政府批判2
さて、このBBCニュースの記事によると、以下がタナトーン党首による政府批判の論点です。

1. รัฐบาลประมาท ไม่เร่งการเจรจาจัดหาวัคซีนจนเกิดความล่าช้า
タイ政府の怠慢により、ワクチンの早期調達交渉が行われなかった結果、(周辺国に比べて)ワクチンの調達が遅れた

2. "แทงม้าตัวเดียว" ไม่เปิดทางเลือกอื่นจากบริษัทอื่น ๆ
政府はワクチン調達を最初からアストラゼネカだけに絞り込んで、他社からの調達を試みようとしなかった

3. ความขัดกันของผลประโยชน์
利害の不一致

4. รัฐบาลฉวยโอกาสจากโควิด กอบกู้ความนิยมช่วงที่มีการเรียกร้องปฏิรูปสถาบันกษัตริย์
王室改革を求めるデモへの対抗策として、コロナの問題を利用して王室に対する人気や支持を集めようとしている

5.สถานะของสถาบันกษัตริย์กับผู้เล่นทางเศรษฐกิจไปด้วยกันไม่ได้
王室業務と経済活動ではその業務の性質が違い、王室が両方を行うのは不可能

なお、この記事以外にタナトーン党首はフェイスブックでも自分のプレゼン動画をアップしているので、タイ語がわかる人は、参考までに見てみてください。

さて、まず1についてですが、上の表を挙げてマレーシアやフィリピンよりもタイはワクチン調達が遅れている。マレーシアは既に全国民の71%に対するワクチンを入手しているのに対し、タイはまだ21.5%しかなく、これまでタイ政府がワクチン調達を急がなかったからこんなことになっているという批判です。

しかし、以前「中国製ワクチンしか選択肢がない国とタイでは違うのでは?」でも書きましたが、これまで感染拡大をうまく抑え込んできたタイ、カンボジア、ベトナムと、感染拡大が止まらないマレーシア、インドネシア、フィリピンでは状況が全く違います。

タイの場合、まだ余裕があるので、
特に中国のワクチンについては、その効果や副作用について他国の使用結果をよく見てから決めればいいと、今でも私は思います。それに、もしシノバックのワクチンでいいのなら「世界中から信用されない中国共産党と中国製ワクチン」でも書いたように、シノバックのは売れてないのですぐに調達できるのはないかと思います。

実際、彼のFBでのプレゼンを聞いていると、マレーシアは中国のシノバックやロシアのスプートニクという宇宙船みたいな名前のワクチンをも大量に購入しているようで、とにかく感染拡大阻止のために見境なくワクチン調達が急務ということから、71%という高い調達率になっているのだろうと思います。

タナトーン党首も自分に都合のいい数字ばかり出さないで、カンボジアやベトナムのワクチン調達比率も出してもらいたいものです。多分、タイとあまり変わらないのではないかと思うのですが、その場合、彼は感染拡大をうまくコントロールしてきたカンボジア政府やベトナム政府をも怠慢だと批判するのですかね。

ワクチン1

ただし、タナトーン氏のプレゼンで一つ気になったのは、アストラゼネカから3,500万接種分のワクチンを追加購入すると政府が最近発表したが、
実は契約はサインできておらず、タイの調達比率はまだ21.5%なのだというのです。

そうなると、以前私が紹介した上のバンコクポストの情報が正しかったことになり、既に契約も締結されたという政府の発表は嘘だったことになります。

次の2については、「プミポン国王からタイ国民へのこの上ない贈り物」で書いたように、サイアムバイオサイエンスはアストラゼネカから技術移転を受けてASEANで唯一のワクチン生産国になります。そして、近い将来月間1,500万接種分のワクチン生産ができるということで、年内には国民全員がワクチン接種可能ということです。

先にも書いたように、少なくとも12月に感染爆発が起こるまでは、国内の新規感染者がほとんどいなくなっていたタイ政府には、疑問の残るワクチンを焦って買わなくてもよいという余裕がありました。

そこで政府は、自国で生産するワクチンで全国民に無料でワクチン接種する計画と昨年からいっていたのであり、それに対し、
タナトーン党首は、政府が最初からアストラゼネカ1社に絞り込み、シノバックを含め他社と交渉してなかった結果、他国が既にワクチン接種を開始しているのに、タイではいまだに始まってないと批判しています。

しかし、そう思うなら、なぜ今頃でなく昨年から、1社に絞り込まず他社とも交渉すべきと政府を批判しなかったのかとも思います。

次回に続く