫があっても行きたいかという質問に対し、わずか6%しかそれでも行きたいという人がいなかったわけですから...。





感染第2波の危機は西側国境を越えてやってくる

世界のコロナ感染1
この図は、タイのCCSAに相当する組織だと思うのですが、EUのECDC(コロナ対策センター)による、世界の感染状況に関するレポートです。この2週間で見ると、今、世界ではドイツを除く西欧諸国とアメリカ、南米がコロナの感染第2波で苦しんでいることがわかります。

また、そのドイツもこの24時間だけで6,540人もの感染者が出たということなので、そのうちイギリスやフランスと同じ色に変わるかもしれません。

特に英国では感染が急拡大しつつあり、とうとう1日に13,972人と世界でもインド(54,265人)、アメリカ(45,791人)に次いで3番目に多くの新規感染者が出るに至りました。その結果、先日、ボリスジョンソン首相が新たなロックダウンをアナウンスしたところです。

世界のコロナ感染2
また、それ以外にもフランス、イタリア、オランダ、チェコスロバキア、そしてスペインでも感染が再度拡大し始め、今後規制強化を始めるということで、EUはこれから第2波に飲み込まれていきそうです。

世界のコロナ感染3
ただし、これはある意味いいニュースなのかもしれませんが、実はタイでも上の図のように、英国の第2波感染者と死者の推移を比較して、なぜか第2波では人はあまり死ななくなっていると指摘するところが出ています。

これは日本の場合も同様で、死亡するリスクがさらに低くなってきていて、
最近のコロナウイルスは毒性が弱まっているのではないかとか、国民に抗体ができてきたのではないかいう説も出てきています。

もっとも、これもタイムラグがあるので、もう少し時間が経ってみないと何ともいえませんが、少なくともこのグラフの9月下旬時点では、英国では第2波での死者はほとんど増えていません。

世界のコロナ感染4
さて、足元のタイですが、インドで急速に感染が広がり、今では1日の感染者数が54,000人とアメリカを抜いて世界最多になっていますが、それが隣のバングラデシュへ、そしてミャンマーへと東に向かって広がってきています。

ミャンマーではタイのような規制を行なってこなかったことから、ここにきてバングラデシュからの感染が広がり、10月9日だけで感染者数が1,461人と急増し、累計で23,906人にもなったとのことです。

そこでタイ政府も国境警備を強化していますが、しかし、仕事を求めて出稼ぎのために越境してくるミャンマー人を、100キロ以上もある国境線すべてで監視するのは不可能なのではないかとも思います。

ところで、現時点では、タイは東側のカンボジアやベトナムにとってはありがたい防波堤の役目を果たしてくれていることになります。カンボジアではほとんど感染者がおらず、経済も悪化しているとは聞いてないし、ベトナムも経済は好調のようで、海外からの投資も増加中ということなので、タイが貧乏くじを引いてしまったかのようにも思えます。これも、地理的に運が悪かったというしかありませんが...。

私は、本来不動産市場に関するブロガーなのですが、先日も「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」で書いたように、今はタイの不動産市場の先が全く読めないので、様子見を決め込んだ方がいいと思っています。

その理由の1つが、コロナの第2波でタイ経済が再びロックダウンに入るようなことが起これば、それこそ不動産市場は底が抜けてしまい、アジア通貨危機の時のように破綻して途中で建設が止まってしまうプロジェクトもたくさん出てくると思っているからです。

もっとも、第2波が来ても先の英国の例のように、ほとんど死者が増えないという結果になれば、今度は逆に、そろそろ底値買いのタイミングが近いということになるのかもしれませんが...。



そろそろタイバーツは売りのタイミング?(その2)

ドルバーツ5

ところで、これは投資家のジム・ロジャースが日本人にこれまで何度もアドバイスしていることですが、「日本円資産だけでなく、もっと外貨資産を持つべき」というのには私も賛成です。

しかし、外貨資産とはいえ、今のタイバーツでいいのかといえば、私は基軸通貨である米ドルのような安心感はないと思います。特に今回のコロナによる景気悪化で、タイの2020年のGDPはタイ中央銀行で8%、カシコンリサーチなどは10%のマイナス成長になると予想している中、「タイのGDP収縮は世界でワースト3(その1)」で書いたように、これは世界でも最悪のレベルです。

従って、今のようなバーツ高というのは、そう長くは続かないのではないかと私個人は思っているし、一方で
アメリカ経済は次第に回復が見えてきつつあることもあり、今はタイバーツを売って米ドルへシフトするチャンスではないかと考えています。

また、私の場合、本来はバンコクでの不動産投資が主な収益源なのですが、「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」で書いたように、今回の不動産不況は相当深刻で、ほとんど先が読めない中、市場回復にまだかなりの時間がかかると思っています。

従って、タイで再投資することはしばらくないと考えているので、今はとにかく
将来のバンコク不動産の底値買いに備えて、昨年売却した投資物件の売却資金を米ドルに換えて海外で定期預金にして運用しています。

東南アジアの場合、それでも5%の預金利息が付くので、今のような不動産市場の潮目の変化がなかなか読めない投資家にとっては、バンコクで不動産投資をするよりも安全かもしれません。

ドルバーツ1

ところで、日足ベースでのドルバーツの動きを見ると、ここ半年ほどボックス圏に入っているように見えるのですが、10月10日にバーツが急騰し、米ドルが一気にボックス底値圏まで売られました。

私自身は、先に書いたようにそろそろドル高バーツ安が始まるのではないかと考えるようになっていたので、様子を見てもっとタイバーツから米ドルにシフトするつもりだったこともあり、すぐにオンラインで手持ち資金の一部を米ドルに換え、海外にある米ドル定期預金口座に追加で送金したところです。

ただし、為替相場はどんなトレーダーでもしょっちゅう予想が外れるし、不動産市場の先を読むよりもはるかに難しいので、案外、さらにバーツ高が進む可能性も大いにあります。

もっとも、外国人がタイで不動産を買うには「購入代金の全額を海外から外貨で送ってきた資金で支払わなければならない」というルールがあるため、私の場合は、将来の再投資に備えていずれにせよ一旦資金を海外へ移動しておく必要があるという裏事情もあって、米ドルに換えて運用しているのであり、無理して余計なリスクを取る必要のない年金生活者やリタイアメントビザでセカンドライフを過ごしている人にはお勧めしません。



そろそろタイバーツは売りのタイミング?(その1)

ドルバーツ3

つい先日も「中国人投資家が投げ捨てたキャンセル物件が続々と…」と題して外国人、特に中国人投資家による、バイジョーングと呼ばれるコンドミニアム購入予約権のキャンセルが積み上がってきていると書いたところですが、その理由は物件価値の値下りだけでなく、為替にもありそうです。

このグラフは昨日時点のものですが、中国人がタイの不動産を爆買いしていた2016年から2017年当時に比べて、今の人民元はタイバーツに対して1割から2割下落しています。

従って、今ここでデベロッパーから竣工引渡しを受けてしまう、つまり75%の残金を今の為替レートで一括支払いすると、物件の値下りだけでなく、
将来人民元高が始まれば大きな為替差損をも被ってしまう可能性があるわけです。つまり、物件価値が2割下がって為替差損も2割なら、単純計算で4割もの損になります。

これではなかなか損を取り戻すのは難しいだけでなく、まだ値下りが続く中、不動産市場の底が見えてない今は、ダウンペイメントを捨ててでも傷口がさらに広がるリスクを避けて、売買契約を解約した方がよいと考える中国人投資家は多いはずです。

特に最近の中国経済は、鉄鋼の国内需要が増えて輸出に回さなくなりつつあるという報告も出ているように、順調に回復が進んできているようで、今後は次第に人民元高になるのではないかと思います。

ドルバーツ4

一方、これは日本人投資家にとっても為替差損という意味では同じなのですが、ただし、日本円が無茶苦茶に高かったのは1万円を4,000バーツ以上で交換できた2012年初めまでです。

しかし、当時プレビルドで不動産を購入した人は、2015年前後に竣工引渡しを受けているので、今回の大量キャンセルには関係がありません。むしろ、クーデター後に始まった急激な価格高騰で、含み益が出ている可能性もあります。


今、引渡しに応じずキャンセルが続出しているのは、大半が2017年前後にプリセールで売り出されたプロジェクトです。従って、その頃にこういった物件を買った日本人投資家にとっては、当時の交換レートである0.31から0.34バーツから見れば、為替変動はほとんどゼロか最大でも1割程度であり、やはり不動産市場の下落が主なキャンセルの理由だろうと思います。

次回に続く




瀕死状態の全米映画館、タイは大丈夫?(その2)

映画館2
しかし、興味深いのは、アメリカでは興行成績がボロボロの状況なのに、日本と中国の映画館はコロナの影響から既に立ち直り、今は観客動員数もほぼコロナ以前に戻って好調ということです。

この違いはなぜかというと、コロナで多くの死者が出ているアメリカと、なぜだかわかりませんが、感染しても致死率が低い日本や中国では、密閉空間である映画館に対する不安感が違うそうで、アメリカ人は感染が怖いので今も映画館を避けているということが書いてありました。

従って、ハリウッドが新作映画の制作を見送ったり、大作の封切りを延期する中、日本映画と中国映画が元気で、映画産業においてもコロナを機にハリウッドからアジアへと潮目が変わりつつあるのかもしれません。

しかし不思議なのは、同じアジアの国で、しかも国内感染者ゼロ状態が長期間続く極めて安全な国であるにもかかわらず、タイでは以前のようには映画館に観客が戻ってないのです。

安い料金で楽しめる娯楽として、映画はむしろ不景気の時に人気が出るといわれているので、私が思うに、これはいつまでも解除されない非常事態宣言「政府はまたもや非常事態宣言の延長へ!(その2)」が一因なのかもしれません。やはり、国家の「非常事態」などといわれると、心理的に映画など見にいってる場合ではない、と考える人も多いのではないですかね...。

800
さて、話は変わりますが、その好調の中国映画で、今週封切りされた大作「ザ・エイトハンドレッド」という戦争映画があります。上海に攻め入ってきた憎き日本軍に対し、わずか800人の中国軍が徹底抗戦するという涙と感動の物語だそうです。

中国では大ヒットしたようですが、
日本人が悪者の映画なので、多分、日本では上映されないのではないかと思います。また、中国でこれを見るのであればちょっと落ち着きませんが、親日国のタイでなら気にはなりません。

私も見に行くつもりですが、タイではCBDのアソーク・ターミナル21のような最新設備の劇場でも、水曜日ならわずか150バーツ(500円)で見られるのですから、映画好きにはたまりません。

ただし、中国映画なので
中国語がわかる人はいいですが、そうでなければタイ語と英語のダブル字幕のうち、少なくともどちらかが読めないと、いくら戦争映画といってもちょっと厳しいかも...。



瀕死状態の全米映画館、タイは大丈夫?(その1)

映画館1
タイは暑い国だけあって、余暇を寒いぐらいにエアコンが効いた映画館で過ごす人がたくさんいます。この寒さが贅沢でいいのだそうですが、タイ人の知り合いでも映画が趣味という人は結構いて、時々映画の話で盛り上がったりもします。

私も昔から映画は大好きで「タイ人も実は英語はすごく苦手(その1)」でも書いたように、ほぼ毎週見に行っているし、面白そうな映画がまとまって封切りされたりすると、週に2回、3回と行くこともあります。

オンヌットに住んでいることもあり、以前は徒歩3分で行ける駅前のセンチュリープラザというシネコンでよく見ていたのですが、
政府のコロナ規制が解けて6月1日から映画館も再開していいことになったにもかかわらず、ここはいまだに閉館したままです。

しばらくは観客も来ないだろうからやるだけ赤字、ということで閉めたままなのだろうと思いますが、ここでも10人以上は働いていたので、今もみんな失業したままです。今のバンコクはこんな感じでまだまだ景気は悪いのです。

さて、それもあって、最近、私は
アソークのターミナル21か、エッカマイのメージャー・スクムビット、たまに買い物に出たついでにサムローンのメージャーに映画を見に行くのですが、どこもガラガラ状態なのです。封切りしたばかりの映画でも、週末でせいぜい20人から30人くらいしか観客がいないように思うのですが、ウイークデイに至っては私一人だけということもあります。

映画ファンだけに、これで本当に大丈夫なのかと心配になりますが、「ハードアセットがダメなら株式市場で不動産投資(その3)」のリストにあるように、カシコン銀行リサーチが、ワクチンができたら急回復する銘柄として推奨しているのが映画館数でトップのメージャーです。

実はその子会社の不動産デベロッパー、メージャーデベロップメントもかなり資金繰りが厳しいのではないかと個人的には思っているのですが、前回書いたノーブルなどに比べると親会社が資金力があるだけに、さすがに破綻はないだろうと思っていたのですが...。

映画館3
ところが、映画の本場であるアメリカでは、全米2位の映画チェーンであるリーガルシネマズが、今週木曜、536もの映画館を全部閉めてしまいました。これで4万人の失業者が出ると同時に、多くの話題作や大作の上映が先送りされることになったとのことですが、それだけコロナによって密室である映画館に観客が来なくなっているということです。

ちょうど今、バンコクの映画館でも上映されている話題作「テネット」が当初の期待を大幅に下回る興行成績となった結果、こんな状況では採算が取れないということで、大手映画配給会社はジェームズボンドやバットマン、デューンなどの話題作や大作の封切りを、来年以降に延期するようです。

次回に続く



2021年、バンコク住宅市場は回復か大波乱か!(その3)

完成在庫予測
ところで、この表を見るとAREAの調査では、現在の販売在庫である90,486ユニットの内、2020年には22,622ユニットが竣工します。今の販売不振だけでなく既契約のキャンセルも続出する中、2019年以前に竣工している在庫と合わせて約29,000ユニットもある完成在庫が、年末までの半年で急激に減ることは思えず、2021年に入っても依然2万ユニット以上が完成在庫として残っていると思います。

そして、2021年にはさらに28,051ユニットが竣工します。「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」で書いたように、REICも2021年は依然販売在庫が増え続けると予測していますが、完成在庫もさらに増えることになります。

しかも、この表には今後新たに売り出される新規プロジェクトは入っていないので、それらを含めると、実際には2022年と2023年に完成するユニットはもっと増えます。

従って、
AREAが指摘するように、販売在庫ユニット数を正しく把握して新規供給を抑制させなければ、いつまでたっても供給過剰の問題は解決されず、市場回復はさらに遅れることになります。

ところで、先のREICの予想では、販売在庫は増え続けるものの2021年末には住宅市場は回復し始めるというのですが、デベロッパーにとって最も資金負担のかかる完成在庫が増えるにもかかわらず、市況が回復するというのはどうも納得がいきません。

やはり、不動産市場が回復を始めるのには、早くても2022年以降のように思えるし、むしろ、AREAが指摘するように、今も市場が低迷する中、今後さらに一段と市況が悪化するようなことが起これば、途中で開発がストップしてしまうプロジェクトが出てくる波乱もあるという話の方が説得力があるように思います。

タイの住宅不動産の位置

とはいうものの、タイはやはりアセアンの中ではその経済規模や地理的な観点からハブともいえる国であり、その首都バンコク不動産の投資対象としての魅力は、不動産投資で最も重要な指標である平米単価、利回り、そして過去の上昇率を周辺各国と比べた場合にバランスが取れていることだと思うのです。

すなわち、バンコクはデベロッパーによる供給過剰という大きな問題を抱えているものの、国内需要だけでなく外国人需要も大きいので、今後供給を抑えていけば解決できますが、香港やシンガポールのように平米単価が既に高すぎる、カンボジアのように利回りはそれなりに高いものの、経済規模が小さいので不動産市場の規模も小さくて脆弱などと考えていくと、個人投資家にとって、比較的安定したアジアでの適格な投資対象国はある程度限定されてきます。

そこで、これはという投売物件を見つけた場合、底値買いをするのは悪くないとは思うのですが、今の状況では、できれば完成物件を買った方がいいし、開発途上のプロジェクトの購入予約権を買うのであれば、ほぼ竣工が近づいているコンプリーションリスクの小さいものを選ぶべきです。

また、いくら安くても資金的に体力のない中小デベロッパーは、苦しくなってくると手抜工事をしたり施工不良に対するアフターフォローもしなくなるので、評判のいい大手デベロッパーのプロジェクトに絞った方がよさそうです。


もっとも、こんな状況では先が全く読めないこともあり、やはり今は特別なチャンスにでも出会わない限り、無理せず来年までは何もしないことを私はお勧めしますが...。



2021年、バンコク住宅市場は回復か大波乱か!(その2)

販売の内訳
ちなみに、コンプリーションリスクについてですが、日本では国交省がプレビルド、つまりオフプランを認めてないので、購入者がデベロッパーに払った手付金はすべて保全され、こういうリスクはありません。

しかし、これに慣れていない日本人はよく違いがわからないと思いますが、プレビルドとは完成しないリスクであるコンプリーションリスクを取って割安に予約権を買う完成物件の先物買いです。つまり、デベロッパーの開発リスクを一部負担して開発に協力するわけですから、プロジェクトが破綻し中止になってからそんなことは聞いてないといっても仕方がないので注意が必要です。

まさに今起こっているように、最初に割安に買ったからといっても竣工引渡しまでに必ずしも値上りするとは限らず、数年前に値上りを狙って多くの投資家達がプレビルドの購入予約権を買ったものの、市場悪化で値下りした結果、泣く泣く切り捨てることも起こりえます。

この場合、デベロッパーは購入者のダウンペイメントを差し押さえて収益にできるのでまだいいですが、今のように最初からあまり売れなかった場合など、銀行が途中で開発ローンを止めてプロジェクトが破綻してしまうこともあるわけです。

そこで、開発中止によりダウンペイメントを失うことを防ぎたければ、AREAがいっているようにエスクロー口座といってデベロッパーが勝手に引き落とせない口座にダウンペイメントを積むのが安全ですが、政府が動かなければなかなかそうもいきません。

従って、自己居住目的の住宅を買うタイ人には用心深くて完成した物件しか買わない人もたくさんいます。完成物件には日照や通風、間取りの確認、施工面で隅々まで内部をチェックできるというメリットもあります。実際、私もこれまでにバンコクで6物件に投資してきましたが、そのうち、プリセールで買ったプレビルドは3物件で、他の3物件は築浅中古でした。

次回に続く



2021年、バンコク住宅市場は回復か大波乱か!(その1)

AREA対REIC
これは最近、不動産調査鑑定会社のAREA(Agency for Real Estate Affairs)が発表した、現在及び将来のタイ住宅市場での販売在庫に関する予測ですが、政府銀行系の調査機関であるREIC(Real Estate Information Center)が出している数字と比べると大きく違っています。

特に、2020年半ば時点での販売在庫数については、AREAの384,000ユニットに対し、REICは293,000ユニットと24%も少ないのです。その結果、REICの数字は今の過剰供給の問題を過小評価しているため、関係者をミスリードしてしまう危険があるというのがAREAの主張です。

AREAは全てのプロジェクトを調査していったようで、その数字には相当な自信を持っているみたいですが、政府や銀行、デベロッパー等が市場の実態を正しく把握していなければ、もっと販売在庫の処分を促し、新規供給を抑えるべき時に、その判断を狂わせてしまうリスクがあるというわけです。

もっとも、政府系のREICとしては、あまり問題を大きくしたくないということでバイアスがかかっているのかもしれませんが...。

一方、金額ベースでは、今年末及び来年の販売在庫ついて逆にREICの方が多くなっていますが、これはREICが使っている住宅平均価格が140,700ドルと非常に高く、AREAが実際に調査した平均価格117,064ドルより2割も高いのが原因の1つであり、もう一つはREICはデベロッパーが今後も新規プロジェクトの開発を減らすとは想定してないからということです。

販売在庫
そして、何より心配なのは、現時点でのコンドミニアム開発進捗状況です。AREAによれば、コンドミニアムの開発で、既に8割以上完成しているプロジェクトは、大きく市場が崩れても完成させてしまった方が得なので、途中放棄のリスクはあまりないものの、例えばまだ開発が始まったばかりのプロジェクトは、今後市場がさらに悪化したりすると、途中で中止になる可能性があるということです。

例えば、この表の中で現在の販売在庫である90,486ユニットの内、実に22,704ものユニットがまだ全工程の2割以下しか開発が進んでいない初期段階です。従って、9,002ユニットが2022年に、14,478ユニットが2023年に竣工予定であり、もし来年にコロナの第2波等で更なる市場混乱が起これば、建設途中で放棄されるプロジェクトが出てくる可能性があるということです。

コンドミニアムというのは1軒ずつ建てていく戸建て開発などと違って、一旦着工すると全体が竣工するまで工事を止められないので、市場悪化や売れ行き不振で銀行に開発ローンが止められた場合など、途中放棄ということも起こります。実際、1997年のアジア通貨危機の時には、完成されないまま放置されてしまったプロジェクトがいくつもありました。

こうなってしまうと、購入者にはそれまで払ったダウンペイメントは戻りません。これをコンプリーションリスクというのですが、プレビルドにはつきものです。そこでAREAは、最悪の場合に備えて、購入者を保護するためにエスクロー制度の導入を主張してもいるわけです。

次回に続く

中国人投資家が投げ捨てたキャンセル物件が続々と…

外国人のキャンセル2
最近、不動産仲介会社のREMAXが外国人投資家向けと題して、Foreign Quota(略称FQ)物件の特別セールを始めました。外国人が購入していたキャンセル物件の特別セールなのかもしれません。

ノーブル、サイアミーズ、スパライの3社のデベロッパーから特別委託されて売っているようですが、ノーブルとサイアミーズは今、外国人だけでなく、タイ人からもかなりのキャンセルが出ているようなので、これまでにこのブログでも書いてきたように、結構資金繰りが厳しいのではないかと思います。

スパライだけは大手の総合デベロッパーであり、そういう問題はないと思いますが、このオリエンタルというプロジェクトは25階建が2棟、35階建が2棟と規模が非常に大きいだけでなく、スクムビット39の日本人が特に多く住むエリアということで、2017年のプリセール時には中国人投資家が多く買っていましたが、そのFQのキャンセルが多いのだろうと思います。

外国人のキャンセル1

さて、ここで売り出されているプロジェクトを見ると、これらの多くが2018年後半から始まったコンド市場のダウントレンドにより、最初のプリセール価格より今の市場価格の方が下回っているように思えます。

今のようなマーケット下落時は、タイ人の実需がメインである郊外プロジェクトの方が底堅く、むしろ外国人の投資対象であったプロジェクトの方が値下りも大きくなる傾向にあります。

例えば、ノーブルプルンチットは第一期のものはまだいいですが、最終期のものは20万バーツ/㎡を超えていました。しかし、今の市場価格はそれを割り込んでいるので、そういうのがデベロッパーの販売在庫として売れ残っているのではないかと思います。

また、今も覚えていますが、販売開始と同時に即日完売したノーブルリコールは、平均18万バーツ/㎡がプリセール価格でした。しかし、これも新築未入居とはいえ、今の市場価格はこれ以下に落ちているように思います。従って、そのすぐ隣に開発されたノーブルBE19にいたっては、プリセール価格が22万バーツ/㎡前後だったので、これを買った人にはかなりの含み損が出ているはずです。

今回の特別セールが本当に安いのかどうか調べてないのでわかりませんが、デベロッパーが自分で売らずに外国人に限定してエージェントに販売委託するということは、値引が大きいので既存の買主からのクレームを恐れてのことかもしれません。

本来なら、このようにプリセールを下回るぐらいまで価格が落ちてきたら、そろそろ底値買いで入っていくべきなのです。しかし、GDPのマイナス幅でいえば、タイの不動産市場崩壊で始まった1997年のアジア通貨危機をも超えた今回のコロナ不況は、全く先が読めません。

10月から政府が始めた特別観光ビザも、これでもし感染が広がればまたロックダウンや感染2次波が始まる可能性もあるので、コンドミニアム市場も大きな影響を受けます。

それもあって、今は完全な買い手市場であり、いくら安くしても売れなければ市場価格はもっと低いことになり、特に中古物件の相場は闇の中というのが実情です。

2017国別シェア

いずれにせよ、これらのプロジェクトには、2016年から始まり2017年にピークを迎えた中国人投資家の爆買いで買われた物件が多く、その分キャンセル物件も多いはずです。

タイ人の場合は最初は投資で買っていても、うまく転売ができなければ自己居住に切り替えることができるので、ダウンペイメントを捨てて損切りするのを避けようとする人も多いのですが、中国人バイヤーは基本的に投資目的だけなので、今も続くダウントレンドの中、どこまで価格が落ちるかわからない空室物件を抱えたまま長期間塩漬けにするよりも、さっさとダウンペイメントを切り捨てて撤退し、次のチャンスを待つという人が多く、この時期に中国人に買われた物件は、特にキャンセル比率も高くなります。

ちなみに、私が年初に上梓した著書「バンコク不動産投資 2020年度版」では、今年は底値買いのチャンスが来ると書きましたが、その後、想定外のコロナ不況が不動産市場を直撃し、その予想ははずれてしまいました。

そこで、先日「不動産投資、少なくとも今は「休むも相場なり」が一番」でも書いたように、今の私は、買うのも売るのも無理して動かないのが一番、つまり「休むも相場なり」で少なくとも今年いっぱいは様子見を決め込むのがベストだと考えています。

では、次回は独立系のAREAが、前回ここで書いた「来年末には市場が回復するが販売在庫は増え続ける」という政府系の調査機関であるREICのデータや予測について、恣意的だと真っ向から反論している最近のレポートについて書いてみます。

AREAはこれからのコンドミニアム市場でプロジェクト破綻の危険性や市場回復の予想について書いているのですが、私もどちらかというとこっちの話の方が真実味があると思っています。

タイで運悪く死んだらどうなる?(その4)

高齢者3

さて、前回4つの心配ごとを挙げましたが、これについて私もいろいろと質問してきた結果、分かったこと、疑問に思ったことを書いてみようと思います。

1. 葬儀はどうすればいいのか。特に一人暮らしの場合、どうなってしまうのか。
 亡くなった場合、駐在員であれば、会社負担で棺桶ごと航空便で日本に運ぶこともあると思いますが、費用的にも現実的ではありません。この会が現地の葬儀社に依頼して荼毘に付し、お骨を受取ることになります。
 また、もし日本から誰もお骨を引取に来ない場合は、チャオプラヤー川に散骨するそうです。

2. 日本に住む親族に自分の死をどうやったら知らせることができるのか。
 当然、この会で会員が指定している日本の連絡先に訃報を届けてくれ、その後の葬儀の準備もしてくれます。
 ただ問題は、コンドミニアムなどに住んでいる一人暮らしの人が孤独死した場合、長期間、誰にも発見されない可能性があります。この会でも会員の生存確認まではやらないので、もしもの場合には、この会に連絡がすぐにいくしくみを自分で工夫する必要があります。

3. タイにある現預金や株式等の金融資産、そして自宅等の固定資産の売却や相続。
 タイで死亡した場合、休眠してしまった口座のお金や財産は割と簡単に没収されると聞いていたので、私はここに一番関心がありました。
 ところで、現預金や投資信託、株式等の流動資産は比較的簡単に相続できます。実際、日本にいる相続人にATMカードを余分に作って予め渡しておいたり、インターネットバンキングのパスワード等を教えておけば、面倒な法的手続きを踏まずに、相続人の口座にお金を移すことが可能で、ネットバンキングなら海外送金も可能です。
 また、そういうのは先に勝手に引き下ろされてしまうリスクがあるので嫌だという人は、正式に弁護士を使って法定相続人である証明を取れば、現預金だけでなく不動産も相続人が受け取れます。
 ちなみに、私は不動産の権利証や日本円を保管するために銀行の貸金庫も借りていますが、法定相続人の証明を持ってくれば、これも相続人が開けることが可能とのことです。
 ただし、こういう一連の弁護士費用として30万バーツほどかかるそうですが...。
 さらに、私は利回りがよかったころにタイの生命保険にも入っているのですが、その保険金の受取人は日本にいる子供です。しかし、その保険金の受取り手続きにも外国人の場合、弁護士にやってもらった方がいいので、そういった弁護士の紹介等もこの会で手助けしてくれます。
 もっとも、不動産の場合、日本の相続人のほとんどは、タイの不動産などは売って処分したいと思うはずです。しかし、タイでは「出口」、つまり売却がもっとも難しく、特に最近のような完全な買い手市場では、ブローカーや買い取り業者に破格の安値で売られたり、買い取られたりするリスクがあるのですが、残念ながら、この会ではそういう手の込んだことまでは面倒を見てくれません。
 また、以前、このブログでも書きましたが、私は海外で米ドルの定期預金をしています。タイに住むリタイア組の人で、シンガポールや香港等、東南アジアで海外口座を持っている人もたくさんいると思いますが、残念ながら、そういうのも面倒を見てくれません。

4. タイ人と結婚している人の場合、どうやれば遺族年金を受給できるようにしてやれるのか。
 フィリピンに旅行した時も、フィリピン妻に遺族年金を受け取れるように手続きをしてくれる会のようなものがありました。やはり外国人の伴侶がいる日本人には、自分が急死した場合に備えて、ちゃんと準備ができてない人が多いのだろうと思います。
 従って、タイ人と結婚している日本人にとっては、この会が専門家を使って遺族年金受給の手助けをしてくれるというサービスは、非常に心強いと思います。


簡単にいえばこんなところですが、互助会的な組織なので会費も14,000バーツの一回だけの支払でありながら、15万バーツ(約50万円)かかる葬儀も無料で出してくれ、しかもタイにいる間は期限なしで有効だそうです。また、それ以外に預託金もありますが、これは日本に帰る等で退会する際は返金されるとのことです。

既に70代になっている一人暮らしの人にとっては、75歳以降は入会不可ということもあり、今のうちに16,000バーツの預託金を含めて最低30,000バーツで、もしものときの安心が買えると考えれば魅力はあるのではないかと思います。

一方、私のようにまだ60歳そこそこであれば、車の運転もしないし交通事故に会わなければ、まず突然死はないだろうと思うので、この会が軌道に乗った頃に遅ればせながら入会するのでもいいかな、と思った次第です。

タイで運悪く死んだらどうなる?(その3)

リタイアメント1

従ってここでは、現在タイでハッピーリタイアでロングステイしている高齢者が抱える共通の心配ごとについて以下、挙げてみました。

1. もしもの場合、葬儀はどうすればいいのか。特に一人暮らしの場合、どうなってしまうのか。

2. 日本に住む親族に自分の死をどうやったら知らせることができるのか。

3. タイにある現預金や株式等の金融資産、そして自宅等の固定資産の売却や家族への相続について。

4. タイ人と結婚している人の場合、どうやれば遺族年金を受給できるようにしてやれるのか。

私も以前、このブログで「不動産投資で老後をタイで暮らす方法」や「リゾート」でリタイアメント生活の過ごし方についていろいろと書いてきたし、実際に自分でも日本から相当の資金を送金していくつもの不動産投資をしてきたのですが、こういうもしもの場合のことを考えると、どうやったら子供に海外にある財産を円滑に相続させてやれるのかと、海外に住むことの不安や怖さについても考えるようになっていたところでした。

次回はこのそれぞれの課題について、その知人が新しく始めた互助会的な仕事がどう対応しているのか、また、その問題点について書いてみますが、この事業自体はまだ始めたばかりなので、この先どうなるのか私にもわかりません。

従って、このブログで
別に入会を勧誘しているわけではないので、怪しげだとか、信用できないとかいう評論家のようなコメントも要りません。また、私も法人名や連絡先をここで書くつもりはないので、興味のある人には別途メールをもらえば教えますが、そんなことを始めた人がいるということで、読み流してもらえばいいだけです。

ところで、話は変わりますが、最近「政府はまたもや非常事態宣言の延長へ!(その1)」の中で、ビザの関係でエリートカードが売れていると書いたところです。このカードはタイにビザなしで住めるという特典以外には、持ち主の自尊心をくすぐるだけの空港からの車での送り迎えやイミグレでのファーストトラックといった特典がついているのですが、私にとってはそんなのはどうでもいいようなことなので、今はこのカードのメンバーになっていません。

しかし、エリートカードは実はリタイアした高齢者に向いているカードでもあり、交通事故にあって亡くなっても、エリートカードを持っているのがわかれば警察からカード会社に連絡することで無縁仏にならないという保証が付いていたり、上の4つの心配ごとの面倒を見たり、手助けをしてくれるという有益なコンサルティングサービスが付加されれば、もっと多くのリタイア組の人達がメンバーになるのではないかとも思うのですが...。

何しろ、タイ政府が、自分たちがもしタイで死んだ場合、葬儀や相続で日本の親族を手助けしてくれるというサービスがあれば、全く安心してタイに住めるわけですから。

そんなときに、タイで亡くなった人の葬儀の手配をしたり、円滑な財産相続の手助けや遺族年金手続きをしたりする共済会をつくったといういう知人がいたので、興味を持ち話を聞きに行ってきたわけです。

次回に続く

タイで運悪く死んだらどうなる?(その2)

高齢者1
さて、タイにいる企業駐在員以外の日本人といえば、「沈没組」と呼ばれるような特殊層を除けば大きく分けて、現地採用で働く現役組とリタイアメント組です。

その中で、仕事で出歩くことが多い現役組の人の方が、交通事故に巻き込まれて死亡するリスクは高いのかもしれませんが、昨年の厚労省の統計によると日本人の死亡者は9割近くが65歳以上の高齢者です。

特にタイに限れば、子供や20代の若い世代の日本人比率は低いので、リタイア組高齢者の全体に占める比率はもっと高いはずです。つまり、タイで病死する日本人はほとんど全員が高齢者と考えていいと思うのです。

高齢者2
また、年齢が高くなればなるほど病死するリスクが高くなるのは当たり前のことですが、中でも、この円グラフの中で赤枠で囲った死因が突然死となる可能性があるものです。

「その他」で入っている自殺等を除いても、これらだけで34%あり、タイにこれからも長く住もうと考えているリタイア組の人たちにとっては、約3分の1の人が将来、事前に準備ができないまま倒れてしまい、入院や手術のために日本に帰ることもできないまま、現地で亡くなってしまうリスクがあるわけです。

大分昔のことですが、日本の医者数百人に癌で死にたいか、血管系で苦しまずポックリ死にたいかアンケートを取ったところ、大半の医者が癌で死ぬ方がいいと答えていたのを覚えています。その理由は、医者なので癌の苦しみや痛みはよくわかっているものの、それでも子供や家族に残すものは残し、ちゃんと自分の人生の整理をしてから死にたいと思うからということでした。

当時、まだ30代後半であった私は大してお金もなかったし、そんなものかと他人事のように思っていたのですが、今は私も60歳を過ぎ、あの頃の若さはなくなったけど、その代わりにそれなりに資産を持つようになってみると、なるほどとわかるのです。そして、無縁仏で死んでしまうなど論外の話だと思うのです。

次回に続く

タイで運悪く死んだらどうなる?(その1)

交通事故死
昨日、最近、アソークにオフィスを構え、新しい人助けの仕事を始めたという人と会ってきたのですが、その事業内容の説明を受け、このブログでも取り上げてもらいたいということなので、少し書いてみることにします。

この人とはよく一緒に飲んだりして人柄はわかっているので、人助けといいながら胡散臭い詐欺まがいの話も多い中、安心して聞ける話だと思います。ただし、これも100%ボランティアというわけにはいかないので、経費負担のためにある程度は利益が出る仕組みになっているようです。

ところで、この話の内容は、我々のようなエクスパットとしてタイに住んでいる人で、日本企業によって派遣された駐在員ではない人、すなわち現地採用で働く日本人やハッピーリタイアメントでロングステイして住んでいる人等、自分の意志でタイに来て暮らしている人とって関係があります。

従って、日本在住の人はあまり興味がないと思いますが、ただし、将来、リタイアしたらタイに住むことを考えている人には、興味深い話かもしれません。

さて、もしタイにいる間に運悪く死んでしまったらどうなるんだろう?とタイに住むほとんどの人が一度は考えたことがあるはずです。

例えば、上の写真は6月に現地のエクスパット向けニュースサイトに載ったものですが、タイは交通事故で亡くなる人が年間12,000人以上もいます。これだけだとピンとこないかもしれませんが、人口が倍近くもいる日本の昨年の交通事故死亡者数が3,215人であったことを考えると、タイは自分で運転しなくても、タクシーやモーターサイなどに乗ること自体が非常に危険な国だというのがわかります。

しかも、タイの警察では死んだ外国人がパスポートやそのコピー、タイの運転免許証などのすぐに国籍や身元がわかるものを携帯してなければ、そのまま病院の死体安置所に置かれた後、処分され無縁仏になってしまうそうです。

また、事故があまりに多いこともあって、警察は外国人の身元調査などあまり熱心にやってくれないので、たとえ銀行のキャッシュカード等を持っていたとしても、それをたどって銀行に身元照会をしてくれるとは限らないそうです。

そこで、この知人がバンコクの日本大使館に行って聞いてきた話では、タイで亡くなってしまう日本人は年間140人ほどいるそうで、そのうち、実に4人に1人もの人が無縁仏になっているそうです。

これはタイでリタイアメントライフを過ごす一人暮らしの高齢者がほとんどなのではないかと思いますが、大使館から日本の親族と連絡が取れない、連絡が取れても引取に来ることができない、もしくは引取に来ない等で、そのまま無縁仏になってしまうからだそうです。


また、交通事故で亡くなった場合、警察で身元がわからなければ、日本人であるかどうかもわからないまま処理されてしまうので、そもそも日本大使館に連絡が行くこともないわけですから、もしかすると、もっと多くの日本人が無縁仏になっているのかもしれません。

従って、もしものことを考えて無縁仏になりたくなければ、いつもパスポートのコピーかタイの免許証を持ち歩いた方がよさそうです。とにかく、日本人であることと名前さえわかれば、日本大使館にタイ警察から連絡が行くはずですから。


次回に続く



タイの名誉棄損をめぐるトラブル

評価レーティング

チャーン島にある高級リゾートホテル、シービューリゾートが、アメリカ人宿泊客による最低評価とネットで書いた度重なる悪評に対し、その名誉を傷つけられたとして訴訟を起こしたという最近の話題があります。

最初、バンコクポストでこの記事をサクッと読んだ時、どうせ小難しいアメリカ人が執拗にホテルに嫌がらせをしていたのだろうと特に関心がなかったのですが、ふとこのホテルの写真を見ると、もう5年も前になりますが、私自身もここに3泊4日で泊まったことがあることに気が付きました。


シービューリゾート
確かにこの写真のロビーなどはタイのリゾートらしく魅力的で、部屋も各部屋が独立して建てられたバンガロー形式でプライバシーもあり、私もアゴダの評価レーティングを見てここを予約したのでした。また、スタッフのサービスもそれほど悪かった印象はなく、それなりに満足して過ごした記憶があります。

1つ星の評価

従って、この評価のレーティングで書かれているような、「スタッフは不親切で誰も愛想笑いもせず、マネージャーは失礼な態度」ということはありませんでした。

それで急に興味がわき、どれどれとこの事件のいきさつを読んでいったのですが、結局のところ、両者の言い分はそれぞれ自分に都合のいいように脚色されているようなところがあり、当事者でない私には判断などできません。

ただ、バンコクポストの記事の中で、この事件に関して著名なイギリス人旅行評論家がFBで書いた記事が紹介されていて、
ちょっと大袈裟な表現のところもありますが、タイの名誉棄損法について問題を指摘しているところには同感だと思いました。


Thailand’s defamation laws are very severe, in particular when it comes to online content. A couple of weeks ago, a friend of a friend was arrested at his school for posting a one star review on Google maps about a resort he visited on Koh Chang. 

In most cases, defamation laws are good as they are there to protect us. But it is sometimes abused. To have someone arrested at their workplace for posting a negative review is surely a step too far. Does this now mean none of us should post one star hotel reviews in Thailand?

This case should have never gone to court. It not only damages the reputation of the resort, but also the reputation of Thailand. This should have been settled out of court. Now the world knows that if a tourist posts a negative hotel review in Thailand they risk going to prison.

 

タイの名誉棄損に関する法律は非常に厳格で、特にインターネット上での中傷については厳しい。数週間前、アメリカ人教師がチャーン島のホテルに1つ星の評価をしたところ、学校に警察がやってきて逮捕されたのである。

本来、名誉棄損法は我々を守ってくれる法律であるが、時に悪用されることがある。ホテルの評価に1つ星をつけたというだけで逮捕するというのは、明らかにやりすぎであり、これがまかり通れば、タイにおいては誰も1つ星の評価ができなくなる。

こんなことで訴訟など起こすべきではないし、これはホテルの評判を落とすだけでなく、タイという国の評価をも損なう。この事件は既に諸外国でも報道されてしまった結果、タイでは観光客がホテルに悪い評価を下すと、監獄行きになるリスクがあると世界に知らせてしまったのである。


タイの名誉棄損に対する厳しい法律は、もともと政府がその方針や施政に対して反対する者や批判をするマスコミ等を取り締まるために厳しく作った法律であり、最高で20万バーツの罰金と2年間の禁固刑だそうです。

ところが最近は、これを企業や権力者が乱用するようになり、一般からの批評や批判に対しても訴訟を起こすと脅して黙らせるために使われるようになっているということです。

そういう点では、政府の批判でも会社の批判でも自由にいえる日本で、名誉棄損で訴えられて禁固刑になってしまったというケースは聞いたことがありません。
もちろん、悪意に満ちた嘘ばかりの誹謗中傷はダメですが...。

タイは王国である以上、よくいわれるように王室の悪口は不敬罪で捕らえられるというのはまだわかるのですが、ホテルの悪口を書いたら警察が職場までやってきてその場で逮捕、というのはちょっと怖いですね。

私が8年間住んでいたイギリスもユナイテドキングダムというくらいですから王国です。しかし、イギリス王室はいつもマスコミや国民からゴシップやジョークの格好のネタに使われていますが、誰も怒らないし捕まったりしません。タイと同じように、イギリス国民も王室を敬愛しているのは同じなのですが、このイギリス人評論家の名誉棄損に対する考え方の違いは国民性の違いなのかもしれません。

その点、日本もまたタイやイギリスとは少し違うのですが、たとえ皇室の批判でも思った通りいえる自由があるという意味では、日本の生活の方が実はサバーイサバーイなのかもしれません。



  投資に関する質問等
お問い合わせ先:bkk.condostory@gmail.com

このブログが参考になったらシェアお願いします。
 
タイ情報ブログランキング
  最新記事(画像付)
   プロフィール

藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

近況は以下のAmazon著者紹介で
https://www.amazon.co.jp/-/e/B082ZCRHZ4#nav-top

バンコク不動産投資2020年版
バンコク不動産投資 実践編
バンコク不動産投資 基礎編
英語に自信のある人にお勧め
    カテゴリー