クレーム

さて、ここで隠れた瑕疵に話を戻しますが、例えば、長く放置された完成在庫で、上層階や大元の給排水管から漏水があった場合、誰もいないその部屋に大量の水が回ってしまうことがあり、すぐに対応しなければ手遅れになってしまうので要注意です。

特に新築の場合、竣工引渡し後に次第に入居者が移り住んできて、日常的に生活をし始めて初めて漏水が始まり、給排水の欠陥工事が露見することが多いのですが、その時に空室であるユニットに大量の水が入り込んだまま放置されてしまうと、大きな問題になることがあります。

例えば、コンクリート打ちっぱなしの住宅を見て、コンクリートには耐水性があると勘違いしている人が多いですが、あれは透明な防水塗料を塗っているからであり、コンクリート自体は吸水性が高く、一度大量の水を吸ってしまうとなかなか抜けず、カビが生えたり、最悪、爆裂にもつながるので、漏水は実は木造住宅よりもコンドミニアムにとって大敵なのです。

ところで、私の理解では、タイの民法上の躯体に関する瑕疵担保責任は5年ですが、実際には一般的にデベロッパーは3年ぐらいしか面倒を見てくれません。

特に欧米の住宅業界でもよく問題になるレイテント・ディフェクト、つまり隠れた重大な瑕疵が、引渡し後、かなり時間が経過してから見つかった場合、資金力のないタイの中小のデベロッパーは全く無視するか、何だかんだと理屈をこねて逃げ回ることが多いし、大手でも無責任なところは対応が非常に悪くなります。

ちなみに、タイでもこのレイテント・ディフェクトの問題が多いことから、アフターケアをしっかりやってくれるデベロッパーに消費者の人気が集まり、3年ほど前、いくつかの大手デベロッパーは、これからはアフターケアを充実させて顧客満足度を上げると宣言していたのですが、2018年後半から始まった市場低迷で、最近はそんなことをいうデベはいなくなりました。

完成在庫が積み上がる中、「今や買ってはいけないバンコクのコンドミニアム(その3)」で書いたように、大手でさえも資金繰りが厳しくなり、今はとにかく資金回収を最優先にしているわけですから、
彼らとしてみれば、一旦引渡しが済めば、あとは経費がかかるだけの後ろ向きの仕事などやりたくないわけです。

「バンコク不動産投資・実践編」の第1章で「増え続けるクレームと欠陥工事」という項でも、具体例を挙げて解説していますが、タイではこういう話はよくあるのです。

もっとも、そういうことはタイ人消費者もよく知っているので、責任をもってアフターケアをしてくれるデベロッパーのブランドを重視するし、逆にビッグ10に入る大手であっても、多くのユーザーから嫌われているところもいくつかあるわけです。

これは、私の個人的見解ですが、施工監理をしっかりやってタイ人消費者から信頼されているデベロッパーはL社、Q社、L社、S社ですが、逆に最初から敬遠しておいた方がいいのはA社やO社です。ただし、これはコンドミニアムに関してであり、ネーウラープと呼ばれる低層住宅はまた違うようです。

次回に続く

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