中国総量規制1
このブログでも、そして昨年初めに出した著書でも、コンドミニアム市場の先行きが不透明なのでしばらくは「休むも相場なり」と決め込んで、この先、不動産マーケットがどう動くか見定めたほうがいいと書きました。

もっとも、当時はあと1、2年もすればコンドミニアム市場はまた回復してくると比較的楽観視していたのですが、その後3月に入ってコロナ禍が始まり、予想外の波乱が続いています。

終わらない価格戦争1
2018年まで市場の牽引役となっていた外国人投資家、特に中国人投資家が今度は大量の解約キャンセルする側に回ったことから、デベロッパー各社は昨年と今年にかけて次々と竣工引渡しを迎える完成物件の在庫処分に追われているわけです。

2018年までヨーロッパ、シンガポール、香港、そして中国の投資家と主役は次々と入れ替わってきましたが、現在の価格水準までコンドミニアム市場を牽引してきたのは外国人の購買力によるところが大きく、実需と投資需要を合わせてもタイ国内の需要だけではここまで成長してこなかったと考えています。
また、バンコクだけでなくプーケットやパタヤといったリゾート地のコンドミニアム市場も、外国人投資家が不在のままでは、いつまでたっても回復しないとも考えています。

つまり、
バンコクのコンドミニアム価格が再び2018年の水準に戻るためには外国人バイヤーが不可欠と、私は考えています。

実はデベロッパー各社も同様のことを考えているのですが、彼らは一様にワクチンの普及で隔離検疫なしで外国人がタイに来られるようになれば、すぐに中国人投資家が戻ってきて市場は回復すると能天気に思い込んでいるようにも見えます。

しかし、中国では今年からいよいよ不動産融資に対する総量規制が始まりました。中国のGDPには不動産取引も含まれるのでかなり水膨れしているといわれていますが、総量規制で銀行の貸し剥がしが始まるとGDPは一挙に縮小します。

また、中国の大手デベロッパー、恒大集団が販売在庫をすべて3割引きで投売りしたという話は有名ですが、金融機関からの借入金返済に必死になっているといわれています。そして、これは総量規制で
日本のバブル崩壊が始まった状況とよく似ています。

多分、あと半年も様子を見ていればわかると思いますが、外国人の入国が再開され、さあ、いよいよタイの不動産に飢えた中国人投資家が戻ってくるぞとデベロッパーが待ち構えていても、予想に反して誰も買いに来ないという可能性が高くなっているような気がします。

私の記憶では、日本のバブルがどんどん膨らんでいた1980年代の後半に入った頃、お金がジャブジャブで使い道に困った投資家が海外不動産に目を向け始めました。三菱地所がニューヨークでロックフェラービルを買い、興和不動産がパリで、熊谷組がロンドンで巨額の不動産投資を始めた頃です。

同様に、個人投資家もハワイのコンドミニアムを買い漁りったりしていたのですが、ある意味、行き場のなくなった余剰資金が海外不動産へシフトし始めたのが、バブル崩壊が近づいてきたシグナルだったのかもしれません。

もし、それと同じことが中国でも起こっていたとしたら、2016年後半から始まった中国人投資家のタイでの不動産投資は、バブル崩壊の前兆であり、今回の総量規制により今後不動産市場の暴落が起こるかもしれません。そうなれば、中国人投資家は当然、タイに戻ってこないし、中国にも失われた5年とか10年がやってくるのかもしれません。

ちなみに、日本のバブル崩壊後、法人、個人を含め、ほとんどの海外不動産は損切りで売却されましたが、中国人投資家も同じことをするかもしれません。そうなると、今後さらに売物件が増えて市場での供給過剰は一向に収まらないということになります。

そういった意味では、これからも不動産市場にある程度見通しがつくまでは
「休むも相場なり」でじっとしているべき期間がさらに延びたと、私は思っています。