エリートカード2
6万ユニットを超えるコンドミニアムの販売在庫、その中でも「危険信号が灯り始めたコンドミニアム市場(その2)」で書いたように、竣工しても引取り手のいない完成在庫が急速に積み上がる中で悲鳴を上げている不動産業界ですが、タイ政府に対して外国人バイヤーを増やす政策を嘆願しています。

昨年初めの頃までは、各デベロッパーはミドルクラス以下の国内実需層にターゲットを絞って、郊外で100万~200万バーツの廉価なコンドミニアムを次々と開発していたのです。しかし、そこにコロナによる経済不況が襲い、ミドルクラスの多くが失業したり収入が激減した結果、金融機関の住宅ローンの却下等でこのセグメントもさっぱり売れなくなってしまいました。

一方、もともと転売目的が多かったアッパーミドルクラスや富裕層の投資家層の間でも様子見が続いているので、国内での販売ターゲットがもうほとんどいなくなってしまったわけです。

そこで最近、「苦戦が見え隠れするザ・エッセトンロー」でも書いたように、シンハーが100社ものエージェントを使って、もう一度外国人に売り込もうとしていますが、これはどこの大手デベロッパーも状況は同じで、こうなったらもう外国人しかいないということで、一刻も早く中国人を中心とする外国人バイヤーが戻ってくるのを心待ちにしているわけです。

そこで政府も不動産業界からの嘆願に沿ったかたちで、まずは比較的裕福な会員が集まるエリートカードの保有者にコンドミニアムを買ってもらおうと検討しているようです。まだ何も決まったわけではないということではありますが、今後どんなプランが発表されるのか興味深いところです。

ちなみに、以前「政府はまたもや非常事態宣言の延長へ!(その1)」の中で、「この2か月間で、期間5年のタイランド・エリートカードを取得した人が急増したそうです。つまり、どうしても母国に帰れない、もしくは帰りたくない外国人にとって、このカードは最も手っ取り早くタイに合法的に居残ることができるライセンスだったわけです」と書きましたが、カード会社の発表によると、このエリートカード購入者で一番多かったのは中国人だそうです。

エリートカード5
さて、今回ターンセータギットに載った記事では、政府は来年のタイへの資金流入や収入増のために、次の4つの目標を立てています。

1. EECに関して外国からの投資の呼び込み
2. 外国人観光客の誘致
3. タイの不動産を買う外国人投資家に長期ビザを発行する新ルールの制定
4. 富裕層の観光客を誘致し多くの消費を促す

そこで、まずはそのとっかかりとして、エリートカード会員に対し、タイで不動産を買ってもらえば特別な権利を付与するということを検討しているとのことです。

どんな特権かは、現時点では明確ではありませんが、ゆくゆくはエリートカード会員だけでなく、
マレーシアのMM2Hビザのように、タイでセカンドホームを買った人には、長期で滞在できるビザを出すことを検討しているようで、タイに住む日本人にとっても興味深いのではないかと思います。

次回に続く