実際、このグラフがモルディブのコロナ感染者の推移ですが、7月15日の開国後に急増し、毎日100人前後の新規感染者が出ているのがわかります。たった100人かと思うかもしれませんが、モルディブの人口はわずか34万人なので、日本のちょっとした地方都市程度です。そこで毎日これだけの感染者が出れば、それこそ医療崩壊寸前なのかもしれません。
従って、モルディブの外国人観光客を誰でも受入れるというのはさすがに無茶で、感染が広がるのは当然のことであったともいえ、結局失敗に終わったことになりますが、タイにとっても今後の規制緩和の参考になると思います。
この写真はつい先日、バンコクポストに載ったものですが、限界まで来ているプーケットの市長自らが、助けてくれとプーケットの窮状を叫んでいるのがわかります。
He added that 40,000 workers had lost their jobs and even those still in work had lost 20-90% of their income, while only 30% of all hotels were still open. "Phuket is like a patient in a coma in ICU. So it is necessary for all stakeholders to help restore Phuket as quickly as possible''(プーケットでは4万人が失業し、まだ仕事がある者でも2割から最高9割も収入が減っている。そして、営業しているホテルの数は全体のわずか3割である。今、プーケットはICUで昏睡状態にあるのと同じで、一刻も早くプーケットを再生するために関係者のサポートが必要だ)
ちょっと前までは、プーケットの地元関係者も外国人受入に消極的でしたが、最近はフアヒンなどでは理解が深まり、今の規制はちょっとやりすぎであり、生き残るためには外国人観光客への規制緩和はやむなし、という考えに変わりつつあるそうです。
そこで、これからの問題はどの程度規制を緩めて、どのエリアにどれだけ外国人観光客を呼び込むかだろうと思いますが、これも当然、リスクとそれに見合う観光収入が見込めるかのバランスです。
そいう意味では、特別観光ビザのようにお金をたくさん落としてくれる長期観光客しか入れないというのは正解だと思うのですが、モルディブのように、1か月半でわずか9,300人しか来なかったという失敗例にならないように、政府は難しい調整と舵取りが必要だろうと思うのです。